▼ WPの本文 ▼
第8回
なんで服を着るんだっけ?
ファッションに夢中なんだっけ?
\ここに注目!!/
京都国立近代美術館
「LOVEファッション―私を着がえるとき」
世界と日本を代表するファッションにまつわるアーカイブが勢ぞろい!
“なりたい自分”への意識が変わるかも!?
ファッションを着るのが
好きな人も、見るのが好きな
人も楽しめる展覧会!
今回は京都・京都国立近代美術館で11月24日まで開催中の特別展「LOVEファッション―私を着がえるとき」をご紹介。夏の京都もにぎやかで楽しいですが、個人的に秋の夜風を感じて鴨川の河川敷でビールを片手に寝転ぶのも最高に好きです。
ところで皆さん、ファッションにまつわる展覧会は行ったことありますか? 近年では、ディオールやイヴ・サンローランなどの回顧展に加えて、ラグジュアリーブランドがスポンサーとなりアーティストの大規模個展を開催することも増えました。それらとは別に、社会の映し鏡として時代とともに変化するファッションの歴史を語る展覧会というものがあります。これまで日本では「モードのジャポニスム展」(1994年)をはじめ、「身体の夢 ファッションORみえないコルセット」(1999年)、「Future Beauty 日本ファッション:不連続の連続」(2014年)、そして近年では「ドレス・コード?―着る人たちのゲーム」(2019年)などが開催されてきました。いずれも本展の主催者である、京都国立近代美術館(MoMAK)と京都服飾文化研究財団(KCI)による共同主催の展覧会のもの。個人的には、2012年にロンドン留学した際に、大学の図書館で見た「Future Beauty」の展覧会書籍が印象的です。惜しくも展覧会はロンドンでは2010年に開催されていたので見逃してしまいましたが、現地で出会った友人たちと日本のファッションデザイナーについて話す際に「そういえば、この展覧会見たんだよ」という声をたくさん聞いた記憶があります。
本展も京都を出発点として今後、熊本、東京を巡回予定。「LOVEファッション―私を着がえるとき」という展覧会タイトルに込めたコンセプトは、服を着る人の様々な情熱や願望、つまり「LOVE」を受け止めてきたファッションの存在を、主に18世紀から現代までの衣装コレクションを通して浮かび上がらせるもの。ファッションに興味を持ったきっかけや、毎日のスタイリングを考えるとき、気になるスタイルに出会ったとき、皆さんはどんな感情を抱きますか? シンプルに好きなブランドやお気に入りの服を着たいという気持ち、あの人のようになりたい、反対に自分らしくいたいという願望を抱いて、またあるいは非日常へ誘(いざな)う存在としてファッションを捉えている方もいると思います。様々な欲望や願望は、時代が変わっても一貫して人々の心にあるものですし、これまで数々のファッションデザイナーがそうした人々の声に耳を傾けて服という形に昇華してきたと思います。
そんな時代を超えても通底する「LOVE」を体現した衣装が本展では多数紹介されています。アレキサンダー・マックイーン、デムナ時代のバレンシアガ、ダニエル・リー時代のボッテガ・ヴェネタ、カール・ラガーフェルド時代のシャネルなど海外メゾンをはじめNensi Dojakaなど若手ブランドまで登場。国内からは、コム・デ・ギャルソン、ヨウジヤマモトはもちろんのこと、マメクロゴウチ、トモ コイズミなども展示されています。また、服を着るうちに映し出される「自分」を見つめた現代アーティストたちの作品も発表。
展示期間中は、トークイベントやワークショップも開催予定だそうなので、ぜひ連休が続く秋・冬シーズンに京都旅行へ足を運んでみては?
Balenciaga(クリストバル・バレンシアガ) イヴニング・ドレス 1951年冬 ©京都服飾文化研究財団、撮影:畠山崇
「LOVEファッション―私を着がえるとき」
京都国立近代美術館にて11月24日(日)まで開催中。京都市左京区岡崎円勝寺町26の1 ◯10:00~18:00 月曜休館(祝日の場合は営業、翌日休館)
倉田佳子
大学卒業後、独学で編集・執筆業を始める。その後、5年間会社員と副業で編集・執筆業を並行し、2022年に独立。国内外のブランドやメディア、アーティストと仕事をする。
Instagram:@yoshiko_kurata
Title logo:Midori Kawano
▲ WPの本文 ▲