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タイの俳優として初めてSHIBUYA109渋谷店でPOP UP STOREを開き話題を呼んだ、Zee Pruk(シー・プルック)。来店イベントに伴い行われた独占インタビューの前編では、彼が立ち上げたファッションブランド「SUPER SUN」をテーマに話を伺った。
後編となる今回は、彼の枠にとらわれない活躍ぶりを深掘り。日本での仕事を通じて得た学びや、ファンへの感謝、人生のモットーを、熱意たっぷりに語ってくれた。前編とは異なるスタイリングに身を包んだ、撮り下ろしカットも必見だ。
Zee Pruk SPECIAL INTERVIEW
――タイの俳優としてSHIBUYA109渋谷店でPOP UP STOREを開催するのは、Zeeさんが初めてだそうです。東京を代表するファッション施設での開催が決まった時のお気持ちを教えてください。
素敵な機会を設けていただき光栄です。とても嬉しかった一方で、「なぜ自分が初めてなんだろう!?」と困惑しました(笑)。企画から準備まで色々とサポートしてくれた日本のスタッフの皆さんには、頭が上がらない思いです。ずっと夢を見ているような気分でしたが、今日会場を訪れて、やっと実感が湧きました。
会場に着いた瞬間、感無量で言葉が出なかった。僕の写真が壁一面に貼られていて、ディスプレイなども実店舗のような完成度の高さだったんです! 今はオンラインストアのみですが、いつか店舗を持つことが目標。夢に一歩前進できた気がして、すごく達成感がありました。
日本でPOP UP STOREを開催できたのは、ファンの皆さんのおかげ。僕が店頭に立ったわずかな時間にも、たくさんの人が駆けつけてくれました。「私に似合いそうなものを選んでください!」とリクエストしてくれたり、コミュニケーションが取れて楽しかったです。購入後わざわざ着替えて僕に見せてくれる人もいて、心が温まりました。
――プライベートやお仕事で何度も日本を訪れていますが、日本のファッションシーンの印象は? また、タイのトレンドと異なる点はありますか?
日本人は服の着こなし方がとても上手。アイテムそれぞれはシンプルなのに、スタイリングに個性が光っていますよね。「ファッションにルールはない」ということを、見事に体現していると思う。来るたびに日本のブランドをチェックして、新鮮なデザインに刺激をもらっています。
日本ではモノトーンの服が人気な印象を受けますが、タイはカラフルなアイテムを着ている人が多く、そこが大きな違いかな。タイのトレンドといえば、最近メイクのテクニックが進化していて、男性も個性的なメイクを楽しんでいます。
――昨年9月にはミラノのファッションウィークを訪れ、ドルチェ&ガッバーナのショーを鑑賞したZeeさん。初めてのファッションウィークはいかがでしたか?
ファッション好きとしては、夢のような体験でした。少し緊張しましたが、すごく楽しかった! ショーの他にもドルチェ&ガッバーナの関係者の皆さんとお話をしたり、撮影を見学したり、貴重な経験の連続。とても勉強になりましたし、視野が広がりました。9月にはニューヨークで開催されるCOSのショーを訪問する予定です。
――「SUPER SUN」のショーを開催する予定はありますか?
いつかタイで開催したいです! バンコクにサイアムという、東京の表参道のようなエリアがあり、そこでショーをやらないかと何度かオファーをいただいているんですけど…まだ自信がなくて。もう少し経験を積んでから挑戦したいと思っています。
――慎重ですね!
今はそれほどでもないですが、昔はかなり慎重で完璧主義でした。仕事をするうちに柔軟性や臨機応変に対応することの大切さを学び、考えすぎないように意識しているんですよ。日本で仕事をすると、日本人はとてもプロフェッショナルだな!と感動してばかり。仕事の進め方や対応力など、いつも学ばせてもらっています。
――数多くの作品で共演するNuNewさんと日本の人気スポットをめぐる番組『じぬぬのデートするる』の第三弾として、秋に沖縄を訪れるそうですね。沖縄に行くのは初めてですか?
初めてです。地名は聞いたことがありますが、どんな場所で何があるのか全く知らなくて。3日ほど滞在する予定だから、色んな体験ができるはず。楽しみです!
――同シリーズではいちご狩りや金太郎飴づくりに挑戦したり、日本の遊園地を訪れたり、さまざまな体験をしてきましたが、最も印象に残っていることは?
アクティビティはもちろんどれも楽しかったのですが、個人的には、日本のテレビクルーの仕事ぶりが最も印象に残っています。第一弾の収録初日、初めてスタッフの皆さんとお会いした時に、僕らについて3カ月もかけてリサーチしてくれたと聞いて驚きました。3カ月も費やしてくれるところに、日本人の真面目さと勤勉さが表れているな、と。ロケで訪れる先々についての情報や知識も豊富で、徹底的に調べていることがわかります。
正直、日本はルールが多くて“お堅い”イメージを抱いていたんですけど、実際はルールをきちんと守りながら柔軟性もあると知って感動しました。ハプニングを見越して解決策や代案を用意しているから、撮影がとにかくスムーズに進む。几帳面さと穏やかさを兼ね備えた日本人らしいな、といつも感心しています。
――俳優、ファッションブランドのプロデューサー、そしてインフルエンサーとして幅広く活躍するZeeさん。新しいことに挑戦する勇気がなかったり、自分に自信がなかったり…なかなか一歩を踏み出せずに悩む読者に向けて、アドバイスをください。
僕のモットーは「トー・トー・トー」(タム・タン・ティの頭文字)。「今すぐにやる」という意味で、母が伝え続けてくれた言葉です。僕もつい考えすぎてしまう性格ですが、どんなに考えたって自信は得られないし、勇気は出ません。
育った環境は人それぞれ違い、それによってスタートラインに多少の差があることは事実。でも結局、みんな同じ人間です。他人にできることは、自分にもできる。向き不向きはあっても、絶対にできないことなんて、ないと思います。だから「自分にはできる!」と信じて、一歩を踏み出して欲しいです。
自分の可能性を広げるためには、変化を恐れないことも大切。僕自身も最近、改めて気づいたことなんですけど、人は色んな生き方を選べますよね。たとえば今の仕事に不満はなくても、もっと楽しめる仕事があるかもしれない。今あるものを手放すのが怖い気持ちもわかりますが、たとえ判断を間違えたとしても、選択肢は無限にありますから。
無鉄砲な行動を勧めるわけではありませんが、リスクを恐れてやりたいことを我慢し続けているならば、一度立ち止まって考えてみてもいいんじゃないかな。人生で最も大切なことは、自分らしく幸せに生きること。“自分にとっての幸せ”ときちんと向き合ってみると、きっと、やるべきことが見つかるはずです!
Zee Pruk PROFILE
Zee Pruk(シー・プルック)
●1992年9月10日生まれ、タイ・チェンライ出身。2018年にドラマ『Friend Zone』で俳優デビュー。俳優/アーティストのNuNewと初めてペアを組んだドラマ『Cutie Pie』(2022年)が世界的ヒットとなり大ブレイク。続編の『Cutie Pie 2 You』やスピンオフドラマ『Naughty Babe』(ともに2023年)が立て続けにヒットし、同年、『After Sundown』で映画デビューを果たす。今後は『Zomvivor』や『The Next Prince』など、複数の作品を控える。
Photos : Teppei Hoshida Hair & Make-up : Tokita Yusuke Translation : Sutasinee Mahawongwiriya Composition & Text : Ayano Nakanishi
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