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遊べる本屋の名物スタッフが メンズノンノに出張!? ヴィレヴァン的ホラー漫画のすすめ&おすすめホラーマンガ9選

遊べる本屋の名物スタッフが メンズノンノに出張!? ヴィレヴァン的ホラー漫画のすすめ&おすすめホラーマンガ9選

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近年何かと話題のホラー作品。ホラーを愛する名物スタッフ・長谷川 朗さんに、その魅力を取材。暑い夏の夜も恐怖で涼め!

 

遊べる本屋の名物スタッフが
メンズノンノに出張!?

ヴィレヴァン的ホラー漫画のすすめ。

ホラー漫画を大々的に、年がら年中売っているヴィレヴァン 下北沢店。その売り場を取り仕切る名物スタッフに、ホラー漫画の楽しみ方を聞いた。

ヴィレッジヴァンガード 下北沢店 次長・長谷川 朗さん

Profile
ヴィレッジヴァンガード 下北沢店 次長
長谷川 朗さん

福岡、新潟、高円寺店の勤務を経て、現在はヴィレッジヴァンガード 下北沢店にほぼ週6で出勤する名物スタッフ。大のホラー漫画好きな一面を生かし、公私混同でヴィレヴァンを盛り上げる。役得を発揮し、過去には楳図かずお先生、伊藤潤二先生との対談経験も。

 

最初の入り口は実は映画。今では
ホラーの中毒性の虜(とりこ)に!

メインストリームからニッチどころまで、千差万別のどんな“好き”にも対応し、国内のサブカルチャーを支えてきたヴィレッジヴァンガード。書籍や雑貨などのすさまじい陳列と、スタッフの魂が宿ったポップで有名な本屋さんだが、下北沢店の漫画コーナーは、神がかったセレクトでホラージャンルも超充実。そこで今回は、ヴィレヴァン 下北沢店のホラー漫画を取り仕切る、書店員の長谷川さんをお招き。ホラー漫画の沼にハマった原体験をたどり、漫画で読むホラーの面白さについて教えてもらった。

今でこそ、僕のアイデンティティのひとつになっているホラー漫画だけど、実はその入り口は映画なんです。中学時代、女優の中谷美紀さんが好きだった僕は、彼女が出演しているという理由で映画『リング』を観に行って(笑)。初のホラー映画に、精神的なダメージを負いつつ、恐怖で心拍数が上がる感覚が新鮮で、そこで怖いっていう感情と面白いがつながった気がします。以来、他のホラー作品もチェックするようになり、大学生になる頃にはいっぱしのホラー好きに進化。いろいろなコンテンツのホラーに触れるようになりました。そんなときに漫画好きの姉の影響で、楳図かずお先生の『漂流教室』に出会ったんです。小学校の校舎全体が未来にタイムスリップするストーリーで、教師が錯乱するさま、殺戮(さつりく)シーン、怪物による襲撃、逃れられない飢餓など、衝撃的な場面の連続でした。トラウマになるような残酷な描写が頭にこびりついちゃって、読み終えたときに心が沈むのに、しばらく時間がたつとまた読みたくなる。中毒性にも似た感覚を覚え、楳図先生の作品全般に手を出すように。そうして気がついたときには、ホラー漫画の沼にどっぷりつかっていました」

 

ヴィレヴァン的ホラー漫画コーナー

ヴィレヴァン的ホラー漫画コーナー

  

ペン1本から生み出される
“何でもアリ”な世界

『漂流教室』との出会いを機に、漫画で読むホラーの面白さに取り憑(つ)かれていった長谷川さん。映像作品とはまた違う、漫画ならではの表現や魅力は、どこにあるのだろう。

「あくまで想像ですが、ホラー映画はプロデューサーがいて、監督、脚本、美術、演者、ときには原作者がいて……というように、多くのクリエイションが合わさって、ひとつの映像作品としてできあがっていくものだと思うんです。それに対してホラー漫画は、ひとりの空想から始まるもの。アシスタントさんはいるかもしれないけど、漫画を完成させるために関わる人数は、映像作品と比べると圧倒的に少ない。なのに作者が思い描く“何でもアリ”な世界が、ペンの力だけで輪郭を帯びていき、自由な発想でぶっ飛んだ恐怖をカタチにしていく。それってめちゃくちゃすごいことですよね。そんなホラー漫画を通じ、スプラッターでグロテスクな、そして不条理な非現実とつながる瞬間。僕にとっては、それがたまらなく楽しいんです」


楳図かずお『こわい本4 呪縛』

こわい本4 呪縛
「カバーイラストにもなっているダリの男が超怖い。精神的な異常は、外見に発現する……」。2021年/楳図かずお/角川ホラー文庫

 

非日常な展開を通して
感情が揺さぶられる

「眼球から錆(さ)びたハサミが飛び出してきたり、原因不明の奇病に侵されたり、購入した中古物件に最強の悪霊が棲(す)みついていたり……。ホラー漫画が押しつけてくる不条理は、かなりハードなものばかり。あまりに救いがないので、読後は感情の針が、日常生活では到達し得ないどん底まで振り切れていることも(笑)。しかし、不思議と嫌な気分にはならないんですよね。子どもが泣きじゃくった後にすっきりしたような感覚といいますか……。大きな感情の動きによって、ストレスやら胸のつかえやらが、すっと取れているのかも」

気持ちを静めたいときには、年代を遡(さかのぼ)ってレジェンド作家の作品に触れるのも効果的なのだという。

古いホラー漫画のほうが、救いがないことが多いんです。最近だと対峙する怪異やバケモノのバックボーンを掘り下げて、人間に仇(あだ)なす意図を暗示するような作品もあるのだけど、昔の作品はそういう余地は一切なしなことがほとんど(笑)。日常を普通に生きている兄妹や、登場人物がたまたま訪れる街の中に、ただただ“そういうもの”として恐怖の対象が放り込まれるんです。そして笑えるほどの惨劇が始まる。楳図かずお先生や伊藤潤二先生の作品には特に多いかもしれません。お二方ともホラー漫画界を牽引(けんいん)し続けている大先生。現在は短編集や自選集があるので、過去の神回にすぐアクセスできます。最初に読むなら、『神の左手悪魔の右手』『伊藤潤二自選傑作集』がおすすめ。収録されている話は、いずれも10年以上前のものだけど、今読んでも怪異のディテールや、設定の完成度が高く、新鮮なホラー漫画として成立していると思います。また、ここぞという大きなコマの全部が、トラウマ級に怖いのも最高です。

楳図かずお『神の左手悪魔の右手』

神の左手悪魔の右手
「悪夢、不条理、スプラッターなど、作者の得意とする過激な表現の極致をこのシリーズに凝縮!」。1997年/楳図かずお/小学館文庫

 


伊藤潤二『自選傑作集』『自選傑作集(歪)』

左:伊藤潤二 自選傑作集
「ファッションモデルの回に登場する、FUCHIの恐ろしい顔が、脳裏に焼きついて離れません」。2015年/伊藤潤二/朝日新聞出版

右:伊藤潤二 自選傑作集(歪)
「閉ざされた村を舞台にした墓標の町が傑作。この設定は、この作者にしか考えつかない!」。2018年/伊藤潤二/朝日新聞出版

 

そしてもうひとり忘れてはならないのが、日野日出志先生。かわいらしいキャラクターのタッチに騙(だま)されそうになりますが、こちらの救いのなさもなかなか。昨年発売されたベスト版『日野日出志ベストワークス』が推しです。漫画の枠を超え、読者に呪いをかける回など、掲載当時としては前衛的な手法が記憶に残っています。しかし、日野先生は、醜さや不気味な表現がうますぎて、読み手の向き不向きはあるかもしれません……(笑)。

日野日出志『日野日出志ベストワークス』

日野日出志 ベストワークス
「狂気の元凶をあえて描かず、着地を読者任せにするから余計怖い」。2023年/日野日出志/太田出版

 

さらに変わり種でいえば、『寄生獣』の岩明均先生の『七夕の国』。これはサスペンス的な要素を含んだ超常ミステリー。『寄生獣』にも並ぶほど面白いのに意外と知られていないんですよ。


岩明均『七夕の国』

七夕の国
「『寄生獣』と同レベルの全3巻のSFミステリー。そのまさかの着地に驚くこと間違いなし。7月からディズニープラスで実写ドラマの配信も」。2011年/岩明均/小学館文庫

 

そして最近は、霊的な怪異を描くホラー漫画だけでなく、人間の狂気を描いたヒトコワ系のホラーにも面白い作品が多い。森田まさのり先生が本気で描いたサイコサスペンスの『ザシス』や、原克玄先生が原作を担当して、ゴトウユキコ先生が作画を担当する 『フォビア』とか。実生活のすぐそばに潜んでいるかもしれない恐怖にぞっとさせられます。

森田まさのり『ザシス』

ザシス
「森田先生が描く本格サスペンス。不気味な事件の核心に迫るほど、追い込まれる主人公の心理表現がリアル。残る謎の意味とは?」。2023年/森田まさのり/集英社

 


原作:原 克玄・作画:ゴトウユキコ『フォビア』

フォビア
「最近一番推している漫画です。現代を舞台にした、実際に起こりそうな恐怖の仕掛けづくりが天才的!」。2021年/原作:原 克玄・作画:ゴトウユキコ/小学館

 

あとはサイコスリラーの傑作、井上三太先生の『惨家』。作中で起こる猟奇的殺人の描写がとにかくすごい。ビデオカメラで撮った映像を見ているかのように、ページをめくるごとにコマが流れていきます。

井上三太『惨家』

惨家
「タチの悪すぎる通り魔注意! アクションの描写がスムーズすぎて、凄惨な殺人事件の目撃者になったかのような感覚です……」。2022年/井上三太/秋田書店

 

そしてこの夏に実写映画の公開が控える『サユリ』も大注目。凶悪な亡霊に抗(あらが)おうとする、人間の命の力強さ。やられっぱなしで終わらないのが革命的でした。いやはや、ホラー漫画を語るには、ひと夏だけでは足りません」


押切蓮介『サユリ』

サユリ
「引っ越し先に悪霊が棲みついているという家ホラーのテンプレを、後半で塗り替える傑作」。2015年/押切蓮介/幻冬舎コミックス

 

My favorite ホラー
Akira Hasegawa


映画『キャンディマン』

「メッセージ性を込めた、社会派ホラーの走りのようなスプラッター作品。ビジュアル的なオリジナリティ、怖さはもちろん、人種差別、都市伝説を軸に描くストーリーが見事!」

 

Photos:Shintaro Tohyama Text:Kanta Hisajima

久嶋敢太

久嶋敢太

エディター

本誌のファッションテーマからスナップまで幅広く担当する若手エディター。ウェブでは連載「俺たちの“ノリモノ”語り!」と「オシャレ男子の部屋カタログ」を担当する。

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