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タイのホラーがアツい!『フンパヨン 呪物に隠された闇』プーンパット・イアン=サマン(アップ)さん スペシャルインタビュー【前編】

タイのホラーがアツい!『フンパヨン 呪物に隠された闇』プーンパット・イアン=サマン(アップ)さん スペシャルインタビュー【前編】

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タイ・韓国合作の『女神の継承』(2021)や、台湾の『呪詛』(2022)を筆頭に、アジア発のホラー映画が続々とヒットしている昨今。世界的なホラーブームが続く今、アジアン・ホラーは最も“アツい”ジャンルの一つと言えるだろう。

そして今年、ホラーの季節の幕開けを飾る注目作が『フンパヨン 呪物に隠された闇』。タイで古くから伝わる呪物信仰を題材にした本作は、「第19回大阪アジアン映画祭」で日本初上映されると大きな話題に。予定の約3倍に上映館を増やし、7月5日(金)より全国公開される。

6月にはプレミアム上映会のために、主演俳優のUp(アップ)ことプーンパット・イアン=サマンが来日。メンズノンノの2度目となるインタビューが実現した。本作で初めてホラー作に挑んだ彼は、なんと大の怖がり! 実際に呪物信仰の儀式が行われていたという村での撮影秘話から、ホラー大国として知られるタイのホラー事情までを、たっぷりと聞いた。

UP SPECIAL INTERVIEW

プーンパット・イアン・サマン(アップ)さんインタビュー2 Up Poompat

新しいチャレンジは、
いつだってワクワクする

――映画『フンパヨン 呪物に隠された闇』の舞台は、“フンパヨン”と呼ばれるタイの伝統的な術式人形を信仰する村。Upさんは、この村の寺院で育った自閉症の青年Tae(テ)を演じています。ジャンル、役柄ともに初めての試みとなった、本作への出演を決めた理由を教えてください。

本作の監督からオーディションに誘われ、プロット(構成)と脚本の一部をもらって読んでみたら、すごく面白かったんです。Tae役はこれまでに演じたことのない役柄だったので、自分にとってチャレンジになると感じ、オーディションを受けました。


――前回メンズノンノにご出演いただいた際に、お芝居の楽しさを、「自分とは全く違う人間として生きられるところ」だと表現していました。本作で演じたTae役を通じて、新しい発見や学びはありましたか?

自閉症の役を初めて演じるにあたって、自閉症の子供のための財団を訪れたんです。実際に自閉症の子供たちと会ってコミュニケーションを重ねる中で、彼らがある面で才能に秀でていることや、それぞれ異なる個性を持っていることを知りました。感情を表現するための表情やボディランゲージも一人ひとり違うんですよ。

できる限り多くの子供たちと触れ合いながら学んだことをもとに、アクティングコーチ(演技指導者)と話し合って、Taeの人物像を作り上げていきました。

    

泥まみれの自分の手を見て
気が変になりそうでした(笑)

プーンパット・イアン・サマン(アップ)さんインタビュー3 Up Poompat
プーンパット・イアン・サマン(アップ)さんインタビュー4 Up Poompat

――Taeを演じる上で、最もこだわったことは?

身体の使い方と感情表現です。まず、物語で起きる事柄に対してTaeならばどう感じるだろう?と内面からアプローチして、導き出された性格をもとにTaeの表情や行動、クセなどを考えていきました。その一つが、Taeが泥をこねる仕草。劇中でTaeは、つねにバッグに泥を入れて持ち歩き、泥でフンパヨンを作っているんです。その仕草をするだけで、すんなりとTaeに入り込めるようになりました。

お芝居の面ではとても効果があったのですが、体力面ではキツかった。泥って、すっごく重いんですよ! 泥入りバッグを持って1日中撮影すると、かなりエネルギーを消耗しました。僕を心配してスタッフが泥の代わりに紙を詰めてくれたこともあったけど、いまいちTaeになりきれず、泥を詰め直してもらいました。


プーンパット・イアン・サマン(アップ)さんインタビュー5 Up Poompat

――撮影を終えて、泥が恋しくなりませんでしたか?

なりませんでした(笑)。僕は本来、手が汚れるのは耐えられない性格なんです。爪の中に泥が入った状態なんて、想像しただけでゾッとする! 撮影を終えてホテルの部屋に戻るたびに、シャワーへ直行し、泥まみれの手を必死に洗っていました。

でも不思議と撮影中は、全く気にならなくて。それほどTaeになりきっていたんだと思います。大変だったけど、結果的に満足する演技ができました!

    

撮影を行った村には、
恐ろしい儀式を行なっていた歴史が!

――舞台である村の雰囲気がとても不気味で、怪奇現象の恐ろしさを一層盛り上げていました。村は実在するのですか?

舞台の村は架空のもので、タイの地方にある複数の村で撮影を行いました。それらの地域には、実際に恐ろしい言い伝えがあったり、映画で描かれているような儀式を行なってきた歴史があるそう。背筋がゾクゾクするほど不気味な雰囲気が漂っていて、本当に怖かった! おかげで、より役に入り込めましたね。ただ、怖がりな僕は一人でトイレに行けず……いつも誰かに付き添ってもらっていました(笑)。

――例えば、どんな言い伝えがあったのでしょうか?

一つの地域では、身寄りのない遺体は火葬して、遺骨を土偶に埋め込んで儀式を行っていたそうです……。

――本作で描かれているような伝統は、実在していたんですね!

そうなんですよ。僕も知らなかったんですけど、調べてみたら、かなり古くからフンパヨンを信仰する伝統があったようです。ただし全国的なものではなく、現代の若者の多くは知らないんじゃないかな。今もフンパヨンを信仰している人はいて、映画の中で僧侶が唱えている呪文も、実際の儀式で唱えるものなんですよ。

    

タイはホラー大国!
でも、僕は苦手です(笑)

プーンパット・イアン・サマン(アップ)さんインタビュー6 Up Poompat

――ホラー映画などの撮影現場では、実際に怪奇現象が起きることもあると聞きますが、本作の撮影中に恐怖体験はしましたか?

していないですし、絶対に体験したくないです!!(笑)

――強い意志を感じます(笑)。ちなみにタイでは、多くの人が霊の存在を信じているそうですね。Upさんは霊の存在を信じていますか?

信じてはいるけど……怖いから、あまり信じたくない(笑)。タイでは霊を信じるのは普通のことで、呪物を信仰している人も少なくないと思います。その影響か、ホラーはとても人気が高いジャンル。お化けや心霊体験、怪奇現象をテーマにしたエンタメ作品やYouTubeチャンネルがたくさんあります。

実は今回、日本で呪物を集めているユーチューバーと会ったんですよ。彼が世界中から集めた様々な呪物を見せてもらったんですけど、その中にタイで有名な呪物の一つ、「クマントーン」がありました。

クマントーンとは、タイ語で“黄金の男児”という意味。胎児や幼児のミイラに儀式で精霊を宿したもので、タイではお守りのような存在です。初めて手に取って見たら、すっごく不気味だった……。


   

呪物に頼るのは嫌。
願いは自力で叶えます!

プーンパット・イアン・サマン(アップ)さんインタビュー7 Up Poompat

――絶対に願いを叶えてくれるフンパヨンを手に入れたら、どんな願い事をしますか?

いりません!(即答) フンパヨンを持つ恐ろしさを考えたら、願いは叶わなくていい(笑)。頑張って働いて、自分の力で叶えます!

――日本には「怖いもの見たさ」という表現がありますが、人はなぜ恐怖や未知のものに惹かれるのだと思いますか?

ホラー作品の多くは、迷信とリンクしていますよね。通常は見えないし理解できないものだからこそ恐怖を感じる一方で、好奇心や探究心を掻き立てられるんだと思います。

――『フンパヨン 呪物に隠された闇』以外に、おすすめのタイのホラー映画があれば教えてください!

本作の監督(ポンタリット・チョーティグリッサダーソーポン)による『祟り蛇ナーク』。監督のヒット作で、シリーズ化されているんですよ。コメディ要素が盛り込まれていて、僕のように怖がりな人でも観やすい作品だと思う。

ちなみにタイでは、ホラーとコメディを掛け合わせた作品が大人気。恐怖と笑いを同時に楽しめるから、よりエンタメ性が高まるんだと思います。国内外で大ヒットした『愛しのゴースト』は、その代表格。『フンパヨン 呪物に隠された闇』とともにご覧ください!(笑)

>>アップさんインタビュー【後編】は、7月11日(木)に公開予定!

    

ABOUT “HOON PAYON”

映画「フンパヨン 呪物に隠れた闇」場面写真
© Five Star Production Co., Ltd. 2023

『フンパヨン 呪物に隠された闇』

出家した兄のティーに会うためにドンシンタム島の寺院にたどり着いたタームは、寺に住んでいる純粋な青年、テと知り合う。この村の人々は“ポープー”という人の形をした像を信仰し、また、人が死ぬと遺骨の一部を入れた土の像(フンパヨン)を作って拝む習慣がある。村人たちの信仰を盲目的な迷信だと考えるタームは、ある夜、怒りに任せて“ポープー”への供え物を壊してしまう。その夜を機に、恐ろしい出来事が次々と起こり、村は恐怖に包まれる……。

監督:ポンタリット・チョーティグリッサダーソーポン キャスト:プーンパット・イアン=サマン(アップ)、プーウィン・タンサックユーン(プーウィン)、クナティップ・ピンプラダブ(ニック)、タソーン・クリンニウム(エミ)、プーリパット・ウェーチャウォンサーデーチャーワット(ジェームス)、パンナウィット・パッタナシリ、ワラティップ・キッティパイサン 7/5(金)よりシネマート新宿ほかにて公開 https://hoonpayon-movie.com/

PROFILE

プーンパット・イアン=サマン

1994年12月4日生まれ、タイ・バンコク出身。国内きっての名門チュラロンコン大学在学中、先輩から誘われて芸能活動をスタート。2015年に映画『Gifted』で主役ウェーブを演じ、俳優としてデビュー。2021年、BL小説を原作としたドラマ『Lovely Writer The Series』で主役を演じブレイクする。現在、主演するドラマ『My Stand-In』が放送中。俳優業の傍らアパレルブランド『U.W.C Studios』のプロデュース、歌手としてCDをリリースするなど、マルチに活躍する。

Photos : Teppei Hoshida Stylist : Takumi Urisaka Hair & Make-up : Wongwarat Phruphetkaeo Translation : Miwa Takasugi Composition & Text : Ayano Nakanishi

カーディガン(トーガ トゥ)¥50,600・つけ襟(トーガ プルラ)¥24,200/トーガ 原宿店 カットソー¥16,500/イレーヴ ショーツ(ウィリー チャバリア)¥41,800/ジェットン ショールーム 靴(アデュー)¥75,900/バウ インク ブレスレット(セモー)¥99,000/ビューロウエヤマ リング¥30,800/ラムダ ソックス(パンセレラ)¥4,290/真下商事

中西彩乃

中西彩乃

ライター

インタビューやヒューマンテーマを主に担当。海外ドラマ、東南アジア、セレブのゴシップ、占いをこよなく好む。

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