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銀座の「シャネル・ネクサス・ホール」で 5月22日(水)から7月15日(月・祝)まで、中国出身のアーティスト2人の写真展『Borrowed Landscapes フェイイ ウェン|パン カー 二人展』が開催される。
先駆的な作品で注目を集めるアーティスト、フェイイ ウェン(Feiyi Wen)と、パン カー(Peng Ke)は、驚異的な経済成長を見せていた1990年代の中国で生まれ育ち、その後、海外で学びアーティストとしての活動を開始。レンズを通した写真での表現をベースに、さまざまな技法やメディアを探求して表現の幅を広げている。
Feiyi Wen(フェイイ ウェン)
Feiyi Wen,The Untitled from Seeing a pine tree from your bedroom window, 2024
©Feiyi Wen
Portrait of Feiyi Wen
Photo by Sophie Davidson
写真に映されたイメージと、見る者が見ようとするイメージとの関係に関心をもち追求し続けているアーティスト。今回の展示の中では、露出レベルや現像技術、用紙や印刷の手法で試行錯誤を重ねた作品を展示。
中国の山水画を想起させるような、あるいは日本で撮影されたように見える題材や構図もあるが、最近の作品はほとんどはイギリスとウェールズで撮られたもの。穏やかで自然。けれど、実際には緻密に設計管理・編集された作品が多く並ぶ。本展ではゼラチンシルバープリントと、ライスペーパー*にジークレー印刷をした新作16点に注目だ。
*カミヤツデや麻などの繊維を原料とした薄く不透明で丈夫な紙
Peng Ke(パン カー)
Bay Windows (agree to disagree), 2022 Installation view of “Double Vision”, Tai Kwun Contemporary
Courtesy of Tai Kwun
Photo: Kwan Sheung Chi
Portrait of Peng Ke
Photo by Pengfei Yin
現代の都市生活の人工的で均質なものの中から、ロマンスともいうべき温かな眼差しを抽出するのが得意なパン カー。エキゾチックな美的感覚を模倣した装飾的な窓は、彼らの生活からその内面的な側面、そして夢と挫折を喚起させる。今回の展示では、このシリーズの続編となる6点の新作も発表。
2人の作家は、現代を生きる僕らを取り巻く状況を思慮深く見つめる方法を提示する。胸を揺さぶられる体験が、必ずやここで待っているはずだ。
Borrowed Landscapes
フェイイ ウェン|パン カー 二人展
会期:5月22日(水)〜7月15日(月・祝)
開館時間:11:00〜19:00(最終入場18:30)
※ただし、5/22(水)のみ17:30閉館(最終入場17:00)
※入場無料・会期中無休・予約不要
会場:シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
【フェイイ ウェン】
1990年生まれ。英国・ロンドン在住のビジュアルアーティスト、リサーチャー。ロイヤルカレッジ・オブ・アートの写真学で修士号、さらにスレード美術学校のファインアートにおいて実践型博士号を取得。主な活動は、写真、執筆、本作り、映像、オブジェ・キャスティング、インスタレーション、サウンド・レコーディングなど。自然や風景を主題に、自身の撮影したイメージと、ときにはファウンドフォトのイメージを混ぜ合わせて章立てしたシリーズ作品を展開。テート・ブリテン、フォト・シャンハイ、北京国際写真ビエンナーレ、フォト・ロンドン、フォト・オックスフォード、Brighton Photo Fringe、Aperture Galleryなど世界各地で作品を発表。
【パン カー】
1992年中国・湖南省生まれ。急速に都市化が進む深圳で育ち、現在は中国とアメリカを拠点に活動中。ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン卒業。急速な都市化が進む中で文化や歴史に関心を寄せ、個人の体験と集団の記憶とのはざまに存在する都市の美学に着目。プライベート空間に隠される親密さと疎外感の混在をつまびらかにする作品が人気を博す。近年は『Grand City and Serendipitous Trésor』(Gallery Vacancy、上海、2021)、『Agoramaniac』(Jimeix Arles International Photography Festival、厦門、2019)、『Leaving Speed』(Lianzhou Museum of Photography、2018)などで展示を行う。
問い合わせ先
シャネル・ネクサス・ホール事務局
TEL:03-6386-3071
https://nexushall.chanel.com/
Text by Sayaka Ogawa
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