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3月8日、今もっともブレイクを期待されるスリーピースガールズバンド「サバシスター」が、待望のデビューを迎えた。同時にファーストフルアルバム『覚悟を決めろ!』もリリース。
まっすぐな歌声と歌詞が人気を集める彼女たちに、今の率直な思いをいち早く取材してきた。
「わくわくの反面、背筋を伸ばして」
━━2022年に結成されたサバシスター。かなりのスピード感とはいえ、待望のメジャーデビューだと思います。今の気持ちを教えてください。
なち「曲を作ってライブをして、というルーティンは今までと変わらないと思うので、もしかしたら私たちがやることは大きく変わらないかもしれません。だけど、責任感や緊張感がより伴ってくるだろうな、と感じています。一つ一つのことを妥協せず、丁寧にこなしていきたいです」
るみなす「今回のデビューアルバムはレコーディングの期間も長かったので、みんなで作ったものが、こうしてたくさんの人に届くチャンスをいただけてとてもうれしいです! わくわくする反面、背筋を伸ばしてもっと集中して頑張っていきたいとも思います」
GK「デビューすると今までより色々な人に私たちの音楽が届くと思うので、技術を磨きながら、変わらず楽しく、みんなでやっていけたらいいなと思います!」
━━サバシスターの結成は、アプリ「ジモティー」の掲示板がきっかけだそうですね。
GK「はい。私が『ジモティー』の掲示板にバンドメンバーの募集を掲載して、なちが応募してくれて、会いましょうということになりました! その後、私と同郷のるみなすがメンバーに加わることに」
━━かなり特殊な出会い方だと思いますが、それがサバシスターの“色”になっていると感じることはありますか?
なち「たとえば同じ大学で一緒にバンドをやってきた、というような経緯だったら、きっとある程度、同じような人が集まるんじゃないかなと思うんです。でも私たちはそれぞれの人生を経験してきて、今このタイミングで集まった。『こういう音楽がやりたい』とか『いつかあの場所に立ちたい』とかが最初から明確にあったわけではなく、ただ『楽しいからこういうバンドやりたいよね』がきっかけだというのは、今の活動の軸にもなっていると思います」
━━そんなサバシスターの楽曲は、等身大の素直な感情を描き出したものが多いですが、作詞作曲をしているなちさんは、どんなときにアイディアが浮かびますか?
なち「自分が落ち込んだときや、つらい、悲しい気持ちのときにそれを肯定したり、自分を励ましたいっていう気持ちのときに浮かぶことが多いです。その気持ちをとっておこうと、いつもメモしています」
「自分たちが自分たちで作り上げたバンドで、やりたいことをやっていきたい」
━━特に皆さんを表したような楽曲、『サバシスター’s THEME』は何か制作のきっかけがあったのでしょうか。
なち「バンドを始めたばかりのとき、まだライブもやる前にすでに作っていた曲で。『バンドをやるならそのバンドのテーマソングがあったほうがいいよね』と思っていたんです。今はまだ手に届かないものもたくさんあるけど、好きなものを離さないで追いかけ続けていこう、というメッセージが込められていて、最初に自分が音楽に向き合って作った曲だと思います。ライブでもほぼ毎回やっているので、そのたびに『成長したな』と思えるんですよね」
━━そんな活動の中で、皆さんのこだわりや、「ここは譲れない」ということはありますか?
るみなす「ライブでは後悔を残さないように楽しむこと! 楽しそうに演奏していたほうがお客さんも多幸感に包まれると思うので、私もそうなりたいんです」
GK「自分たちが自分たちで作り上げたバンドなので、それぞれみんながやりたいことをやっていきたいなと思っています、これからも」
なち「初ライブのときから、衣装はTシャツってなんとなく決めていて。誰でも着られる、普段から自分が着ているような服でステージに上がるのは、結構こだわっています!」
━━ライブ前にメンバーで話すことや、これをしようと決めていることはありますか?
GK「るみちゃん(るみなす)とライブ前に背中をたたきあうのが恒例です。頑張るぞという意味を込めて! あと、サバシスターのファンの方はご存じかと思いますが、私のお気に入りのぬいぐるみ『しげちゃん』の匂いをかいだり(笑)。落ち着くんです」
るみなす「そうですね、背中をたたきあったり、あとはジャンプしたりして体を温めておきますね」
なち「確かに。あとツアー期間中は、前回のライブ映像を3人で観て、ノートに『このときはここが悪かったね』『今日はこうしよう』っていうのをメモしたりして、反省会を開くこともあります」
━━先ほどお話に出たぬいぐるみの「しげちゃん」は、皆さんにとってどんな存在ですか?
GK「『しげちゃん』は私が幼少期におばあちゃんに買ってもらったぬいぐるみなので、一緒に育ってきた家族です。自分にとって一番大事な存在」
るみなす「もうほぼメンバー。毎ライブ、横を見たら『しげちゃん』がいるし。タイトル『しげちゃん』っていう曲もあるんですけど、その決めのときはGKと目を合わせるようにしたりとか。サバシスターの一員になっているなというのはすごく感じます。ライブの守護神みたいな(笑)」
なち「『しげちゃん』って曲を私が書いたときに、ごうけちゃん(GK)にとってどれだけ大切な存在だったんだろうとか、自分がその立場だったら…とか、よく考えました。ライブでこの曲を歌っているときもずっと『しげちゃん』を想像しながら…そのときは特に、本当の家族みたいですね」
「今日はいいライブだったね、って日にみんなで食べるごはんが好き」
━━今回のデビューアルバム『覚悟を決めろ!』の中で、皆さんのお気に入りの1曲を教えてください!
なち「私は『22』がお気に入り。ドラムから始まるラップファンクみたいな曲をずっと作りたかったんです。同時に、私は4月に22歳になるのですが、本当に22歳になりたくなくて(笑)。それに向けて何か書こうと思って。自分が歌いたいことを、やりたかった曲のパターンに乗せることができたのが、うれしかったです」
るみなす「タイトル曲の『覚悟を決めろ!』ですね。歌詞もサウンドもキレがある。私のパートのギターの話になってしまいますが、結構かっこいい音で弾けたなと思っていますし、今までの集大成ですね。自分の成長を感じられた曲です」
GK「お気に入りといえば『しげちゃん』ですが(笑)、聴いてほしいのは『ミュージック・プリズナー』。初めてツービートに挑戦して、かなり練習したのでぜひ聴いてもらいたいです。ライブでもすごく盛り上がると思うので、演奏するのが楽しみ!」
━━活動していて、いちばん楽しさを感じるのはどんなときですか?
なち「いいライブをしたあとの打ち上げ!(笑)。私はライブ中やその前は『大丈夫かな』と不安になってしまうこともあって。でも全員が納得いく『今日はいいライブだったね』って日の、みんなで感想を話しながらおいしいごはんを食べているときは、なんだかバンドっぽくて楽しいんです」
るみなす「私もライブかな。みんなでスタジオに缶詰になって試行錯誤してきたものを披露して、お客さんからの反応をダイレクトに感じられるから。今はコロナ禍も明けて打ち上げもできるようになり、他のバンドとの交流も増えて。本当なら“音を鳴らさないと出会えない人たち”と、それ以外の場で関われるのも楽しいです」
GK「私は、ライブでドラムをたたいているときがいちばん楽しいです! お客さんみんなも楽しそうに観てくれていて、それを見ながらドラムをたたいているときが、いちばんエネルギーが出ている気がするんです」
━━今後の目標や、やってみたいことを教えてください!
GK「今回のツアーでも行ったことのない場所にたくさん行きますが、いつか全国を回れたらいいなと思います。行ったことないから、島根とか鳥取とか…(るみなす:砂丘ライブ?)」
るみなす「ライブを重ねることで色々なバンドやアーティストと出会えたので、いつか共同制作をしてみたい! 一緒に一つの作品を作ったり、ツアーを回ったり…楽しそうだなって思います」
なち「私はサバシスターのグッズデザインを考えたりもしているんですが、最近メンバーの衣装やヘアメイクにも興味が出てきて。いつか勉強して、メンバーのスタイリングやヘアメイクもしてみたいです!」
━━メンズノンノ読者へひとこと、お願いします!
なち「きっと同世代の方が読んでくださっていると思うのですが、サバシスターの楽曲では私自身について歌っていることが多いので、やっぱり同世代の人には聴いてほしいなと思います。私と同じような悩みを抱えている人がいたら、私なりの向き合い方を共有できるかなって」
るみなす「ここで私たちを知ってくださった方もいると思うのですが、私たちの記事を読むために、メンズノンノウェブにアクセスした人もいると思う。その新しいカルチャーどうしの架け橋になれたらいいなって。それで、『この間これ知ったんだけどさ』って友達に広めてもらえたらもっと楽しいカルチャーになると思うので、よろしくお願いします!」
GK「今の自分の気持ちや考えていることは、将来何歳になっても絶対忘れないことだと思います。『あのときの僕、俺はこうだったな』と人生の分岐点で大事になってくるものだと思うので、自分の気持ち、考えを大事にしてください!」
『覚悟を決めろ!』発売中
(ポニーキャニオン)
サバシスター待望のメジャーデビュー ファースト フルアルバム。表題曲『覚悟を決めろ!』をはじめとした新曲8曲に加え、過去の5曲も2024年ver.としてアップデートし収録。サバシスターらしい胸に刺さるまっすぐな歌詞とメロディを存分に楽しむことができる、彼女たちの“今”が詰まった必聴の1枚だ。
Photos:Minami Okada
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