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第11回
十明(とあか)
2003年生まれのシンガーソングライター。TikTok(@toaka_desu)に公開した弾き語り動画がきっかけとなり、2022年春、映画『すずめの戸締まり』の主題歌ヴォーカリストに抜てきされ話題に。2023年7月には、RADWIMPS・野田洋次郎のプロデュースのもと、自作曲「灰かぶり」でメジャーデビュー。最新曲「僕だけが愛」が配信中。
日本語×英語の歌詞をなめらかに
歌唱するスキルは圧倒的!
映画『すずめの戸締まり』で鮮烈なデビューを飾る前、TikTokに弾き語り動画をアップしていたときから注目していた、十明さん。
Pickup
「灰かぶり」
不気味さを生みだす仕掛けたち
「グリム童話の『灰かぶり(シンデレラ)』を連想させるタイトルと歌詞、不穏なサウンドがダークさを演出」
音楽活動を開始されたばかりの頃は、メロウな等身大の曲を作られている印象でしたが、自身で作詞・作曲を手がけたメジャーデビュー曲「灰かぶり」は、それとは真逆。ダークポップ、かつ洋楽のようなシンプルな音数で、一音一音を太くするサウンド作りにはしびれちゃいました。歌詞もすばらしくて、特に〈可哀想なわたしごっこ〉の“わたしごっこ”という造語は、キャッチーかつ端的に“孤独”を表現しているなと。あと、この部分のコーラスワークも秀逸で、幾層にも重なった声が、曲に漂う不気味さを演出しています。
Pickup
「Discord-disco」
歌詞と連動したMVも◎
「MVには、〈シンクにキスを〉をはじめ、歌詞とリンクする表現が随所に。十明さんのダンスもすばらしいです」
ラテンやヒップホップ的リズムを、ポップスに落とし込んだ「Discord-disco」は、彼女の音楽トレンドをキャッチアップするセンスを感じます。この曲は、日本語と英語を織り交ぜた歌詞が特徴で、これをリスナーに違和感なく聴いてもらうためには歌唱力が超重要! 十明さんは、日本語の部分を英語のような発音で歌われていて、自然に聴くことができます。例えば、〈Dirtyはnothingだ 歪(ゆが)んだbrain〉という部分のなめらかな歌唱はさすがです。
Pickup
「すずめ」
ブレスが生きる神秘的な曲
「楽曲の神秘性を決定づけるイントロの部分はもちろん、曲全体にブレスが効果的に入っていて聴き入ってしまう」
映画『すずめの戸締まり』の主題歌「すずめ」は、前の2曲とは対照的な雰囲気。この曲では、楽曲制作者のRADWIMPS・野田さんも絶賛した、十明さんの伸びやかで、神秘的な歌声を堪能できます。もうイントロから最高! 一瞬で曲の世界へと連れていってくれます。こういう曲からダークポップまで、表現の幅の広い彼女が、今後どんな曲を出すのか今から楽しみ!
imase
2000年11月9日生まれ、岐阜県出身。「NIGHT DANCER」が、世界各国のチャートにランクイン。12月15日に「ヒロイン」を配信リリース。2024年3月から全国ツアー「imase Tour 2024」を開催。
Text:Rie Kaido
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