▼ WPの本文 ▼
日本酒と仲良くなってみ隊!番外編
水田と里山が豊かに広がる新潟県長岡市朝日で1830(天保元)年に創業した朝日酒造。酒蔵見学や日本酒飲み比べが楽しめるこの場所を訪れたら、是非見学してほしいのが『松籟閣』。今回はメンズノンノモデル 稲井孝太朗による見学レポをお届け。
見学したのは…
国指定重要文化財『松籟閣』とは?
『松籟閣』は朝日酒造の創立者である平澤與之助が昭和初期に建てた住宅。2001年に製品倉庫建設に伴い曳家で移築し、 2018年に重要文化財となった。伝統的な日本家屋に、アールデコ様式の丸窓やステンドグラスなどの装飾を採り入れた近代和風建築だ。
見学スタート!
【廊下】
貴重な木材を贅沢に使用
玄関を入ってすぐ目に入る廊下には、ケヤキの一枚板が贅沢に使われている。木目をよく見ると、これから節となる部分には「富士」や「ひょうたん」などの形をした、節塞ぎと呼ばれる細工がされている。廊下を歩きながら、そんな遊び心がどこにあるか探してみるのも面白い。
【窓】
「近代和風建築」を
感じられる技術がここに
洋風の様式が取り入れられているのも松籟閣の特徴。その代表として、当時はまだ希少だったガラスが多く用いられていることも注目したい。従来障子から取り入れていた外の光が、ガラスを用いることによって直接入るようになり、部屋を開放的なものにしたのだとか。
正玄関脇には、来客の際にコートや帽子などを掛ける空間が。そこにあるのがこの「花頭窓」。上部が尖頭アーチ状の窓だ。注目したいのは下部にあしらわれた、松葉を散らしたような装飾。木で造られた骨組み(桟)が暴れないよう、止める役割をしているのだとか。繊細なデザインに隠された先人たちの知恵が伺える。
【松籟の間(茶の間)】
柱に使っているのは〇〇の木!?
客人をもてなす茶の間として用いられていた部屋。床柱はヤシ材、長押(なげし)は楓、床框(とこがまち)は硬く頑丈なことから名のついた「鉄刀木(タガヤサン)」など、銘木を惜しみなく使用しているのが見どころ。ひとつの部屋にここまで異なる木材を楽しめるのは、松籟閣ならではなのだとか。
【応接室】
壁紙から建具金物まで
当時の最先端技術が!
表門から入った時にも目に留まった美しい洋館が応接室。屋根は軽量で波型の瓦、「桟瓦葺(さんかわらぶき)」が敷かれており、その頂点には西洋建築によく見られるファイニアル状の鬼瓦が掲げられている。
ステンドグラスからの光が差し込む、荘厳な雰囲気の室内。中心には大理石貼りの暖炉が。外から見ても分かる通り、この部屋には煙突は存在しない。実はこの暖炉、当時最新の電気ストーブを使っていたのだ!暖炉の中にはしっかりコンセントもある。
【洋風寝室】
アールデコ調の丸窓に心惹かれる
床には寄木細工、東寄りにアールデコ調の丸窓が。書斎との間仕切りには2枚の引分戸が入り、扉中央には縦長にガラスのモザイクタイルがはめ込まれている。昭和時代初期の流行デザインと工業製品が普及し始めた時期における、最先端技術の結晶を感じられる部屋だ。
【下座敷】
丸みのあるやわらかな装飾が印象的
「この部屋は当初どのような用途で作られたと思いますか?」という問いに、室内を歩き回り考える稲井。
正解は子ども部屋。「確かにこれまで見た部屋の中で一番、装飾に曲線が多い気がします。洗練されていますが、柔らかい雰囲気の空間ですね」と稲井も納得。
他にもまだまだ見所がたくさん!
「松籟」とは松の梢を吹く風の音のこと。その名の通り、田園に囲まれ自然の恵みを楽しむことのできる『松籟閣』の見所はまだまだ沢山ある。今回紹介しきれなかった数々の建築美も多数。是非足を運んで楽しんでみて。
今回案内してくれたのは…
松籟閣
〒949-5412
新潟県長岡市朝日980
【HP】
https://www.asahi-shuzo.co.jp/visit/shouraikaku/
【開館日】
4月~11月 月曜、水曜、金曜、土曜(祝日の場合は閉館)
※12月から3月末までは閉館。
【開館時間】
11:00~15:00
【入館料】
無料(施設の貸し出しについては要相談)
※施設の貸し出しや維持管理、悪天候等により、休館の場合有り。
※ゴールデンウィーク期間中(2023年は4月29日~5月7日)及びもみじ祭り期間中(10月下旬~11月中旬)の土曜、日曜、祝日は、見学ガイド付きの特別開館。
【問い合わせ先】
朝日酒造(株)
平日9:00~17:00
TEL:0258-92-3181(代表)
Photos:Kaho Yanagi Model:Kotaro Inai [MEN’S NON-NO model] Composition&Text:Risa Kawamoto
▲ WPの本文 ▲
お酒と仲良くなってみ隊!