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俳優、モデルとして絶大な人気を誇る飯豊まりえさんが、デビュー15周年を記念した写真集『かの日、』を発売! 一年にわたりさまざまな場所で彼女の自然な表情や姿を収めた、ドキュメンタリーのような一冊になっている。飯豊さん本人に写真集の制作秘話や思い出について聞いた!
写真を見たとき、新しい自分と
対面した感覚があった
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──デビュー15周年を飾る写真集のテーマは、どのように決めたのでしょうか?
15周年だからというわけではなく、以前から考えていたテーマでした。今回写真集を撮影してくださった東京祐さんは、私が高校生の頃からお仕事でお世話になっているフォトグラファーさんで、いつも自然な雰囲気を撮ってくださいます。いつかそういう写真を撮り溜めて、編集部さんに「こんな作品どうですか!」と提案しようと話していたんです。ただ、二人とも忙しくなって、プライベートでは一年ぐらい撮らない空白の時間が経ってしまって(笑)。
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──“自然な様子を収めた作品”という構想があったんですね。
東さんと「何気ない日常を切りとったものがいいですね」という話はしていました。それを一冊という物語の形でお見せすることで、私という被写体の向こう側に、自分の大切な人や時間、景色を思い出してもらえたらうれしいなと思っています。写真集のタイトルは、そのような想いから“かの日”という言葉を選びました。
──確かに、どこも知っている場所ではないですが、どこか懐かしさを感じたり安心感を覚えたりします。
写真としてはあえて言うなら、“過ぎ去った時間”をイメージしています。現在進行形の思い出というよりは、記憶というフィルターがかかった、センチメンタルでノスタルジックな雰囲気を出したいと考えていたんです。思い出のアルバムをふと見返している感覚といいますか…。スタッフさんが写真を見ておっしゃられていた印象的な言葉があって、「まばたきをしたら見逃してしまうかもしれない瞬間」がとてもしっくりきました。
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──まさに、どれも一瞬を切り取ったふとした瞬間。
写っている私との距離感も、友人なのか家族なのか恋人なのか、さまざまな角度から見ていただけると思います。ただ、東さんとはこれまでずっとファッション撮影でご一緒していたので、改めてカメラを見て笑いかけたりするのがちょっぴり恥ずかしくて。記念撮影のようなピースをたくさんしてしまいました(笑)。
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──いろいろな季節で撮影しているようですが、何か意図があったのですか?
先ほど、“物語”や“過ぎ去った時間”とお話しましたが、一冊の中に時系列があることを、目に見て伝えられたらいいなと思ったんです。約一年のうちに毎月スタッフさんと会って撮っていたのも、髪の毛が伸びていたり変化をつくりたくて。できるだけ時間の長さを特定せずに、“あの忘れられない日”の記憶が曖昧になっているような錯覚を感じてもらえたらうれしいです。私自身もそんな感覚を体験したくて、ほぼフィルムで撮影してもらって、タイムカプセルみたいにしばらく経って写真を見返していました。
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──現像された写真を見て、意外な表情が見られたり?
一年にわたって自分の顔をこんなにたくさん記録することがなかったので、写真を見るまで、自分でもどうなるかわかりませんでした。さらに、いろいろな作品やお仕事をさせていただいている合間に撮り進めていたので、写真全体を改めて見たときは、新しい自分と対面した感覚がありました。
デートっぽい私服を着ていく
というお題にちょっと悩んだ結果…
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──撮影する場所はどう選んだのですか?
行きたい場所は雪景色や花火といった四季や情緒を感じられる場所に行きたくて選んでいたのですが、「夏なら海だよね、沖縄行こう」というラフに決めていました(笑)。日にちと時間と場所を決めて、最小限のメンバーで集まる感じでしたね。
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──なかでも思い出深い場所は?
沖縄の撮影です。夜の商店街を歩いたのですが、閉まっているシャッターに思い思いの言葉が書かれていて、それを見るのが面白くて。ここではモノクロ撮影もいいなと思って、モノクロで撮ってほしいと東さんにお願いしました。なので、ここだけデジタルで撮影しています。
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あと、ボートに乗って見に行きたかった暗渠見学もいい思い出。橋の裏側って普段見られないので、とても楽しかったです。
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──写真からも、仲のいい友達とお出かけしているような様子が見られて、ついニコニコしてしまいます。
ありがとうございます。お出かけをする中で、いろいろな“船”に乗ったんです。行きたいところを目指したり、遠出をしようとしたりすると、自然と水辺の移動が多くて。あまりにもたくさん船に乗りすぎて、写真集のタイトルが「船」になりかけました(笑)。「かの日、」を思いついてよかったです。
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──漢字一文字で「船」、ちょっと見たかった気もしますが…。いろいろな場所に合わせて着ている服もすべて私服とのこと。撮影に着ていくファッションを決めるのは楽しかったですか?
基本的にいつものように、どこに行くかを基準に服を選びました。こういう景色があるから、こういう気分になりたいから、とか。それに合わせてメイクもセルフで行いました。ちなみに、赤いワンピースはパリから取り寄せて(笑)。すごくお気に入りの一着になりました。
自分らしくいるために
日常に「余白」をつくりたい
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──飯豊さんらしさを垣間見られた気がしました。普段の生活でも自分らしくいる方法はありますか?
時間や心の「日々の余白を増やす」ことを大事にしています。習い事を始めたり本をたくさん読んだり、自分を知っていく作業に丁寧に取り組んで、知識や経験を深めて、積み重ねていきたいと考えています。またそれが自分の枠を広げていくことになって、アウトプットの多いお芝居のほうでも、また新しい表現が増えるのかなと思います。
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──そのために普段やっていることは?
おうちでごはんをつくって、友達と食べて、他愛もない話をするのが好きです。最近ハマっていることなど、いろいろ情報交換をしたり、「この映画が面白いから一緒に観ようよ」と、みんなで上映会したり。ドラマを撮影している期間は、毎日朝早から夜までお仕事をしていますし、自分に戻れる時間が一日に数時間しかないので、そのときはあえて自分に「普通の生活をする」と言葉にして、素の自分でいるように心がけています。
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あと、朝の時間を使って自分を整えていますね。まだ皆さんが起きてないような静かな時間に起きて、掃除して、料理して、コーヒーを淹れて。そんな時間を大切にしたいなと思います。
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──最後に、メンズノンノ、メンズノンノウェブ読者にメッセージをお願いします!
皆さんにとってのかの日は? 『かの日、』を読んでくださった方が私を通して、心の中に残っている大切な人や時間を思い起こしてもらえたらうれしいです。
飯豊まりえ|MARIE IITOYO
1998年1月5日生まれ、千葉県出身。2009 年にファッション雑誌『ニコプチ』でモデルデビュー。2012年に女優 デビュー後、数多くのドラマ・映画で活躍。主な出演作にドラマ『岸辺露伴は動かない』シリーズ、『君と世界が終わる日に』シリーズ、 NHK 連続テレビ小説『ちむどんどん』、映画『シライサン』、『いなくなれ、群青』など。映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』や、現在放映中の主演ドラマ『何曜日に生まれたの』(ABCテレビ・毎週日曜22時〜)で注目を集めている。現在、『Oggi』専属モデル、『MORE』レギュラーモデルを務める。
公式Instagram:https://www.instagram.com/marie_iitoyo/
公式X:https://twitter.com/iitoyo_mg/
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飯豊まりえ15周年写真集『かの日、』
撮影:東 京祐
¥3,300/小学館
●発売中
https://www.shogakukan.co.jp/bo oks/09682420
数々の映画やドラマ、雑誌で活躍している俳優・モデルの飯豊まりえ。8月23日に、今年デビュー15周年を迎えることを記念した写真集『かの日、』 をリリース。24歳から25歳にかけた春夏秋冬を密に切り取った一冊となっている。
デニムジャケット¥155,100・タンクトップ¥68,200・デニム¥173,800・ブーツ¥211,200[予定価格]/ドルチェ&ガッバーナ ジャパン
Model:Marie Iitoyo Photos:Jun Imajo Hair &Make-up:AYA[TRIVAL] Stylist:Mana Kogiso[io] Interview & Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]
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