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編集部が気になる人に会いに行く連載「WEEKEND INTERVIEWS」。第30週は、8月3月に配信がスタートするNetflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』に出演する俳優の栁俊太郎さんにインタビュー。ブラック企業で上司にパワハラを受け疲弊する新社会人・天道輝(アキラ)は、ある日ゾンビが溢れ世界が一変したことでツラい仕事と上司から解放され、やりたいことを叶えるために奔走する。そんなアキラの親友・ケンチョを演じた栁さんに、映画の魅力や舞台裏、さらに彼自身の気になる私生活について聞いた。
みんなと旅をしていような
楽しく濃厚な撮影だった
──本作『ゾン100 』は、「ゾンビだらけの世界が逆に天国に思える!」という世界観やキャラが斬新で面白い。ケンチョ(竜崎憲一朗)という、主人公の親友の役を演じると決まったときの感想は?
ケンチョは、自分があまりやったことがない3枚目キャラの印象を受けたので、楽しみでありながら「大丈夫かな? 演じられるかな?」というプレッシャーはありました。同時に、Netflixがつくるスケールの大きい作品で、しかも重要な役なので、しっかりこの役を演じたいと思いました。
──演技で意識していたことは?
ケンチョの性格は、僕とかけ離れた感じで基本根っからの明るさがある。ケンチョとしてのキャラクターをキープしたり、みんなとの距離感を縮めたりできるように、共演者や現場のスタッフさんにいつも以上に話かけて、明るく振舞うように心がけていました。
(天道)輝(アキラ)役の赤楚(衛二)くんや(三日月)閑(シズカ)役の白石(麻衣)さんとの撮影は、まるで旅をしているようですごく楽しくて。濃厚な三ヶ月間でしたね。役を通してみんなと親しくなれたので、クランクアップのときは、本当にちょっとウルッときちゃいました。
──キャラクターが違う3人の掛け合いや共闘がすごく魅力的でした。本作で共演した赤楚さんと白石さんはどんな人ですか?
赤楚くんは、共演が3回目。普段の彼も知っているんですけど、アキラに近いんです。ずっとニコニコしているし、もともとザ・好青年の印象だったので、「今回はより本人に近い役だな」と思って彼の演技を見て思っていました。現場で「本当に楽しいです。撮影を終えたくない」って言っていましたね。これまでの共演では敵対する役だったりして、現場でそれほどコミュニケーションをとっていたわけではなかったので、今回親友役でずっと一緒にいて、親密な話ができて楽しかったです。
白石さんは最初シズカみたいな印象でした。もともとトップアイドルでカリスマ性がある。僕もそういうふうに見ちゃっていたんですけど、仲が良くなるとすごくノリがよくて、フランクに接してくれる方なんですよね。一緒に撮影をするたびに「これは多くの人に愛される人だ」ってわかりました。
──赤楚さんとは3回目とのことですが、白石さんとはすぐ仲良くなれましたか?
石田監督もプロデューサーの森井(輝)さんも赤楚くんも僕も、最初白石さんと呼んでいたんですけど、これから一緒に撮影していく上で距離を縮めるために「麻衣ちゃん」と呼ぼうと男子の会議が開かれたんです(笑)。
翌日森井さんがさらっと「おはよう、麻衣ちゃん」と。続いで自分たちも「麻衣ちゃん、おはよう」って声をかけて。そのとき白石さんは「え、みんなどうしちゃったの?」って不思議がっていたみたいですけど(笑)。それをきっかけに白石さんも親しくしてくれて、アキラとシズカとケンチョのいい関係ができたと思います。
ゾンビが本当に怖かったから
リアルな演技ができた
──予告映像にもありますが、やはりゾンビやサメゾンビと戦うダイナミックなシーンが気になります。印象に残っているアクションやシーンを教えてください
どのシーンを切り取っても撮影の規模が本当にすごくて。撮影用に新宿を横浜につくっているんですよ。歌舞伎町もまるっとそのまま(笑)。クランクインのときに見て、「すげぇ」と圧倒されました。
あと、僕はそのシーンにいないんですけど、名古屋市で4車線ぐらいある道路を封鎖して撮影していて。実際その道を見たら、「こんな大きい道、封鎖できるの!?」って観ている方も驚くはず。各ロケ地がすごく印象に残っていますね。
──あの新宿はセットなんですね…。リアルな街でゾンビに追いかけられるって怖いですね…。
ケンチョはすごいビビリなので、ひたすらビビってました。基本的に彼は戦うより逃げる、避けるアクションが多くて、実際にゾンビの特殊メイクもリアルだったこともあって、普通に怖いと思ってお芝居ができました。
地方のアパートで撮影しているとき、夜トイレに行ったら、角でゾンビ役の方とすれ違って「うおー!」って本当にビビりました(笑)。ゾンビの方と「すみません」「こちらこそすみません」なんて謝り合ったのはいい思い出です(笑)。
──それは誰でも驚きますね。ゾンビもリアルで恐ろしいですが、予告編でもちらっと映っている謎のサメゾンビもヤバそうです。
サメゾンビにはCGが使われているのですが、撮影のときはスタッフさんがつくった実物の大きさの模型や顔の造形物を使って演技をしました。それだけでも十分迫力はありましたね。まさかあんなに気持ち悪いサメゾンビになるとは…(笑)。サメゾンビの動きを想像しながら、恐怖を表現しながら演じるのはなかなか大変でした。
──あのサメゾンビはスクリーンで体感してほしいですね。本作のようなパンデミック映画は、逆に物語のディテールにリアリティが問われると思います。ケンチョとしてのリアリティはどう考えていましたか?
シーンとしてはユーモアのある部分もあるんですが、ゾンビの世界で生きてる本人たちは本気で生きている。それが結果笑える場面になっていると言うことだと思っていて。石田(雄介)監督はすごくアツい方で、情熱全開で演技指導してくれたし、僕自身も「リアルにゾンビに囲まれたら、ここはこうですよね」という話し合いもしてくださいました。
また、本作は海外のゾンビ映画と違って銃や特殊な武器は使えないですし、身近なもので対処していくところがすごくリアルだし、そのおかげで「日常にゾンビがいたら」を考えて演技ができました。
──本作はゾンビ映画と言っても、人間ドラマやアクションなど色々な要素を含んでいて、ゾンビ映画が苦手な人も楽しめる内容だと思いました。
『ゾン100』が描く世界はすごくリアルで、日本ならではの社会や文化をしっかり反映していて、これまでにない新しいゾンビ作品になっていると思います。普段忙しくてストレスを持っていたり、どこか生きづらさを抱いたりしている人が、この映画を観て開放感を感じてくれたらうれしいですね。
──これまでにない新しいゾンビ作品に参加して感じた、自分にとって新しかったことは?
ケンチョのような、仲間のために戦うキャラクターはすごく新鮮で、新しい感覚でした。だいたい自分が演じてきた役は、どちらかというとゾンビ側だったんですよ。主人公を襲うヒールが多くて、彼のように人を救う役は初めてだった。
──いざゾンビがいる世界になったら、栁さんはどうしますか?
「ゾンビがいる世界になったら自分って」ってよく考えますね。ケンチョみたいにビビるだろうけど、やっぱりアキラのようにヒーローになりたいなっていう気持ちはある。いやぁ、ちゃんと戦えるかなぁ(笑)。
久々に実家に帰って
家族とゆっくり過ごしたい
──質問をプライベートに切り替えまして、オフの日は何をして過ごしていますか?
ごはんつくったり犬と遊んだり、プールに泳ぎに行ったり。あと、お酒を飲みながらサッカーや野球の観戦するひとときが幸せ。他に、フラットに話せる友達とごはんに行って話すとリラックスできますね。
──ハマってる趣味はありますか?
フラワーアレンジメントを勉強したいと思って準備中。最近花瓶を集めていて、だいたい花屋に行って生ける花を相談していたけど、自分で飾る花を選んでアレンジしたいなって。
──すてきですね。次に続いた休みができたら、フラワーアレンジメントの勉強ですね?
そうですね。今やりたいことがいろいろ溜まっています。久しぶりに海外を旅行したいし、温泉にも行きたいし、地元にも帰りたい。しばらく地元に帰っていないので、両親となんでもない時間を過ごしたり、お墓参り行ったりしたくて。家族といるとやっぱり落ち着くんですよね。
──『ゾン100』のアキラのように、今やりたいことリストを作るとしたら、上位に何がきますか?
ヨーロッパのいろいろな国を巡りながらサッカー観戦をしたい。コロナ禍になる前のメンズノンノモデル時代は、毎年に2回パリコレに行っていたんですけど、最近は行けていないので、また海外を旅したいですね。あと、日本、海外問わず、しばらく行けていないフェスやライブに行きたい。
栁俊太郎|SHUNTARO YANAGI
1991年宮城県生まれ。2009年に第24回メンズノンノモデルオーディションでグランプリを受賞。パリコレクションやミラノコレクションなどに出演。2012年に俳優デビュー。世界190か国に配信されたNetflix『今際の国のアリス』をはじめ、映画やドラマで話題作に出演している。2022年は10本以上のドラマ、映画で活躍し、直近ではフジテレビの連続ドラマ『スタンドUPスタート』に出演。今後は7月期テレビ朝日連続ドラマ『ハレーションラブ』 に出演する事が決定している。
公式Instagram:https://www.instagram.com/shuntaroyanagi/
『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』
監督:石田雄介
出演:赤楚衛二、白石麻衣、栁俊太郎、市川由衣、川﨑麻世、早見あかり、北村一輝
©麻生羽呂・高田康太郎・小学館/ROBOT
Netflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』
●2023年8月3日より、Netflixにて世界独占配信開始
公式HP:https://www.netflix.com/title/81464329
都内の大学を卒業し、希望を胸に制作会社に新卒入社した天道輝(アキラ・赤楚衛二)。しかし、連日徹夜という“洗礼”を受け、自分がブラック企業に入社してしまったと知る…。部下をこき使うパワハラ上司・小杉(北村一輝)の下で“社畜”と化していく中、ある朝重い気分でアパートのドアを開けると、そこはソンビが溢れる世界へと一変していた。絶望的な状況の中でアキラは「これで会社に行かなくていい! 好きなことを何でもできる!」と、これまでの人生で叶えられなかった「ゾンビになるまでにしたいこと」リストを作成し、道中で出会った三 日月閑(シズカ・白石麻衣)や、疎遠になっていた親友・竜崎憲一朗(ケンチョ・栁俊太郎)を巻き込み、リストを実現する冒険に繰り出していく。
Photos:Teppei Hoshida Hair & Make-up:Akihito Hayami[CHUUNi] Stylist:Shogo Ito[sitor] Interview & Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]
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