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公私ともに仲がいいデザイナーの工藤司さんと写真家の石田真澄さんが、昨年一緒にZINEを制作。仕事でも遊びでもない作品づくりだから感じたという"ZINEの楽しさ"を聞いた。
仲間とのノリや勢いも
重要な要素だったりする
ひとりでも三人でも、“つくりたい”と
思ったときがつくるとき
工藤司さんが手がけるレディースブランド「soduk」の22年秋冬コレクションをお披露目するポップアップに合わせて、自主レーベル「TSUKASA KUDO PUBLISHING」から発売されたZINE『meet up』。全編にわたり、写真家の石田真澄さんが知人をモデルにポートレートを撮り、グラフィックデザイナーの米山菜津子さんがデザインを担当。発売するまで2週間という短い期間で完成させたというから驚きだ。
工藤 信頼している2人とつくったから、コミュニケーションもスムーズで、すごく早くつくれた。
石田 ものづくりにおける共通言語を持っていたからね。米山さんには会場の展示レイアウトをお願いしていたのもあったけど「時間がないからこそみんなでワーッとできる」と言っていて。
工藤 予算や制作期間が限られていたとしても、「今、つくるべきタイミングだよね」と思ったときに制作できるのがZINEのいいところ。『meet up』をつくるきっかけも、ポップアップに合わせて何かやりたいなと思って、仲のいい石田さんと米山さんに声をかけて、というざっくりした感じ。
石田 すべて自分たちで決められるという点では無制限という感覚もある。自分たちがやりたいことを形にするもので、利益を求めないし売らずに友達に配ってもいい。今回つくった『meet up』は販売したけど、まさに司くんが言う“タイミング”で生まれた一冊。
工藤 本当、仲間とのノリや勢いもZINEをつくる重要な要素だよね。
石田 うん。もちろん、共感できる人が周りにいなくてもひとりでつくって、「それいいね」って言ってくれた人と2冊目をつくるのも楽しいと思う。私は昔から雑誌などページをめくる動作にワクワクしていたし、ZINEにも憧れがあったから、実は高校生のときにひとりでつくったことがあって…。
工藤 僕、作家が初期につくっていたZINEを集めるのが好き。もう売ってない? タイトル教えて!
石田 もう売ってないし、恥ずかしいから教えません(笑)。司くんが今つくるなら、どんなZINEがいい?
工藤 質感が面白くて大量に刷れるリソグラフを使いたい。今はリソグラフを扱えるスペースもあるから、これからZINEを始める人にもおすすめ!
立体的に開く自由な形に合わせて
写真も気持ちの赴くままに撮影
「『meet up』は待ち合わせという意味。今回モデルを務めた石田さんの友人たちと街で待ち合わせて撮影したことから命名」(工藤)。「左右上の三方向に開く、3つの冊子をつなげた作りは米山さんの案。写真を縦横気にせず撮れて、好きなものを収録できた」(石田)
Photos:Rieka Takahashi Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]
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