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Sakura Ando
安藤サクラさん
女優
1986年２月18日生まれ、東京都出身。2007年に俳優デビュー。近年の代表作に、映画『万引き家族』『ある男』、連続テレビ小説『まんぷく』（NHK）、ドラマ『旅屋おかえり』（NHK BSプレミアム）、『ブラッシュアップライフ』（日本テレビ系）などがある。
私たちは、物語の中で生きていく
道を探してもらっているんです
国内外で活躍する映画監督・是枝裕和と、数々の人気作を手がける脚本家・坂元裕二が初めてタッグを組んだ映画『怪物』。物語は、子どものケンカを発端に、主張の食い違う登場人物それぞれの視点を通して「“怪物”とは何か」を描くヒューマンドラマだ。本作で安藤サクラさんは母親役として、主人公のひとりである愛（まな）息子・湊に優しいまなざしを向けている。
「是枝さんの現場は、みんなが対等な同志として作品に集中できる環境を探して、つくっていくんです。なので、主演を務める湊役の（黒川）想矢くんと依里役の（柊木）陽太くんを見守るひとりの大人として、刺激を与えないように、じゃまをしないように、いちばんいい形で支えたいと思っていて。サポートが必要だと感じたときは、監督に相談しながら二人と話し合っていました。完成した映像を見たときは、自分が出ていることも忘れるくらい、彼らが自らつくり出す物語に心が震えて涙が止まらなかった。是枝作品では、俳優は自然と役の人生を歩めるんですよね。それは、監督に物語の中で生きていく道を探してもらっているからだと思います」
これは、スタッフ全員が信頼し合っているからこそ自然に出た言葉なのだ。「現場への信頼感は、私にとってお芝居や表現をするうえで大きな力になる」と撮影していた日々を振り返る。このときも、安藤さんの目には優しさが宿る。
「『万引き家族』以降も、是枝監督を中心に、出演者やスタッフの関係性は変わらず続いているんです。すごくすてきなことですよね。きっとこの『怪物』でも。そんなことを思いながら、撮影後に想矢くんにノートを贈りました。彼はたくさん考える子で、頭の中で考えたことを整理したらすごくすてきな感性が生まれると思ったんです。大切な仲間の力になりたいなって」
INFO
『怪物』
大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、児童思いの小学校教師、そして無邪気な子どもたち。よくある子ども同士のケンカを発端に、食い違うそれぞれの主張。しだいに社会やメディアを巻き込み、大ごとになっていく中、子どもたちは忽然（こつぜん）と姿を消す。
●全国公開中
©2023「怪物」製作委員会
Photo:Kyouhei Yamamoto Hair & Make-up:Kanako Hoshino Stylist:Shinichi Sakagami[Shirayama Office] Interview & Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]
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