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我を忘れるくらい夢中になれるものがあるって、人として最強だ。自分だけの個性にするとともに、楽しく生きるためのエネルギーに変えてるんだから! そんな“沼”に溺れた人の実態を探るべく、話を聞きに行った!
昭和ソフビ沼
久々に会う子には
「今日も元気?」と
声をかけています
会社員 依田厚樹さん
出版社勤務。実家に増えすぎたソフビの一部があるため、たまに会話をしに帰る。「昭和の少年誌で登場していたパチモンのような“合体怪獣”のソフビを作って広めるのが、いま持ってるユルい夢です(笑)」
怪獣なのにかわいすぎて見てるだけで癒される!
2000年代初頭、昭和おもちゃブームが落ち着き始めた頃。依田さんはそのとき小学生。たまたまのぞいたホビー雑誌で、運命的な出会いを果たす。
「レトロなおもちゃの復刻を行っているM1号というメーカーが、1999年公開の映画『ゴジラ2000 ミレニアム』限定カラーで立体化した『東宝怪獣シリーズ 世紀の大怪獣!! ゴジラ』(下の写真)を見かけたんです。
子どもの頃
憧れたゴジラ
子どもながらに、『実際のゴジラとは見た目がだいぶ違うな〜、目が赤いな〜』と思いつつ(笑)、そのユルユルのディテールがかわいすぎて、ずっと印象に残っていました。これは、昭和に作られたユルい造形のソフビをオマージュしているからなのですが、その“抜け感”にすごく興味を引かれて、大人になったら絶対に集めようと心に誓いました。そして、自分のお金が自由に使えるようになって爆発(笑)。他にも、日本のマルサン社が1966年に日本で初めて作ったゴジラのソフビの復刻版(依田さんが見つめているもの)をはじめ、東宝怪獣を中心に集めています。怪獣ソフビ全盛期は60〜70年代。この時代の造形は性癖に刺さります。家のスペースには限りがあるので、『80年代のものまでOK』というルールで、ミニサイズから中型までを収集中。正確な数は不明だけど、全部で数百体はいる」
とはいえ、昭和ソフビ沼は広大だ。
「月イチで中野、秋葉原、渋谷と東京のまんだらけを巡回しているので、やっぱりかわいい子と出会っちゃう。癒しの存在だから仕方ないですね(笑)」
Photos:Norito Ohazama Composition & Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]
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