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2019年3月、メンズノンノウェブにアップされたNCT 127の日本人メンバーであるYUTA(ユウタ)のロングインタビューが大きな反響を呼び、同サイトの著名人の単独インタビュー記事としては過去最高PV数を記録した。10代で単身韓国に渡り、最先端の音楽とファッションに日々触れ、多国籍なメンバーたちと世界を飛び回るYUTAの自分と向き合う姿勢や、異国で奮闘する姿に刺激を受けた若い世代を中心とするサイトユーザーから、コメントも多数寄せられた。2017年の日本初ショーケースライヴ『connect』からNCT 127の日本活動に注目してきたメンズノンノが満を持してお届けする、この特別連載。個性豊かなメンバーたちが考える“自分のスタイルとは”を、ファッションをはじめ自身を表現するうえでのポリシーや、これからの展望など、あらゆる角度からひもとくというファッション誌ならではのアプローチでお届けしていく。前回の記事が世界中からアクセスがあったことを受け、英訳も同時掲載。丁寧に書かれたメンバー全員の事前アンケート、東京とソウルを結ぶオンラインインタビュー、彼ら自身から提供された撮り下ろしのプライベートショットなどスペシャルな内容で構成され、コロナ禍で取材が困難な中でもポジティブに制作が進められている。連載1回目はもちろん、YUTAとの再会から!
1年半前の登場から変わったことは?
──YUTAさんお久しぶりですね。お元気にしていましたか?
「お久しぶりですー! 元気です! そちらもお元気ですか? 今回はすごく変わった感じのインタビューになりましたね」
──そうですね。今日はソウルと東京で離れていますが、テレビ電話でインタビューしますので、いろいろお話聞かせてください。
「はい、ばっちりです!」
──YUTAさん初の単独インタビュー記事がレジェンド級のアクセス数で、記録にも記憶にも残る1本となり、編集部にも多数コメントが寄せられました。日本や韓国以外の国からもたくさんの人が読んでくださっていて、さすがグローバルに活動するアーティストだなと思いました。メンズノンノウェブのインタビュー記事としては、アクセス数歴代1位でしたよ!
「いやー、本当にありがとうございます。もう感謝でしかないです!」
──前回お話を聞かせてもらったのは、日本で初めてのコンサートツアー『NCT 127 1st Tour ‘NEO CITY:JAPAN-The Origin’』の、大阪公演のときでしたよね。大阪出身のYUTAさんにとっては、凱旋公演でした。日本人メンバーとして、母国の公演へのプレッシャーがあった、というようなことも話してくれましたが、こうして1年半たってみて、自分の中で何か変わったなと思うことや、成長したと感じることはありますか?
「そうですね、あのときは単独のコンサートも初めてでしたし、自分自身も周りが見えなくなっていたというか、とにかく前のめりに、がむしゃらになっていたなと思うんです。でもあれからこの1年半の間、すごくいろんなことを経験しました。ワールドツアーも経験しましたし、日本でもいろんな地方をコンサートで回ったり、本当にたくさんのステージを準備して…。それを経て、今は自分をもう少し客観的にとらえている感じがしますし、周りを見ることの大切さだったり、一歩引いて見ることなんかを覚えたように思います」
──そうして一歩引いて冷静に自分を見て、僕ってこういうところがあったんだな、と気づいたことは?
「自分自身のすべてについてはまだまだわからないですけど、ステージ上では本当に思ったことがあって。“いつも100%の力でやらなきゃ!”と思い込んでいたんですよ、これまでは。でもそれってあんまり、プロフェッショナルではないなっていうのを最近考えています。やっぱり、まったく余力のない100%でやったら、体もすごくカチカチになってパフォーマンスの質も下がるというか…あ、これは僕の場合ですよ、あくまで持論なんですけど。常に70~80%の力でやれることが、観客の方々にとってもトゥーマッチにならずに気軽に観られるステージが作れるんだろうなと思いましたし、やってるこっちだけでなく、観るほうもいい具合に楽しんでくれるパフォーマンスができるんじゃないかなっていうのを、最近は実感しているんですよね」
──いい意味で余裕を持つことを覚えたという感じ?
「そうです、そうです! 余裕を持つことって、すごく大事だと思います」
今、どう過ごしてる?
──早くも前回とはまた違ったお話が聞けそうな予感です。この後の質問も楽しみなのですが、その前に今回の連載のトップバッターとして、意気込みを聞かせてもらえますか。
「わー、緊張する」
──あんまり緊張するタイプではないのかと思っていました! でもたしかに、事前に編集部に送ってくれたテキストにも、
『緊張しいで、初対面のときはカッコつけちゃうんですけど、実際は子どもっぽい面もすごく多いので、この連載では自分の無邪気で明るい面を見せたいです!!』
と書いてくれていますね。
「かなり緊張してますよ(笑)。じっくりひとりずつの連載という形で、僕らのことを深く知ってもらうのって、NCT 127としては初めてじゃないですか? 一人ひとり本当にいろんな面が見られると思うし、NCT 127を知ってもらう機会になると思うので、ぜひたくさんの方に読んでほしいです」
──編集部もずっと準備していたことなのでうれしいです。YUTAさんは勝手にメンズノンノのマイメンと思っていますので、リラックスしてお話ししてください(笑)。
「あはは! ぜひぜひ(笑)」
──新型コロナの影響があり、実際に海外公演はもちろんのこと、韓国でもステージに観客を呼べない状況下でパフォーマンスや収録をする、ということが続いているかと思いますが、そんな中で何か考えたことはありますか。
「この期間中、ファンの皆さんに直接会うことはできていないのですが、僕たちのことを考えてくれてるのはすごく感じています。例えば僕は最近インスタグラム(@yuu_taa_1026)も始めましたし、韓国には『Bubble』っていう、アーティスト一人ひとりがファンへ向けてメッセージを送ることができるファンクラブのアプリがあるんですけど、そういったものを通して本当にいろいろな場所にいる方々と会話をすることができているなと思うんです。そこに届くメッセージを見ていると、とにかくたくさんの人が僕たちのことを心配してくれていますし、なんだか会っていたときよりも、ファンの皆さんの愛を感じるなと思うこともあるくらいです」
──なるほど、逆に?
「そう、逆に! そうです。こうやって遠く離れてみて、もっともっとありがたみを感じたというか。だから一刻も早くみんなの前に立ってステージがやりたいっていう気持ちです」
──いろんなツールを駆使してつながることができるというのは、現代的ですね。
「とはいえさみしいですけどね、早く会いたいし。Beyond LIVE(オンライン専用の無観客ライブ配信コンテンツ)もさせてもらったんですけど、もちろんすごく楽しかったし、これからこういうふうに、どんどん新しいコンサートのかたちが増えていくんだろうなって思いました。また違った文化もできあがっていくんだろうなとも感じましたけど…、やっぱり僕自身はオフラインでみんなとコンサートするのが一番楽しいです」
──コンサートが一日も早くできるようになるといいですね。
「はい! 本当に」
──コンサートももちろんですが、帰省ができたら真っ先にしたいことはありますか。
「とにかく家族と会って、いろいろ話したい。友達とも! あとはメンバーと1回も日本旅行をプライベートでしていないから、一緒にみんなで行けたら楽しそうだなって思っています。僕自身も、あんまり日本各地を巡ったことがないので」
自分らしさって何?
──さて、今回の連載の主題になるのは、NCT 127と一緒に自分のスタイルって何だろう、ということを、ファッションでも生きていくうえでのポリシーでも、どんな視点からでもいいので考えてみようというものです。そういったものを決めない、というのも立派なスタイルだと思うので、自由に考えてOKです。メンバーの皆さんと事前にアンケートのやりとりもさせていただきましたが、そこに書いてあったYUTAさんの “このテーマに関して考えたこと”へのテキストがすばらしかったので、まずそちらを原文のまま皆さんにシェアさせてください。
『“自分らしさ”ってすごく難しい言葉だと思っていて、その時その時によって好きなファッションも変われば音楽も変わるし、でもその中で自分のオリジナリティを出すことがすごく大切で。何かが変わってもその中に自分が表現したいものが残っているなら、それも自分らしさになると思います。重要なのは自分が好きなものが自分らしさじゃなくて、その中に何を自分らしさとして表現できるかだと思います』
「うわ、僕こんなこと書いたのか(笑)。恥ずかしい!」
──書いてました(笑)。異国へ単身海を渡り、個性豊かなメンバーに囲まれて活躍するYUTAさんは、はたから見ると既にじゅうぶん自分にしかない強みやオリジナリティを持っているように感じます。でも“自分らしさをもう見つけましたか?”という問いに対し、こういう真摯な答えが返ってきたことに感動したんですよね。安直な質問を投げたことを反省したくらいです。この考え方っていうのはどうやって自分の中で見つけていったのか、ぜひ知りたいなと思いました。
「そうですね、僕、すごく疑問に思っていたことがずっとあって。“キミらしいね”とか、“これはキミらしくないよ”とか、“これならキミに似合うんじゃない?”ということを言われる機会が多いんですけど、そもそも、その人らしいとか、その人に合っているかどうかっていうそのラインを決めるのは誰なの? って。それは人によって見え方が違うし、自分と他人が通ってきたものも違うんだから、価値観もバラバラですよね。最近のネット社会と言われる中では特に、目に見えるものだけを信じがちな人が多いですが、その人が根本的に持ってるものは何なのか、もうちょっとちゃんと見たほうがいいなって考えてしまうんです。正直自分たちの職業柄、やっぱりファンの人たちが求めている姿というものはあります。でもそれとは別にこっちも伝えたいものがあったとき、その中間をうまく見つけられるのがすごい人だと僕は思っていて、耐久性にも通じると思うんです。だけど結局自分らしさやスタイルって、自己満足でいいと思うんですよね、僕は。日によって違うファッションを好きであってもいいし、こういうときはこういう感情だからこの歌が好き、というのでもいいし。それでも根本的な自分はいつだってズレてないと信じているし、そうやって自分で自信が持てたら、最後はもう見てくれる人に判断してもらってもいいやって思えるんじゃないかな」
──自分の中で自信を持って、人から“らしくない”とか言われても、いちいち左右されないほうがいい?
「そうですね。ちょっと面白いことがあったんですけど、メンバーのジョンウが最近よく“長いピアスをしたい”と言っていて、ピアス好きの僕に相談してきたんです。それで、せっかく買ったんですけど、ジョンウが“やっぱ僕らしくない”って言ったんですよね。でもそれも見慣れていないだけで、ずっと続けていったら、それが自分らしさになる可能性あるよって言ったんです。さっきお話ししたことと重なるんですけど、“初めはそれ、似合わないよって言ってくる人がいるかもしれないけど、自分らしさなんて自己満足なんだから、もう自信持ってやったほうがいい”っていうのは伝えました」
──そういう考え方は、最近芽生えたものですか?
「ずっと自分の中で疑問は持っていましたよ。韓国でデビューしたくらいから」
──そんなYUTAさんが今現在、自分の中でこれは自分にとってしっくりくるなって言えるのは、どういう状態を指すのか気になります。
「最近はやっぱり、マインドも音楽性やファッション面でも、なんかロックを聴いてるときの自分がしっくりくるんですよね」
──日本のロックが好きだそうですね。
「めちゃくちゃ好きです。HYDEさんやMIYAVIさん、もう大好きで尊敬してます。もともとそういうテイストが好きだったんでしょうね、きっと。だから最近、“俺はこれが好きだ!”って出し始めました。言ってなかっただけで、元から好きでした!」
アーティストとして大事にしているオリジナリティは?
──音楽活動においては、自分のオリジナリティで大事にしてることは何でしょうか。
「わお、難しいですね」
──前はダンスの中でちょっとしたジェスチャーを毎回変えていて、人を惹きつけられるようなパフォーマンスにこだわりがあるという話をしていましたね。
「それはずっと続けています。でもそれも最近は、ファンの人、観る人に託そうかなって思ってます。“自分はこうだからこう受け取って!”ではなく、もうそこは自由に感じてもらったらいいかなって。自分が軸をわかって、自信を持っていればいいので」
──最初の“余裕が出てきた”というお話にも通じますけど、その部分は1年半前とずいぶん変わったという感じがします。たしかに、人からこんなふうに思われたいという自分と、現実の間にはどのようなギャップがありますか、という事前の質問にも
『昔はあったんですけど、今は特にないです』
と書かれていますね。
「ああ、そうですね!」
──では、どんなふうに受け取ってもらうかは観た人にゆだねるとして、せっかくなのでこのインタビューを読んでいる人に、“この曲のMVちょっと観てみて! 僕はカッコいいと思うよ!”というおすすめの作品を挙げるならば?
「最新のアルバムから、『英雄; Kick It』ですね。自分では、本当にカッコいいと自信を持って言える作品です。サビの部分、みんなも簡単にノリでマネできるような振り付けなので、楽しんでもらえたらうれしいなと思います」
「あとは『NonStop』という曲は、聴きやすくて初めてNCT 127を観るという人におすすめです。この曲はなんとなく、日本の皆さんが好きな曲調じゃないかなって個人的に思うんですよ。ティザーもあるので、ダンスと一緒に観て、聴いてほしいです」
信頼できる仲間である、
メンバーとの関係は?
──グループのメンバー同士で、お互いにいいところを見つけて伝え合ったりすることはあるんですか? メンバーの自慢できる点は? という質問には
『一人ひとりみんな、表情が豊かなところ』
だと書いてくださっていますが…。
「あはは! いや、直接は言わないですけど(笑)、お互いちゃんとそれぞれのいいところは感じてると思いますよ。僕たちはNCT 127としてデビューして4年くらいですが、それ以前にも練習生でほとんどのメンバーが8年くらい一緒にいるんですよ。なのでなんか、あんまりそういう部分に関してあらたまって話す機会はないんですけど…うん、たぶん僕と同じ考えを持ってくれてるんじゃないかなと思うし、そうだったらいいなって思ってます」
──もう言わなくても伝わる関係性?
「はいそうです。そういう関係だと思います。意見のぶつかり合いはあるけど、わーっていうケンカはないですね」
──前回の記事で、グローバルに活動していく中で
『特に努力したのは、自分の意見や思いをどう相手に伝えたらいいのか。どうすればしっかり主張できて、相手を尊重しつつ合致させられるか。言葉の違いではなくて意見や気持ちの伝え方です。“通じるかどうか”って何語を話せる、話せないの問題じゃない』
というコメントが印象的でした。これは今も引き続きずっと大事にしている?
「はい、それはずっとありますね。でもいろんな経験を一緒に積んでいくうちに、ぶつからなくてもお互い自然に理解し合えることは増えたなと感じています」
──自分にとってNCT 127とは? という質問には、
『自分の喜怒哀楽のすべてを感じられる場所』
と書いてあります。特に幸せなことは?
「わー、ありますあります! すごく些細なことですが、メンバーみんなでご飯を食べてるときとか、誰かの誕生日を一緒に祝ったり、たまに買い物に出かけたりする時間がすごくいいなって最近思っているんです。コロナで仕事のスケジュールが空いて、なんかこう今までやれなかったこと…ちょっとした時間ができてメンバーとゆっくりできる機会があったりして。仕事じゃないときはすごく学生みたいだなって思うんですよ、自分たちでも。ホント子どもみたいにみんなはしゃいで。ほほ笑ましいメンバーの姿を見たら、“この人こういう一面あったんだ”とか、今まで気づけなかった部分がけっこう出てきて、そういう部分ではすごくいい時間でしたね」
──喜怒哀楽のすべてを感じるというのは、NCT 127の与えた影響が本当に大きいんですね。
「今の自分はNCT 127が作ったと思います。みんなが僕がうれしそうに見えるときも悲しそうに見えるときも、今この質問をこういうふうに答えてる自分も、全部全部NCT 127に影響を受けているし、デビューしてから今日までの自分を作ったのはNCT 127だと思います」
──喜怒哀楽とはちょっと違いますが、自身の克服したいところは? という問いには
『飽き性』
という回答が。
「飽き性です、すごい飽き性! 熱しやすく冷めやすいんですよ。もうアツくなったら一日中やってるのに、すぐ飽きちゃうっていうのはありますね。でも最近はギターが続いてますね、ずっと。何かひとつ自分の引き出しを増やしたいなって思ったのと、やっぱりロックバンドが好きなので、演奏したり、弾き語りができたらいいなあって」
──コンサートで披露したり?
「やってみたいですね! そこまでうまくなるかはまだわかんないですけど(笑)、まあ頑張って続けてみます」
ファッションはどんな存在?
──さて、いよいよファッションの話に。これもこの1年半ですごく変化があったポイントなんじゃないかって感じたんですけど。
「おお、はい!」
──前に会ったときは、自分に似合っているかとか、具体的なアイテムの面から話をしてくれていましたけど、最近のスタイルは? という事前の質問には
『派手なアイテムを着るようになった。もともと好きだったのと、グループ活動をしていて自分のアイデンティティがだんだん薄れていく気がしたから』
という回答で、アイデンティティに言及しているのが興味深いなと。
「これは、本当にたくさんのK-POPグループがいて、自分もその中のひとりで、さらにメンバーも多くて…ってなったときに、ふと考えたことなんですけど。やっぱり作品では、与えられたコンセプトの中で、メンバーみんなと同じものを共有しないといけないじゃないですか。僕たちをよく知ってくださっている方じゃないと、ぱっと見分けるのは難しいですよね。もちろんチームとしてひとつのものを作るのはすごく大切です。ただ、私生活のファッションでは目立つようなものを取り入れたりして、気分転換のような感じでハデなものを選び始めた部分はありますね。もちろん自分が消化できる範囲でですけど!」
──じゃあそういうものを着ているときが、自分のテンションも一番上がる?
「そうですね。これはこの前も言ったと思うんですけど、鏡の前に立ったときにどれだけテンション上がるかとか、フィットしてるかっていう感覚もずっと大事にしていますね。もちろん、サイズがどうという話じゃなくて。そして流行りはまったく気にしていないです!」
──その具体例としてペイントの写真を送ってくれましたが、これはどこで?
「これはツアーのときにアメリカのL.A.で、ひと目ぼれして買いました。思い出が詰まっていますね」
──ビーニーもよくかぶっているそうですね。
「これは半分楽ちんだからっていう理由です(笑)。でも帽子をバッてかぶったら、ラフな服でもキマるというのが自分のルールにあって。それはアクセサリーも同じです。時間がなくてすぐに出ないといけないときも、ネックレスとか、指輪とかで自分の中でおしゃれにまとまる。だからアクセサリーとかちょっとした小物がとても好きです」
──このアクセサリーの写真を見ても、すごくたくさん持っていますね。
「はい、アクセサリーはコレクションですね! これからも集めていくつもりです。最近はグッチが好きです」
──いいですね!
「服に関してはそのとき気に入ったら値段とかはあまりこだわらないんですけど、アクセサリーはずっと大事にしていけるものを選ぶようにしています。そういうものを買うと気合も入るので」
──何かの記念に買うこともある?
「ありますね。これを頑張ったからとか、これが一段落したから…っていう、自分へのご褒美に。なのでちょこちょこ買っているわけじゃなくて、半年に1回とか」
──選びに行くときはひとりで?
「たまにメンバーと行きますが、基本はひとりですね。単独行動が好きなんですよ」
──お話を聞いていると、自分が気に入ったか気に入ってないかが大事という感じがするので、あんまり迷ったり人に相談したりというのはなさそうですね。
「そのとおりです、迷わないタイプです。超早いですよ! 店出るのも早い。1分で出ることもあります!(笑)」
──それは早すぎる(笑)。でもYUTAさんにとってファッションは、自分の個性とか気分に寄り添う大事な存在ですね。
「そうですね。ステージの衣装は“こんなふうにパフォーマンスできたらな”っていうイメージが重要になる一方で、私服は本当に自分が着たいものを着ているので、素の自分です。音楽とファッションは絶対に欠かせないっていうか、もう切り離せない存在だと思います。そのときの自分を表現しているので」
ヘアのこだわりが知りたい!
──好きなヘアについても聞きたいです。
「僕、そこはすごくこだわってます!」
──この写真は特に気に入っていたという、先ほどの『英雄; Kick It』のときのものですね。メッシュの入ったウルフカット。メンズノンノ読者もヘアスタイルへのこだわりは強くて、ファッションと同じくらい大事にしているんですよ。
「わかります! かなり大事です。僕もヘアスタイルに関しては、毎回ヘアアーティストさんとじっくり話して決めます。毎ステージ毎ステージ一緒に作ってるというか、めちゃくちゃ意見は出しますね。例えば『Punch』という一番最近の活動のとき、ツーブロックで中を刈り上げてアップにしてたんです」
「いまいちヘアアレンジのバリエーションが少なかったんで、途中から“髪の毛に色をつけられるクレヨンを使ってみたらどうですか”って意見を出しました。洗って落とせるので、毎回赤にしたり水色にしてみたり、衣装と合わせて色を決めて、変化を出していました」
──そういうインスピレーションはどこから?
「うーん、面白くないなあって思っていたら、パッと頭に浮かびました。韓国の音楽番組って1週間の中でたくさんあって、同じ曲が毎日流れるんですよ。観ている人のことを考えたときに、何か変わったことができないかなと思うと、見た目とか、さっき話に出たようなジェスチャーを変えるということになってくるんです。でも僕もそういうことを考えているときが面白くて、サービス精神でやっているというよりは、自分自身楽しんでいます!」
──自分のビジュアルに影響を与えたものとして、日本のロックバンドだったりテレビドラマを挙げられていますね。そうしたカルチャーの存在は今も大きいですか?
「そうですね。幼い頃に観たもの、聴いたものや感じたものって、たぶん軸になってると思うんですよね。大人になってすごくたくさんの経験をしたとしても、なかなかその軸をパッと変えることって難しいと思っていて。それはたぶんメンバーのみんなも同じなんじゃないかなと思います。それぞれに母国で見聞きして育ったものがあると思いますよ」
──『ごくせん』『野ブタ。をプロデュース』などが好きだったそうですね。
「友達みんなで観てました! すごいその“世代”って感じです!」
──『野ブタ。をプロデュース』に出演していた、修二の弟役の小さい男の子覚えていますか? 中島裕翔くん。彼は今、メンズノンノのレギュラーモデルをやってるんですよ。
「知ってます、知ってます! カッコいいですよね。この前、表紙飾ってましたよね? 見ましたよ」
──なんと、本当によく見てくださってますね。
「はい、日本に帰ったときも、必ずメンズノンノはチェックしてるんで!」
──うれしいです! ちなみに日本のファッションブランドで好きなものはありますか?
「日本人デザイナーが始めたものだと、KENZOですね。香水もKENZOを使っています」
世界で活躍する中で受けた影響は?
──ワールドツアーで世界をめぐる中、特に印象的だったことや国については、
『その国々で愛されるファッションも違うし、文化も違うので、行く国行く国全部が印象深かったんですが、やっぱりアメリカはファッション以前にとてもたくさんの人がいて、街全体がとてもカラフルに見えました』
と答えています。ワールドツアーで影響を受けたことはありますか。
「まさしく最初に話したように、自分らしいスタイルをいい意味で自己満足でできている人にたくさん出会えたことです。そこまで人の目を気にしない強さというか。特にアメリカでは、僕から見たらすごく飛ばしてるなーって感じるファッションの人もいっぱいいたけど、歩き方とか堂々としていて、誰に何を言われてもいいっていう感じがカッコいいなって思ったんですよ。それでいいんじゃないかなって思えるような」
──いろんな国でいろんな人のスタイルを見て吸収したことで、“自分らしさは自分で決めていいんだ”みたいな気持ちに影響を与えた部分があるということ?
「あります! そういう経験を経てたどり着いた、最近一番好きな自分の状態が、“俺!”って感じられるときです」
──俺…! シンプルですね。
「はい、“俺”とか、“俺自身”とか。マインド、ファッション、音楽、何でもそうですね」
──そういうふうに自分に自信が持てなかったり、スタイルを貫けず悩んでしまう人には、どんなアドバイスをしますか?
「うん、もうちょっと悩んでみてって言いますね」
──おお、厳しめ?(笑)
「だって自力で見つけるしかないんですよ。そうだな、具体的なアドバイスとしては、自分の姿をカメラで撮ってみたりするのも悪くないかなって…あ、すごいあれですか? 真面目にしゃべっちゃってます?(笑)」
──いえいえ、続けてください。カメラで撮る?
「そう、カメラで撮るってとても大事だと思ってて。僕はよくダンスするときなんかにカメラで撮るんですけど、自分の思ってるカタチだったり服装だったりって、鏡で見るのとカメラで撮ったものを見るのとで、全然違うんですよ。“ああこれは俺に似合わないな”とか、“これは似合ってるから自信持っていいんだ!”とかがわかるヒントになるかも」
──それはカメラの前に立った経験がある人ならではの話ですね。とにかく客観的に見てみるっていうことかな。
「そうですね。でも僕もいまだにわからないですよ。これだなって思うものを見つけても、後から客観的に見ると全然違うんですよ。でも逆に、そんな別に変じゃないな? ってこともある」
──自分の脳内で思ってる自分の姿と、カメラを通したものとでは全然違う?
「全然違います! 本当に全然違う。やってみてほしい」
──理想がある場合、そこのギャップを埋めていく作業もなかなか大変そうですね。
「はい、だからそれを瞬時にできる人はやっぱすごいなと思いますよ。これに関しては、人からアドバイスはもらわないです。みんな顔の形も体型も、姿勢とかも全部違うんで。その人に合ったものがそれぞれあって、誰かにフィットするものや方法が自分にも合うかっていったらそうじゃないと思うんです。それは自分で見つけるしかない」
──そうか…自分で見つけるしかないんだ。
「そうですね、本当自力で見つけるしかないですよ。その結果自信が生まれると思いますし」
自分の自信を応援してくれるものは?
──YUTAさんはご自身で、これだけは胸を張れるものとは? という質問に
『海外で頑張っている日本人! 自然と責任感や自国愛も生まれた』
とも書いています。どんなときにそう思いますか。
「責任感が生まれたのはですね、母親からすごくたくさんレポートみたいなメッセージが来るんですよ。“ファンのみんながこういうふうにあんたのこと心配してくれてるよ”とか、“こうやって応援してくれてるよ”とか、いつも送ってくれるんです。そういうの読むたびにすごいもう、胸が熱くなるというか。応援してくれてる人がいるんだって。たくさん愛を感じる分、早く応えたいなーって思うし、同時に“こういうふうに動かなきゃいけないな”とか、“こういうことは気をつけないとだめなんだな”ってことが本当にいろいろあると気づかされたんです」
──お母さまの愛を感じますね。毎日送られてくるんですか?
「毎日! …いや言いすぎたかな(笑)、でもそうやってちょくちょく送ってくれるのがありがたくて」
──“今日のお便り”みたいな?
「そんな感じです(笑)。今日はファンの子がこういうこと言ってるよ、っていう感じで。うれしいですよ」
──このインタビューの反応も、きっとお母さまが教えてくれますね(笑)。早く会えるのを祈っています。
「本当に。早く母のご飯が食べたいです!」
どんな大人になりたい?
──前回、日本から韓国へと旅立つ決意をした16歳の自分に今言葉をかけるなら? という質問に
『悩み抜け、もっと成長できる』
と答えてくれましたが、この言葉もたくさんシェアされました。今回は、10年後の自分に言葉をかけるならなんて言いたいか、聞いてもいいですか? ちょっとタイムカプセルみたいな感じで。
「うわー、10年後の自分に! 難しいなー。うーん…10年後かあ…35歳ですね。うーん、決めました。単純にでいいですか?」
──もちろん。
「幸せですか」
──なるほど…うん、大切なことですね。こんな大人になりたいみたいな目標はあるんですか?
「いや、今はないですかね。10年後のことはわからない。目の前のことを一生懸命頑張って、いつのまにか大人になっていたらいいです。流れに流されてみるのも悪くないかなって最近思っているので」
──今回はすごく自分を客観的に見て、ゆとりを大切にしているYUTAさんの姿を見たという感じがします。
「なんかもう、ガチガチになっててもしんどいなって思って。そんな感じですかね、今は」
──ここまでいろんなお話を聞きましたが、総括的にYUTAさんの現時点でのマイ・スタイルをひと言で表してもらって締めたいと思います。自然体で、自分に自信を持つっていうことなのかなって感じたんですけど、どうでしょう。
「ひと言ですよね? うーん、やっぱり“俺”!」
──力強くひと言でありがとうございます(笑)。
「漢字で“俺”にしてください(笑)。カッコいい毛筆で硬派に一文字って感じです!」
──今回の連載は、世界中にNCT 127のファンがいるということで、英文バージョンも配信します。でもこの部分だけは日本語のままで載せますね(笑)。きっと皆さんに勢いが伝わるでしょう…! 最後に今後の活動についてや、これから楽しみにしてほしいことを教えてください。
「記事いつ出るんですか? アルバム準備してること言っていいですか?(スタッフに尋ね、いいよという返事) おーっけい! 今日本でのアルバムを準備していて、既に何曲かレコーディングも終わっています。まだ準備が必要なんですけど、久しぶりの日本でのアルバムっていうことで、僕自身本当に楽しみにしています。また新しいステージを皆さんにお届けしたいです。すごく期待してほしいし、すごくワクワクしてるし、すごくすごくカッコいいです! NCT 127は、パフォーマンスにとにかく自信があります。僕らのこと知らない人がまだたくさんいると思うので、ダンスやステージ上での姿を見てほしいですし、つねに違う姿を見せられるようにこれからも頑張ります!」
──今日はありがとうございました。
「こちらこそありがとうございました。皆さんも体に気をつけて頑張ってください。また、日本で会いましょう!」
Q.何をしている時間が一番好きですか。
A.ステージに立っているとき
Q.どんな場所や雰囲気が好きですか。
A.自然と歴史を感じられる場所
Q.人から受けたアドバイスで印象に残っていることは?
A.自分が自分自身を否定するな!
Q.10代で一番の思い出は?
A.韓国に来てたくさんの国の人たちと話したこと!
Q.20代をどう過ごしたい?
A.音楽も頑張りつつ自分のしたい音楽にも挑戦してみたいし、楽しみながら悔いのないように過ごしたいです
──この後もNCT 127のメンバーが順番に登場しますが、毎回皆さんにNCT 127で個人的に好きな曲と、他のアーティストの曲で好きな曲をそれぞれ挙げてもらい、それを蓄積していってメンズノンノのためにオリジナルのプレイリストを完成してもらおうと思っています。
「あー、難しい。1曲じゃなくてもいいですかね? ちょっと待ってくださいね、プレイリスト見てみますね…MIYAVIさんとか入れちゃっていいですか?」
──いいですよ、もちろん。好きなものを自由に!
「決めました。えーと、NCT 127の曲の中では、『Paper Plane』『Summer 127』、あとは『Paradise』…」
──けっこう入りました(笑)。
「欲張りですみません(笑)。いっぱい入れてしまいました。コンセプトは、心地いい夏休みのドライブリストです! あと個人的に好きな曲のほうは…MIYAVIさんの 『Real?』。これけっこう昔のアルバムの曲なんですが、すごくテンション上がるんですよ。あとはL’Arc~en~Cielさんの『New World』。うん、夏におすすめの曲たちっていう感じですね!」
NCT 127
韓国・ソウルを拠点に多国籍なメンバーにより、グローバルな展開で活躍するボーイズグループ。最新作『NEO ZONE』は100万枚を超える大ヒットを現在も更新中。そしてファン待望のJapan 2nd Mini ALBUM 『LOVEHOLIC』 が2021年2月17日にリリースされることが決定! NCT 127初のリード曲がラブソングという試みに期待が高まる。 nct-jp.net
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