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第3回
とた
2000年代生まれのベッドルームアーティスト。作詞・作曲だけでなく、アートワーク、映像も自らプロデュースを行う。2021年2月から、TikTok(@tota_3470)をはじめ、SNS上にオリジナル曲やカバーを投稿し、音楽活動を開始。同年6月に投稿した「紡ぐ Short Ver.」が注目を集める。今年2月22日に1st Full Album『oidaki』をリリースした。
イマジネーションを刺激する
言葉選びが共感を呼ぶ
ただ今、絶賛制作期間中のimaseです。今回は、僕と同時期に音楽活動を開始した、とたさんをご紹介。読書好きの彼女は、ストーリーテリング能力や、季節、感情のトーンなどをワンフレーズで表現する才能がずば抜けているアーティストです。
Pickup
「君ニ詠ム。」
感情を揺さぶる文学的1曲
「とたさんは、作曲センスも抜群。エモーショナルな気持ちになるメロディが、歌詞にぴったりと合ってる!」
〈小説みたいな恋をしよう〉という印象的なフレーズで始まる「君ニ詠ム。」。この曲は、主人公の恋心を小説というメタファーを通して描いています。僕の好きな歌詞は、〈カギカッコの中身くらいしか 知り得ないから〉。登場人物の心の機微が事細かく書かれる小説では、相手の気持ちを手に取るように知られるけど、現実世界はそうじゃない。声にした、カギカッコ内の言葉でしか相手の心を知り得ない。恋愛や人間関係のジレンマを、こうも美しく表現できるのはさすがです。
Pickup
「ブルーハワイ」
夏の恋を季語で美しく描く
「“かき氷のシロップは、色は違っても、実はすべて同じ味”という豆知識から着想を得たストーリーが面白い」
疾走感あふれるメロディで夏の恋をつづった「ブルーハワイ」も、彼女のワードセンスと、豊かな想像力にうなってしまいます。サビの〈君はブルーハワイ〉や、〈うるさくなくセミのほうが 僕よりよっぽど愛を叫んでる〉という表現はキャッチーだし、面白い! “セミの鳴き声”を、“愛の叫び”ととらえる感性、すてきじゃないですか?
Pickup
「あしたてんき」
孤独に寄り添う儚(はかな)い歌声
「寂しさをはらんだ曲だけど、彼女の繊細でポップな歌声がネガティブな気持ちにさせないひとつの要素になってる」
「あしたてんき」は、部屋に閉じこもる主人公の姿、表情をイメージさせる歌詞の構成、言葉選びが秀逸。曲名をひらがな表記にして、“天気”と“転機”のふたつの意味を持たせ、曲にオチをつける。そこに文才を感じます。
とたさんは、いつも楽曲リリース前に、プロローグ動画を公開しています。そういう取り組みをしているアーティストって、あまりいなくて。曲への没入度が高まるのでチェックしてみて!
imase
2000年11月9日生まれ、岐阜県出身。2021年に「Have a nice day」でメジャーデビュー。TikTokの楽曲総再生回数は12億回超え。「ahamo」新成人応援ムービー用に書き下ろした新曲「僕らだ」配信中。
Text:Rie Kaido
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