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『東京卍リベンジャーズ』のヒットで再び脚光を浴びることになった「ヤンキー漫画」。80年代に始まり、現在まで脈々と続いている、このジャンルはなぜ人気を得てきたのか。お笑い芸人・菅良太郎さんへのインタビューを通じて、ヤンキー漫画の魅力を探る！
俺たちのバイブルがここにある！
あの人が語る、ヤンキー漫画愛
ヤンキー漫画に教わったのは人生観や処世術？ 第一線で活躍するお笑い芸人・菅良太郎さんは、どんな影響を受けたのか。これまで読んだ中で特に思い出に残った作品と、その好きなシーンを紹介してもらった。
お笑い芸人・パンサー
菅 良太郎さん
1982年生まれ、東京都練馬区出身。高校時代はギャル男として生きる道を選んだため、ヤンキーとは一線を画す。芸人界屈指の漫画好きとして知られ、ライフワークとして月100冊近く読む。
頂き！成り上がり飯
奥嶋ひろまさ／徳間書店
主人公のケニーがケンカと料理の腕でヤンキー高校の頂点をめざすグルメヤンキー漫画。合言葉は「俺は不良たちのママになる」。
なんだかクセになる面白さ
喫茶店でふと読みたくなる異端ヤンキー漫画
僕の学生時代の愛読書は『クローズ』でしたし、周囲にもヤンキーはたくさんいました。中学に入ると、僕はヤンキーではなくギャル男になったんですが、ヤンキーとも互いに距離はありながらも、なんとなく認め合う存在でした。
『頂き！成り上がり飯』は相手の胃袋をつかんで学校でのし上がろうとする主人公を描いた、ちょっと変わったヤンキー漫画です。現在、異世界転生モノが人気のように、ちょっと前にグルメ漫画ブームがあったんですが、そのときに生まれた作品です。「ヤンキー×グルメ」というジャンルがついに出たかと思いましたね。
ケンカシーンもありますが、基本的にはギャグ漫画です。だって「お前のパンチにスピードがないのは焼肉定食を食ったからだ」という謎の理論でケンカしてるんですよ…。主人公は仲間にいつも食事のバランスの大切さを説くんですが、そのくせ彼が一番強いのは空腹でイライラしているとき。矛盾してますよね（笑）。
ヤンキー漫画としては亜流かもしれないけど。この作者はとにかく絵が上手で、ごはんがおいしそうなんです。手軽に読めるので、喫茶店とかに置いてあったらついつい手にしちゃうし、お腹もすいちゃう。売り上げアップに貢献するんじゃないかと思うんですよね！
ヤンキー漫画の定番の流れは、「もめたら仲よくなる」。タイマンを重視して、効率を重視しないところや、拳を交えた後はお互いに認め合ったり、そういうヤンキー独特の文化ってやっぱりかっこいいなって思いますね。
©奥嶋ひろまさ／徳間書店
力ではなく食で頂点をめざすケニーは、個性もバラバラなメンバーたちを、彼らのいいところを殺すことなく、まるでおでんのようにまとめあげる。彼の料理を食べたヤンキーたちは一致団結する。
Composition & Text:Masataka Kin
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