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アーティスティックな映像やポスター、時代を捉えたセンセーショナルなストーリー…最近気になる映画に枕ことばのようについている「A24」は、オシャレでイケてる作品を多数生み出す製作&配給会社だった! ファンも多いA24の魅力や秘密を深掘り!
A24の実態に迫る!
かつてニューヨーク・タイムズの取材も断ったほどの謎多き会社A24。今回、写真や名前出しはNGという条件のもと、A24をよく知る関係者へのコンタクトに成功! 会社がめざすビジョンやユニークな取り組みなど、気になることを聞いてきた。
クリエイターを大事にすることで
唯一無二の作品が生み出される!
――A24について教えてください。
A24はN.Y.、L.A.、ロンドンにオフィスがあり、約190名のスタッフがいます。マーケティング、配給、出版などチームごとに映画に携わります。
――設立から約10年。どんな変化がありましたか?
A24は小さな映画製作・配給会社だったところから、賞レースをにぎわす作品を生み出すクリエイターたちが集う世界規模のスタジオへ成長しました。A24の原点は、常に独自のスタイルで物語を紡ぐ環境であること。この10年、才能あふれるクリエイターとの関係を築いてきたことで、質の高いオリジナルコンテンツをユニークな視点で伝えてきていますよね。
なんといっても製作本数が増えました。これまでに『ミッドサマー』『ムーンライト』『レディ・バード』など100本以上の映画、そして『ユーフォリア』『ラミー』など25本以上のテレビ番組を制作。加えて、作品に関連するグッズや書籍、音楽も作り、熱狂的なファンを増やしてきました。
映画キャラのピンズは作品ごとに展開! 叫んだり泣いたりいろんな表情が。
彼らは今までと変わらず様々なジャンルにおいて、映画やテレビ番組を作り続けようとしています。そうすることで第一線で活躍する世界規模のエンターテインメント会社――様々なパートナーやプラットフォームとコラボして、ジャンル問わず作品を作っていくような――をめざしているんです。これからも公開が楽しみな作品が多数控えていますよ。
こうして成長していく中でも、彼らは常に若いクリエイターの才能を開拓・発掘し作品を作ろうとしています。A24が起点になることで、コミュニティをつくっていくイメージですね。
コロナ禍に立ち上げたオークションでは、作品の小道具や衣装を出品。収益は最前線で対応に当たる人々への支援として寄付された。
――A24が作品を作るうえで一番大事にしていることは?
作品のビジョンだと思います。この10年間、ダニエルズ、アリ・アスター、ルル・ワンなどの監督と一緒に作品を作ってきたA24。作品作りで大事なのは、彼ら独自の視点をスクリーンに投影できるよう、お任せすること。だからA24は常に創造の自由が確保された空間でないといけない。
A24は引き続き新しいクリエイターや才能に投資していきます。自由な表現や、時には攻めた表現ができるように、検閲やテコ入れはせず…逆に推奨し、今まで取り上げてこなかった内容にもチャレンジする。そういう物語が日の目を見るために、一緒に闘ってサポートします。今までの既成のフォーマットやジャンル、プラットフォームにとらわれず、クリエイターが無限に実験し続けられるのが大切だと考えているようです。
――A24は作品だけでなく、グッズや作品公開にあわせたイベントなどのプロモーションもユニーク。どのように考えているのでしょうか?
2017年にグッズを発売して以降、アパレルをはじめ作品に登場したグッズやコレクターズアイテム、書籍などいろんなものを売っています。作品にとどまらず、グッズでも同じくらいにA24を楽しんでもらいたいという意図があるようです。
アパレルは、シンプルなアイテムにA24ロゴが入ったモチーフが多い。
A24はストーリーを軸として、視聴者とより深くつながる方法を考えて、話題になるようクリエイターと打ち合わせをします。秘密や特別なリサーチがあるわけではなく、10年以上ファンと向き合ってきたチームの経験値と企画力が大きいですね。A24はいつも、いかにファンを驚かせるかを考えているんです。
映画のキャラになりきれるおもしろグッズ。ソーセージ指になれる手袋。
さらに同年、Zineを皮切りに書籍も発売。スクリーンプレイブックコレクション(脚本)をはじめ、作品関連の書籍を増やしていこうとしています。こうした出版物を出すことで、クリエイターが自分たちの物語をアウトプットできるひとつの選択肢・手段としてのメディアを増やす目的があるようです。
1975〜2005年の間のハリウッド映画のプロモーションに使われたグッズを紹介した1冊。
そして最近始まったサブスクサービス「AAA24」は、映画やグッズ、音楽を楽しめるファンのためのプラットフォーム。同時にスタートした「A24 MUSIC」も目が離せません。
――最後に…A24が日本でも製作を行う可能性はありますか?
日本のファンの声援はA24に届いていますよ。監督や映画関係者が語り合うファンイベント「A24 night!」(2022年9月にCINEMOREが渋谷で開催)の際、みんなが「A24はクリエイターにとって自由に作品が作れる環境」と話していたことを喜んでいました。A24はいつも各地のクリエイターとの製作を考えているので、この先日本初のA24作品…なんてこともあるかもしれません。
Illustration:Emiri Furukawa
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