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『東京卍リベンジャーズ』のヒットで再び脚光を浴びることになった「ヤンキー漫画」。80年代に始まり、現在まで脈々と続いている、このジャンルはなぜ人気を得てきたのか。お笑い芸人・みなみかわさんへのインタビューを通じて、ヤンキー漫画の魅力を探る!
俺たちのバイブルがここにある!
あの人が語る、ヤンキー漫画愛
ヤンキー漫画に教わったのは人生観や処世術? 第一線で活躍するお笑い芸人・みなみかわさんは、どんな影響を受けたのか。これまで読んだ中で特に思い出に残った作品と、その好きなシーンを紹介してもらった。
お笑い芸人
みなみかわさん
1982年生まれ、大阪府出身。大学在学中から芸人を志し、『あらびき団』などで活躍。事務所への悪口を主とした毒舌で、妻と一緒に大ブレイク中。中学時代にはヤンキーに体育館裏でしめられた苦い経験あり…。
今日から俺は!!
西森博之/小学館
勝つためならどんな手段も選ばない卑怯(ひきょう)な主人公・三橋。そしてツンツン頭の伊藤が、転校先で繰り広げるギャグたっぷりの学園活劇。
愛嬌(あいきょう)たっぷりの
今井というキャラから学ぶところは多い
僕の地元はガラが悪いところで、周りにヤンキーがたくさんいました。彼らは強くてモテるから、憧れはありましたよね。学生時代に部活の仲間から借りて読んだ『今日から俺は!!』はコメディ要素が多いヤンキー漫画で、映画にもなった名作です。自分は関西出身なんですが、漫画に出てくる関東のヤンキーは「なんだかスマートだな」と思ったことを覚えています。
主人公の三橋は「正義の人」じゃありません。はっきり言って卑怯です。でも面白かったら、物語の主人公になれるんだってことを教えてくれました。それがうれしかった。
僕が好きな今井はちょっと抜けてて、愛嬌のあるキャラクター。関西ではどれだけ強くても面白くないとちょっと軽く見られる風潮がありました。面白くないというのは、つまり余計なことをするやつです。僕は学生の頃からいらんことばかり言って、ヤンキーにめっちゃしばかれてました。今井みたいな愛嬌があれば違っていたのかも。それと、ヤンキー漫画に学んだことがあるとすれば、ハッタリの大事さです。人気番組に呼ばれて、めっちゃビビってるのに堂々としてるのって本当に大事なんです。だっておじけづいたら絶対にすべりますから。芸人は常に平常心のフリをしないといけないんです。
あと、ヤンキーと芸人の世界は似てますね。ヤンキーは同じ学校というだけで妙な連帯感がありますけど、僕たちも「芸人」というだけで仲間意識が強い。さらに情に厚くて面倒見のいいヤンキーマインドがある芸人は絶対売れます。あとは適度なかわいげがあるほうがいいでしょうね。その理想像がきっと今井なんです。事務所の悪口ばかり言ってる僕ですが、今井から学ぶことはたくさんあると思っています。
©西森博之/小学館
身長192㎝で紅羽高校で番長を張る今井は男らしさにこだわる硬派なツッパリ。それゆえ人徳はあるのだが正直者ゆえに駆け引きはあまり得意ではなく、三橋や伊藤の絶好のカモにされている。読者の人気投票でも常に上位を獲得しているキャラ。
Composition & Text:Masataka Kin
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