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現在、熱い支持と注目を集めているアニメ『チェンソーマン』。なぜそんなに面白いのか。その単純であり重要な問いへの答えを見つけるため、“中の人”に話を聞いた!
超人気漫画、待望のTVアニメ化!
アニメ『チェンソーマン』
演じる人の証言
早川アキ役
坂田将吾
リアルを極限まで突き詰めた
ナチュラルな人でいることを
つねに心がけています
初めに中山監督から「坂田くんはアキの声帯を持っていて、声をつくらなくてもアキだから、お芝居をしようとしなくていい」と言っていただいたことで、作品の世界観をつかめた気がしました。
セリフは役者の意図ではなく、演じるキャラクターの意思でなくてはいけない。例えば、話す相手が1m隣にいるとしたら、いま取材でしゃべっているくらいのテンションで、過剰に声を出したり言葉を強調したりする必要はないんです。そんな、リアルを極限まで突き詰めたナチュラルな発話を、僕たちは心がけていました。キャラクターに合わせて声をあてるといったディテールを全部取っ払ってお芝居ができたので、他の人のセリフを聞きながら、アキが感じていることを僕も一緒に感じて、その世界の中にいるようにお芝居ができたんです。
ある話数では、彼の気持ちが大事な話だとわかっていたので、現場で台本を椅子に伏せて本番に臨みました。気持ちや物語の流れを体に落とし込んでいたので、文字を見ずに集中したかった。裏を返せば、それほど役を理解できたということで、僕にとって初めての経験でした。
そんなお芝居が、結果、アキが持つ“内に秘めた優しさ”という魅力を描くことにつながったんだと思っています。彼は、実は感情豊か。心の中でいっぱい考えていろいろな気持ちを宿しているけど、それを表に出さないように抑えることが上手で、慣れている人なんです。復讐(ふくしゅう)を誓う思いの強さが彼の軸であり、デンジたちの理不尽な物言いにも、しだいに応じるほど懐を広げているんです。
『チェンソーマン』
“チェンソーの悪魔”ポチタとともに、デビルハンターとして暮らす少年デンジ。親がのこした借金返済のため貧乏な生活を送る中、裏切りに遭い殺されてしまう。薄れる記憶の中、デンジはポチタと契約し、悪魔の心臓を持つチェンソーマンとして蘇(よみがえ)る。毎週火曜24時より、テレビ東京ほかにて放送。同25時よりAmazon Prime Videoにて最速配信!
©藤本タツキ/集英社・MAPPA
Photo:Kanta Matsubayashi Composition & Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]
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