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MUSIC
CARLY RAE JEPSEN
カーリー・レイ・ジェプセン
カナダ⽣まれのシンガーソングライター。ジャスティン・ビーバーのレーベルと契約後、2012年に日本本格デビュー。1stアルバム『キス』は、世界で2,000万枚に迫るセールスを記録した。以降、多数の来日公演によって幅広いリスナーを魅了。先日のサマーソニックでも熱狂を呼んだばかり。現在はワールドツアーを敢行中。
「“孤独”は人を新しく魅力的な場所へと導く」
誰かに恋をした瞬間に起こる胸の高鳴りをポップに表現した「コール・ミー・メイビー」が大ヒットしてから10年。今や人生のきらめきを演出してくれるサウンドトラックとして人々に欠かせない存在となっている、カーリー・レイ・ジェプセン。
「改めて10年が経過したと思うと、自分も年をとったなと感じてしまいますが(笑)。ここまで多くの皆さんに支持していただけたことに感謝します」
以前はこの楽曲を超えるヒットを出さなければいけないというプレッシャーもあったそう。
「でも、楽曲を発表していくごとに、自分が楽しんで制作したものだったら、多くの皆さんも同様の気持ちをシェアしていることに気づいて。だから現在は、とても解放された気持ちで音楽と向き合えていますね」
そして、このたび完成したアルバムは“孤独”をテーマにした。
「多くの人にとって“孤独”はネガティブな言葉として響くのかもしれません。私自身も、このパンデミックの影響以前にも、ツアーに出て皆さんに熱狂された直後に、ホテルに帰るとひとり隔離されてしまい、孤独を感じるという経験がありました。当初はつらいと思うこともありましたが、そのことで自分としっかり向き合うことができて、むしろとても贅沢(ぜいたく)な時間なのだと思えるようになったのです」
“孤独”になることに対して恐れないでほしいと語る。
「そういうポジティブな気持ちを皆さんに伝えたくて、このアルバムを制作したという強い思いがあるのかもしれませんね」
収録された楽曲は、現実逃避しているような気分を味わえるドリーミーな雰囲気の「ウエスタン・ウィンド」や、マッチングアプリを通した出会いをモチーフにしたポップなダンストラック「ビーチ・ハウス」など、かなり幅広いサウンドで展開している。
「そもそもアルバムって統一したコンセプトや世界観で表現すべきというルールはないと思うんです。今回は、そこにまっすぐ向き合ってみたというか。“孤独”がもたらす多様な感情を自分なりに表現してみたかったのです」
だが、その根底には誰もの心をときめかせるポップな魔法がちりばめられていると笑みを浮かべた。
「日本のリスナーの皆さんに気に入ってもらえる楽曲を考えたつもり。また、“寂しさ”が想像もしていなかったような魅力的な場所に導いてくれることを、感じていただけたら幸いです」
『ザ・ロンリエスト・タイム』
前作から約2年ぶり、メジャー通算5作目となるオリジナルアルバム。「ウエスタン・ウィンド」を手がけた元ヴァンパイア・ウィークエンドのロスタム・バトマングリや、カーリーと同郷であるルーファス・ウェインライトと共演したタイトル曲など、個性的なミュージシャンとタッグ。また日本盤にはボーナストラックも収録。カーリーの現在を多角的に伝える充実作だ。
(ユニバーサル ミュージック)10月21日発売
Photo:Kanta Matsubayashi Hair & Make-up:Tomohiro Kogure Interview & Text:Takahisa Matsunaga
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