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REVIEW
BOOK
『フィールダー』
古谷田奈月
集英社/¥2,090
児童福祉の女性専門家と少女の間に不適切な「何か」があったらしい。その専門家の担当編集者の橘は、姿を消した彼女を追う一方で、自分が参加しているオンラインゲームのメンバーの家庭環境が危ういのではと気になっている。人は人を助けられるのか。リアルとネットを行き来する時代に、人と関わることの難しさと希望を描く長編小説。
『乗るつもりのなかった高速道路に乗って』
高佐一慈
PLANETS/第二次惑星開発委員会/¥2,420
お笑いコンビ、ザ・ギースのツッコミ担当で、小説家の一面も持つ著者の初エッセイ集。好きだった女の子の思い出や、幸せを感じるとき、恐怖を覚えることなどのお題から、キングオブコントの裏話などテーマは様々。眠れるときと眠れないときの差が激しいから睡眠銀行があったらいいのに、など発想の飛躍と絶妙な話の転がし方に注目。
『山口つばさ短編集 ヌードモデル』
山口つばさ
講談社/¥748
『ブルーピリオド』の作者の初期短編集。男子仲間の罰ゲームで、美術部の地味な同級生と「寝る」ことを約束させられた高校生が、彼女に近づくためにヌードモデルを志願する表題作は「見る/見られる」エロスを爽やかに描いている。そのほか、声フェチ、巨乳、吸血鬼といった題材にひねりを加え、読者の先入観を裏切る作品を収録。
Text:Kenji Takazawa
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