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前回の『君の名前で僕を呼んで』と併せて、“夏に観てほしい映画”ということで選びました。以前、友だちがインスタグラムに「面白い!」と挙げていて、さらにあの『ホーム・アローン』のマコーレー・カルキン君が出ていると知って観てみたんです。パッケージから、子供たちの淡い恋の物語かと思っていたら……。前半は、その通りの可愛い物語なんですが、後半、予想外の展開にもう泣けて泣けて……。とっても可愛い胸キュンの映画ですが、それだけではないので、ちょっとだけ覚悟して観てほしいです。
『マイ・ガール』
デジタル配信中
Blu-ray 2,619円(税込)/DVD 1,551円(税込)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© 1991 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
生き生きと描かれる、子どもたちのピュアさがたまらない
実はマコーレー・カルキン君は主役ではなく、主人公の幼なじみのトーマス役。本作の主人公は、ベーダという11歳の少女。すごくオマセさんですが、同時に初々しくてピュアな女の子です。まんま子どもだけど、大人への階段を上り始めた、丁度その狭間の揺れ動いている、そのジャストな時期の物語です。
彼女はけっこう、特殊な家庭環境でもあるんですよ。生まれると同時にお母さんを亡くしているのですが、自分のせいでお母さんが死んでしまったと思っていて、その苦しみをずっと背負って生きている。しかもお父さんが葬儀会社を営んでいて、自宅の一部が葬儀場になっているんです。だから生活の中に“死”というものが、ずっとついて回っているんですよね。
時々、ベーダが具合悪くなって、“どこどこが痛い”と病院に行って訴えるのは、きっと生きている実感が欲しいんじゃないかな、なんて思いました。トーマスとの友情や淡い初恋というピュアな物語を描いていると同時に、死への向き合い方といった、とても深くて難しいテーマが含まれていて、すごく感情を揺さぶられました。
仲良し少年少女のやりとりが可愛い!
ベーダとトーマスは、いつも自転車で湖や林に行って、木に登ったりして遊んでいるんです。二人だけの“血の誓い”っていう儀式みたいなことをして、“かさぶた取ってよ”みたいな(笑)。仲良しさんの描かれ方も楽しくて、友情と初恋の間にある2人が、メチャクチャ可愛い過ぎました。
また、おマセなベーダは若い男の先生に片思いしていて、夏休みにその先生の“詩の教室”に通います。その教室での個性的な大人たちとの交流も、笑いやユーモアにあふれていてよかったですね。
シェリーの登場で物語が動き始める
ある日、お父さんの会社で、ご遺体にメイクをする美容師として若い女性シェリーが働き始めます。お父さんと少しいい感じになっていくんですが、ベーダは、お父さんの恋人という存在が受け入れられない。確かに、この多感な時期に、お父さんがイチャイチャしている姿を見たら、そりゃ拒否しちゃうよな、隠れてやりなよ~って僕も思いました。ベーダは、お母さんの死を自分のせいだと思っているからこそ、新しいお母さんになるかもしれないシェリーに反発し、複雑な気持ちを抱えます。
でも、シェリーは根気強くベーダに寄り添います。契機となったのは、初めてベーダに女の子の日が来たとき。“血がー!!”と驚くベーダに、シェリーが、生命や身体について説明をしてあげるんです。“だからあなたが生まれたのよ”と。文化の違いなのかな、日本だと、そういうことって保健体育の授業に任せているような感じがあるけれど、11歳の女の子に、知識としてちゃんと教えていくってメチャクチャいいことだな、と思いました。あの時、お父さんしかいなかったら、メチャクチャ気まずいだけでしたよね、きっと。
そこにタイミング悪く、トーマスが「川に泳ぎに行こうよ」と、ベーダを誘いに来るんです。そうしたら、「行かない! 1週間、もう来ないで!!」って言われて、ポカ~ンと(笑)。“え、一週間も!?”みたいな、何も分からない感じの姿など、そういう切り取り方も上手いな、と思いました。この時期の女の子と男の子の差というか、なんだかリアルですよね。
ずっと仲良しさんのトーマスとベーダですが、後半、トーマスが力を振り絞って好意を表します。それがまた可愛くて。そんな2人のキスシーンは、もう、たまらな過ぎでした、なんですか、あれ(笑)!! 本当にキュンキュンしました。でも、大好きなベーダのためにしたトーマスの行動で、その後、予想外の展開が訪れます。
後半は涙なしには観られない!
初めて観たときは、“眼鏡をかけてあげてよ!”というセリフで、僕も涙で何も見えなくなりました。必死に涙を拭きながら観て、どこまでピュアな2人が恋愛していたんだろう、って……。ベーダが病院にまた駆け込んで、“心が、心が”っていうシーンでは、恋だったということに気付く、恋の心の痛みでもあるのかな、と思って。そんな切り取り方も、とてもステキでした。
11歳か……。小学4~5年生の頃の僕は、ベーダたちと同じように、木に登ったり川で遊んだり、みんなで鬼ごっこしたり、無邪気に遊び回っていたな。子どもたちの秘密の場所、みたいなものもあったのも思い出しました。“誰ちゃんと誰君は好き同士らしいよ”みたいな話もあったけれど、キスの練習をしたり…、なんてのはなかったなぁ(笑)。この作品を見ながら、あの頃の見えていた景色を思い出す瞬間がたくさんありました。僕はポケ~ッとしながら、蛙だ~、コオロギだ~、みたいな感じの子だったので、もう少し子供っぽかったけれど。
実力派カルキン君の演技も必見!
この『マイ・ガール』は有名な作品ですし、きっとハマる人も多いと思います。マコーレー・カルキン君がメチャクチャ繊細な演技をしていて、子役なのにスゴイです。『ホーム・アローン』とは全く違う味を出しているので、見比べてみるのも面白いかもしれないですね。本当にラストは切ないですが、夏になったら観る映画の一つになってもらえたら嬉しいです。
それはもう、こんな可愛いキスシーン観たことない、というほどのこのキュンキュンシーン。“キスって、どんなんだろうね”と言って、自分の手でまず練習するんですよ(笑)。そして、“目をつぶって”と言って…。その後困ってアメリカの独立宣言の文を読み上げたり、もう、可愛くて本当にキュンキュンしちゃいました。僕の映画鑑賞史上、ベスト3に入る名キスシーンです! これは、もうツボですね。残りの2つは、と聞かれたら、以前、ご紹介した『マイ・ブルーベリー・ナイト』です。もう1つは、そのうち、このコーナーで取り上げようと思っているので、楽しみにしていてください!
『マイ・ガール』(1991年・アメリカ映画)
72年、米ペンシルベニア州。11歳のベーダ(アンナ・クラムスキー)は、葬儀屋を営む父(ダン・エイクロイド)と認知症の祖母と暮している。ある日、遺体に化粧をほどこす美容師のシェリー(ジェイミー・リー・カーティス)が雇われ、次第に父と親しくなっていく。不安になったベーダは、幼馴染トーマス(マコーレー・カルキン)に手伝ってもらって、2人の仲を邪魔しようとするが――。11歳の少女の淡い恋と友情、成長を瑞々しく描く。大ヒットを受け、『マイ・ガール2』(92)も作られた。主題歌の「マイ・ガール」は、64年にテンプテーションが発表した楽曲。本作で使用され、リバイバル・ヒットを記録した。
トップガンを観に行きました! やっぱり、すごかった。噂通り、メチャクチャ最高でした。もう、ザ・ハリウッド映画! これぞアメリカ映画だ~って感じ。あまりにカッコ良くて、僕も戦闘機トレーニングを受けたくなりました。これはIMAXか4Dとかで観ないと、やっぱり勿体ないくらいの内容でした。
渡辺役で出演の『バイオレンスアクション』公開中、塔野カオルの声を演じた『夏へのトンネル、さよならの出口』は9月9日公開。ファースト写真集が 今冬発売決定しました!
Text:Chizuko Orita
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