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映画の恐怖表現は進化が続くけど、原点に立ち返って古い作品に触れるのも面白い。その道のプロに聞いた、最恐作品が夏の夜をぐっと涼しくする!
この夏に観たい
クラシックホラー映画
ホラーチャンネルオソレゾーンのナカガワさんが、チェックすべきクラシックホラーの怪作を解説!
オソレゾーン
ナカガワさん
ストーリーは二の次。映像が“怖い”が正義!
「2000年代以降のホラー映画はリアリティを追求し、整合性の取れた物語が多く、対して90年代までの作品は、怖ければ何でもいい。その自由な作風が古いホラーの魅力であり特徴です。最低限のつじつまを合わせれば、ストーリーテリングのルールから逸脱しても許される。だから独創的なカメラワークやライティング、特撮技術が多様化し、CGとはまた違った迫力につながります」(ナカガワさん)
what’s オソレゾーン?
恐怖をテーマとした映像作品に特化した月額¥550の定額動画配信サービス。誰もが知る名作ホラーはもちろん、ディープな鬼作、珍作を徹底網羅する。「ゾンビ」「サメ」「稲川淳二」など、月ごとに特集ジャンルがわかりやすく組まれており、ホラー初心者にもありがたい。6月の特集は「かいぶつ奇想天外! モンスターパニック大図鑑」。
自由すぎる怪作は
まだまだあった!
『エルム街の悪夢』
(1984)/ウェス・クレイヴン
夢の中が怖い!
「夢の中に現れる殺人鬼フレディとの攻防を描く人気シリーズの1作目。眠ったら最後の絶望感と、対照的に描かれる終始コミカルなフレディのキャラクターがすばらしい。夢の中で襲われるという設定も面白く、何よりフレディのビジュアルも立っている。赤と緑のストライプセーターにハットをかぶり、顔にはやけど痕、そして手製のナイフ爪。一度観たら本当に夢の中に現れるかもしれませんね。エンタメホラーの傑作です」(ナカガワさん)
U-NEXTで観られる!
『狩人の夜』
(1955)/チャールズ・ロートン
狡猾(こうかつ)さが怖い!
「聖職者を装うシリアルキラーに狙われた、幼いきょうだいの逃亡劇を描くサスペンスホラー。言葉巧みに人を惑わせる殺人者の立ち回りがめちゃくちゃ上手で、人間のもろさを感じられる作品になっています。そしてこれは1955年に公開された映画なので、もちろんモノクロで撮影されたもの。白黒のコントラストの中に色を感じさせる、幻想的な映像表現は見事。特に湖に浮かぶ死体のシーンは鳥肌」(ナカガワさん)
U-NEXTで観られる!
『ローズマリーの赤ちゃん』
(1968)/ロマン・ポランスキー
お腹の子が怖い!
「『エクソシスト』と並ぶオカルトホラーの代表作。悪魔との受胎は、疑心による妄想なのか、はたまた現実なのか。パラノイアに陥った妊婦ローズマリーの追い詰められていくさまが異様にリアルです。不条理かつ不気味な心理描写は、映画を観ている僕らの神経がすり減るほど。きっとテーマ曲が頭から離れなくなるはず。そして、妊婦さんだけはこの映画を絶対に観ないでください!」(ナカガワさん)
Amazonプライム・ビデオで観られる!
『下女』
(1960)/キム・ギヨン
家が怖い!
「韓国映画オールタイム・ベスト第1位にも選出され、ポン・ジュノ監督が『パラサイト 半地下の家族』への影響を公言する1本。高度成長期の韓国で、上流にたどり着かんとする一家が雇った家政婦の、異様なまでの執念が見どころ。階段やベランダなどの建物のレイアウトを生かした演出が恐怖をかき立てる、“家ホラー”の決定版!」(ナカガワさん)
DVDでチェック!
Composition & Text:Kanta Hisajima
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