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映画の恐怖表現は進化が続くけど、原点に立ち返って古い作品に触れるのも面白い。その道のプロに聞いた、最恐作品が夏の夜をぐっと涼しくする!
この夏に観たい
クラシックホラー映画
ホラーチャンネルオソレゾーンのナカガワさんが、チェックすべき3大ジャンルとその代表作を解説。今回はジャッロ編を紹介!
オソレゾーン
ナカガワさん
ストーリーは二の次。映像が“怖い”が正義!
「2000年代以降のホラー映画はリアリティを追求し、整合性の取れた物語が多く、対して90年代までの作品は、怖ければ何でもいい。その自由な作風が古いホラーの魅力であり特徴です。最低限のつじつまを合わせれば、ストーリーテリングのルールから逸脱しても許される。だから独創的なカメラワークやライティング、特撮技術が多様化し、CGとはまた違った迫力につながります」(ナカガワさん)
what’s オソレゾーン?
恐怖をテーマとした映像作品に特化した月額¥550の定額動画配信サービス。誰もが知る名作ホラーはもちろん、ディープな鬼作、珍作を徹底網羅する。「ゾンビ」「サメ」「稲川淳二」など、月ごとに特集ジャンルがわかりやすく組まれており、ホラー初心者にもありがたい。6月の特集は「かいぶつ奇想天外! モンスターパニック大図鑑」。
狂気すらも美しく。
ジャッロ!
「ジャッロというジャンルはイタリア生まれのサスペンススリラー。平たく言えば殺人推理モノですが、話の組み立て以上に映像表現に注目してほしい。過剰な殺人シーンや、斬新なカメラワーク、その場面にどんぴしゃな音楽など、どの瞬間もとにかくスタイリッシュ。映像としてホラーを楽しむのにもってこいのジャンル」(ナカガワさん)
『モデル連続殺人!』
(1963)/マリオ・バーヴァ
「黒いコートを着た不気味なマスクの殺人鬼に、モデルが次々と殺されていく……狙われる美女と残虐描写というジャッロ映画のお約束を体現する作品。このジャンルの入門編としてもぴったりです。きらびやかなファッション業界が舞台になっているからこそ、そこから描かれるバイオレンスな映像がより鮮烈に映るんです。ムーディなテーマ曲とともに始まるオープニングムービーもすばらしく、どのシーンも芸術的すぎる!」(ナカガワさん)
オソレゾーンで観られる!
『サスペリア』
(1977)/ダリオ・アルジェント
「2018年にはルカ・グァダニーノによってリメイクもされ、記憶にも新しいサスペリア。その原点となったのが本作。イタリアンホラーを語るうえでは絶対に外せません。バレエ学校を舞台に、主人公のスージーが奇妙な出来事に巻き込まれていくというお話で、整合性などお構いなしの恐怖演出や、ライティングを使った色彩設計は圧巻のひと言。ここぞというシーンで赤や青、緑などの光を使い、狂気をさらに演出。忘れられない場面が多くあります」(ナカガワさん)
U-NEXTで観られる!
Illustration:Shun Suzuki Composition & Text:Kanta Hisajima
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