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REVIEW
BOOK
『身近な野生動物たちとの共存を全力で考えた! 動物行動学者、モモンガに怒られる』
小林朋道
山と溪谷社/¥1,925
動物の行動に焦点を当てた研究を始めて40年以上という研究者が、9種類の動物たちの謎めいた行動と、その理由を探るノンフィクション。アカネズミはヒマワリの種をその場で食べる。しかしなぜかドングリは土中に埋めて貯蔵する。研究者が抱いた疑問は、実験と観察を繰り返すことで真実に近づいていく。その過程はまるでミステリ。
『人は2000連休を与えられるとどうなるのか?』
上田啓太
河出書房新社/¥1,628
仕事を辞めて1畳半の小部屋で長い「連休」に入ったブロガーの記録。寝る時間と起きる時間がズレ始め、人との関わりが激減。ネットと距離を置く、読書をする、体を動かすなどの試みと変化を観察し、淡々と記録する言葉にユーモアがにじむ。楽しく読むうちに、いつしか人間という存在について考える自分に気づかされるだろう。
『PPPPPP(ピピピピピピ)』2巻
マポロ3号
集英社/¥484
天才音楽家、音上楽音(おとがみがくおん)のもとに生まれた7つ子。彼らはみな父の才能を受け継いだ天才ぞろい。たったひとりを除いては。そのひとり、ラッキーのピアノは凡庸で音も小さいが、実は他の誰にもない「何か」があった。その「何か」がいつどうやって開花するかが読みどころ。音楽から生まれるイメージをドラマチックに描く画力にも注目だ。
Text:Kenji Takazawa
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