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REVIEW
BOOK
『自慢話でも武勇伝でもない「一般男性」の話から見えた生きづらさと男らしさのこと』
清田隆之(桃山商事)
扶桑社/¥1,540
20代から40代の男性10人がこれまでの人生を振り返り、「弱さ」「つらさ」そして「反省」を率直に打ち明けたモノローグ集。女性の恋バナ収集ユニット「桃山商事」で活動してきた著者が、今回は男性にインタビュー。彼らの言葉に潜む男性性をさりげなく引き出している。「男らしさ」って何だろう? と考えるきっかけになる1冊。
『ワイン迷子のための家飲みガイド』
安齋喜美子
集英社/¥1,760
コロナ禍で、かつてないほど盛り上がっている「家飲み」。とくにワインは世代や性別を問わず広く愛される定番のアルコールだ。本書はスーパーで買える安価なワインで楽しめるワイン生活を提案し、産地や品種などの基礎知識をわかりやすく紹介している。カラーページもあり、レイアウトも親しみやすい。ワイン入門者におすすめ。
『アフターゴッド』1巻
江野朱美
小学館/¥650
「神」と呼ばれる巨大生物が現れ、日本の半分が壊滅した世界。目を合わせると魅入られ、死に向かうという「神」とは何者なのか。「神」を倒そうとする研究者たちと、「神」と同じ目を持つ女子高生との出会いから物語が加速する。超絶技巧の作画と壮大なスケールの世界観、そしてギャグ。緩急のバランスが絶妙だ。傑作の予感がする。
MUSIC
『ナイト・コール』
イヤーズ&イヤーズ
英国発ドラマ『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』の主演で話題を呼んでいるオリー・アレクサンダーによるバンドのアルバム。ドラマの題材になった1980年代のダンスフロアを連想させる欲望が渦巻くゴージャスなサウンドの海の中で、究極の愛を求めてさまよう「人魚」になった姿を描いた。またボーナストラックにはSIRUPとの共演曲も。
(ユニバーサル) 2月16日発売
『裸の勇者』
Vaundy
独特のヴォーカルと、洗練されたサウンドで人気沸騰中のシンガーソングライターのEP。TVアニメ『王様ランキング』第2クールのオープニングテーマであるタイトルトラックや、自身がプロデュースを手がけたmilet×Aimer×幾田りらによる「おもかげ」のセルフカバーを含む4曲。時代に寄り添いながらも、その先をにおわす疾走感に興奮。
(SDR / ソニー・ミュージックレーベルズ) 2月23日発売
『Face To Time Case』
崎山蒼志
圧倒的なギターテクニックと、表情豊かな歌声で話題を呼んでいるシンガーソングライターの2nd。アニメのエンディングテーマに起用された「嘘じゃない」や、石崎ひゅーい、リーガルリリーとの共演曲などを含む内容。日本語の持つ響きや感情の揺らぎを丁寧かつドラマチックに表現したサウンドの連続に、時間を忘れて聴きほれるはず。
(ソニー・ミュージックレーベルズ) 発売中
MOVIE
『ウエスト・サイド・ストーリー』
ブロードウェイきっての古典であり、1961年の映画版もよく知られる伝説のミュージカルを、あのスティーブン・スピルバーグ監督が新鋭キャスト陣で映画化。N.Y.の移民社会を背景に、対立するグループに属する男女の切ないラブストーリーが不朽の名曲群に乗って華麗に展開。すでにゴールデン・グローブ賞で3冠獲得。アカデミー賞の結果にも期待がかかる!
●2月11日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
『ちょっと思い出しただけ』
池松壮亮&伊藤沙莉という実力派同士のW主演。クリープハイプの尾崎世界観がジム・ジャームッシュ監督の傑作『ナイト・オン・ザ・プラネット』に触発された楽曲をもとに、松居大悟監督がオリジナル脚本を執筆。ケガでダンサーの夢を諦めた照生と、タクシードライバーの葉。恋人だったふたりの6年間を遡(さかのぼ)るヒューマンドラマ。東京国際映画祭で観客賞に輝いた。
●2月11日より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
©2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会
『MEMORIA メモリア』
カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。タイの鬼才監督、アピチャッポン・ウィーラセタクンが南米コロンビアで撮影した最新作。ハリウッドでも活躍するティルダ・スウィントンを主演に、監督自身が患った「頭内爆発音症候群」から着想を得た、不眠症に悩む女性の眩惑的な記憶の旅路を描く。瞑想のごとき特異な映画体験。唯一無二な“スローシネマ”の神髄だ。
●3月4日より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開
©Kick the Machine Films, Burning, Anna Sanders Films, Match Factory Productions, ZDF/Arte and Piano, 2021.
[BOOK]Text:Kenji Takazawa
[MUSIC]Text:Takahisa Matsunaga
[MOVIE]Text:Naoto Mori
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