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大人気テレビアニメシリーズの前日譚を描く、『劇場版 呪術廻戦 0』が12月24日に公開する。本作は、テレビシリーズで描かれる物語の1年前の呪術高専を舞台に、幼い頃に幼馴染に呪われてしまった少年、乙骨憂太が主人公の物語。今回、映画公開を記念して、メインキャラクターを演じた6人の声優に、劇場版にまつわる特別インタビューを敢行。公開日に向けて一日一人ずつ、彼らの“声”を届ける。最終回となるVol.6は、乙骨憂太役の緒方恵美が登場!
ひとりの人間としての
“芯”を通して
演じることに迷ってしまって…
──人気テレビシリーズに続く『劇場版 呪術廻戦 0』で、主人公であり、初めて登場する乙骨憂太を演じています。本作への参加が決まったときの感想を教えてください。
まず、オファーをいただけたことにびっくりしました。また私自身、読者として世界観にのめり込める面白い作品に関わらせていただけることがすごくうれしかったです。キャストの皆さんが作り上げた物語の中に後から入れていただくので、どうすればなじめるかということを考えていました。
──乙骨をどのような人物として捉えて演じていましたか?
読者として原作を読んだ後、改めて乙骨憂太の目線で読んだところ、最初は彼の“芯”が見えづらかったんです。乙骨は、小さい頃に事故で亡くした幼馴染の(祈本)里香ちゃんの怨霊の呪いに苛まれ、自分の死を考えていた少年。それから、呪術高専で過ごすうちに、どんどんと成長し、変わっていきます。
夏油(傑)や他の敵と戦うシーンで彼は…、ここで詳しく言えないのが残念ですが…、強く、カッコいいセリフを口にするんです。乙骨がそういった言葉を言えるひとりの人物として、最初から最後まで一本の線を通さないといけない。ただ、彼の中の“芯”を捉えていないと、人物表現が表面的になってしまい、上滑りな“演技っぽい演技”になり、嘘っぽくなってしまうので、どんな人物像をベースにするのがよいのだろうと悩みました。なので、迷っているということを、最初に朴(性厚)監督と音響監督に素直にお伝えしました。
──なるほど。その答えをどのように見つけたのでしょうか?
いろいろとお話はさせていただいたのですが、答えは本編の中にありました。乙骨の幼馴染の里香ちゃんを演じた花澤香菜さんと最初に子供時代のシーンを収録したんです。私の体感や雰囲気ですけど、そこで見た映像には原作より二人の関係がしっかりと描かれていたんですね。
乙骨はどうしてこの子に惹かれていたのか、どこが好きで、彼女といるとどういう気持ちになっていたのかを掴むことができました。そういったシーンを、花澤さんと一緒に演じられたこは、本当によかったです。
成長することで悔やんだり
苦しんだりする乙骨に
自分を重ね合わせました
──素敵なエピソード! 乙骨の“芯”を描いたシーンに期待が高まります。
この物語で起きている出来事は、実は乙骨自身が自分で選んだ先にあるもの。わかりやすく仲間が助けてくれて、「君のおかげでうまくいった! みんな仲間だ!」という、わかりやすい正義のあり方と違って、本作ではほとんどの人たちが自分から歩み寄らないと手を差し伸べてくれない。「一緒に行こうよ」なんて言ってくれない。誰かからもらった変化というより、自分がひとつひとつ掴んで得た変化、と言いますか。自分で選んだもので未来が変わっていく様は、現実世界に近いと思いました。だからこそ、乙骨の成長の仕方は大きかったんだなって。
──乙骨を演じていて、緒方さんが共感する部分はありましたか?
成長したからこそ悔やむことがあったり、孤独になったり、苦しみを味わったり。経験値を積んでいくことで、今まで自分がどれだけ愚かだったかが見えたり。そして、自分で掴み取った結果だけど、周りの人がいてくれたからできたという感謝の気持ちが湧いて、また人に優しくなれる。私は乙骨という人物を演じて、自分と重なる部分を見つけました。きっと観てくださるみなさまの中にも、彼に共感できるところがあるのではないかと……。
──劇場版の大きな見どころですね。より映画館に行くことが楽しみになりました。ちなみに、緒方さんにとって、原作があることでアニメの演技の助けになりますか?
もちろん助かりますし、原作を大事にしたい。ただ注意しなくてはならない面も。漫画原作がある場合は、作品に関するまとまった情報が手に入る一方で、自分が漫画を読んだときの印象に引きずられすぎると、アニメの監督が焦点を当てて描きたい物語のポイントと齟齬が生まれる場合もあります。なので、原作の中のここは大事と思う部分をしっかり押さえつつ、アニメチームが意図している部分に沿っていくことを考えます。
──最後に、緒方さんに見ていただきたいものが…。劇場版の公開を記念して、メンズノンノ1・2月号の特別版はオリジナルイラストの表紙と特製クリアファイルの付録がつきます。豪華コラボ、いかがでしょうか?
乙骨と棘の迫力ある表紙は、インパクトがありますね。え? 水晶玉子先生の呪術廻戦占い? めちゃめちゃ気になる! 「どうやって呪われるのかがわかる」、とかじゃないですよね?(笑) 素敵なコラボ企画が満載ですね。
メンズノンノ 1・2月号についてはこちら
(クリアファイルを手に取って)五条先生が美しすぎて、どうしたもんか…(笑)。きれいすぎて、ずるいなぁ。手に取ったファンの皆さんが喜んでくれる姿が目に浮かびますね。
『劇場版 呪術廻戦 0』
幼い頃に亡くした幼なじみ・祈本里香の呪いに苦しむ乙骨憂太。最強の呪術師・五条 悟に導かれ東京都立呪術高等専門学校に編入した乙骨は、同級生の禪院真希・狗巻 棘・パンダと出会い、過ごす中で、自ら里香の呪いを解くことを決意する。そんな彼らの前に、かつて一般人を大量虐殺し高専を追放された最悪の呪詛師・夏油 傑が現れる。
監督:朴 性厚
脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:平松禎史
副監督:梅本 唯
制作:MAPPA
声の出演:緒方恵美、花澤香菜、小松未可子、内山昂輝、関 智一、中村悠一、櫻井孝宏、ほか
●2021年12月24日より、全国公開
© 2021「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 ©芥見下々/集英社
Photos:Kanta Matsubayashi Hair & Make-up:Mayumi Sekiya Composition & Text:Hisamoto Chikaraishi
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