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クルマにバイク、自転車、スケボーetc……イケてる人の愛車(?)がかっこいいのは、そこにストーリーがあるから。そんな“相棒”にまつわるバックボーンを深掘りして、それぞれのライフスタイルをお届け! ノリモノ好き男子よ、集まれ!
はじまりは節約のため!?
父譲りのガレージ物件でDIY
東京藝術大学の彫刻科を卒業後、同大学院に通いながら現代彫刻家としてのキャリアを重ねるアイザック・レオンさん。彼の自宅には階段下の空間を利用して作ったガレージがあり、そこにはバイクを整備するための道具が揃う。何事も「自分でやる」の精神で始まった、20代のガレージライフに迫る!
「自分でやる、と言えば聞こえはいいですが、もともとはお金がなかったのが一番の理由です。浪人を経て藝大に入学したばかりの頃に、無理をして買ったバイクでしたから。当時はバイトもあまりできず、バイク屋さんに頼むのがもったいなくて(笑)。コストコで工具を揃え、買ったばかりのバイクを自分でいじる日々がスタート。彫刻家の父が使っていたこのガレージ付きの物件を引き継げたのもラッキーでした。ここだけの話、家賃もすごく安いんですよ」
バイクも彫刻も手仕事。
5年かけて仕上げた僕だけのマシン[HONDA CL400/1998年]
このCL400は、1998年から2002年までの4年の間に生産された中型バイク。ブロックタイヤを履き、アップマフラーを備えた見た目で、舗装路と悪路のどちらもこなせる「スクランブラー」というスタイルで売り出されたモデルだ。しかし、今回紹介する車体に発売当初の面影はなく(スマホでCL400と検索!)、オフロードに特化した見た目に。乗り手であるアイザックさんは、どこをカスタムしていったのだろう。
「もう買った頃の原型はありませんね(笑)。ハンドルやフェンダー、タイヤなどの軽いカスタムから、サスペンションやキャブレター(燃料供給装置)のようなヘビーな所まで、だいたい全部変わっていますね。生産期間がかなり短いバイクだから、専用設計のパーツがほとんどなくて。付けられそうなパーツをオークションで見つけては、それを溶接したり、カットしたり。そういうすり合わせの繰り返しで、なんとか今のカタチに。ちゃんと車検に対応させる、というのにも苦労しました。彫刻家としての創作活動と同じくらい、いや、それ以上に時間を費やしたかも」
「ハンドルを変えるだけでも配線に調整が必要だし、エンジン周りに変更があれば、乗り味も別物になってしまいます。そもそも、メーカーが本気で開発したノーマルの状態に、素人仕事で追いつけるわけもなく(笑)。カスタムするということは、基本的にデチューン。だけど“自分好み”のバイクに仕上げていくのが楽しくて。そうやって手作業で理想をカタチにする、その工程が彫刻に似ているから、時間を忘れるくらいに没頭しちゃうんだろうなぁ」
カスタムには絶対不可欠。
バイブルはサービスマニュアル!
「自己責任でバイクをいじる際に、成功率を上げてくれるのがサービスマニュアル。バイクを買えば付いてくる説明書ってことではなくて、こういうのもオークションで集める必要があります。一度エンジンがかからなくなったことがあって、そのときは助けられました。僕のように古いバイクに乗る人には欠かせないアイテムですね」
後半では、ガレージを飛び出しいつもの道へ。バイクに乗る楽しさに迫る!
Photos:Ohazama Norito Composition & Text:Kanta Hisajima
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