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REVIEW
BOOK
『ブラックノイズ 荒聞』
張 渝歌
文藝春秋/¥1,980
台湾発のホラー小説。タクシー運転手の呉士盛(ウーシーシェン)は、放置されていたクルマからカセット式の録音機を見つける。再生ボタンを押すと途切れ途切れに「ミナコ?」という声が。やがて彼の周りで悲劇が起きてしまう。真相を知るため、呉は霊力を持つ女道士の助言にしたがって山に向かう。台湾の歴史、文化を題材に恐怖の根源へと迫る。
『変な家』
雨穴
飛鳥新社/¥1,400
YouTubeで驚異的な再生回数をたたき出した「不動産ミステリー」に続編を加えた完結編。「私」が知人から持ち込まれた奇妙な間取り。設計士の不穏な考察を加えてネットで発表すると、1通のメールが届く。あの家に心当たりがあるというのだ。さらにもうひとつの「変な家」が登場し疑惑が深まっていく。果たして真相にたどり着けるのか?
『ワールド イズ ダンシング』1巻
三原和人
講談社/¥715
教科書に出てくる世阿弥は、能や歌舞伎の原型をつくった芸能者であり、芸道を説いた『風姿花伝』の著者というお堅いイメージだ。しかしこのマンガの世阿弥は一座を率いる父・観阿弥の求める芸に疑問を持ち、人間の「よい」形とは何かを追い求める等身大の少年。芸を通して世界に触れ、発見を積み重ねる世阿弥のこれからが楽しみだ。
MUSIC
OKAMOTO’S
『KNO WHERE』
約3年ぶりとなるオリジナルアルバムはTVドラマの主題歌など、すでにおなじみのナンバーを多数収録。彼ららしい、痛快なロックンロールを軸にしながら、ヒップホップなど多彩なグルーヴを織り交ぜ、柔軟かつ真剣に音楽と向き合う4人の姿を浮き彫りにしている。特に、繰り広げられるバンドセッションはとてもエキサイティング。
(ソニー・ミュージックレーベルズ)発売中
YOGEE NEW WAVES
『WINDORGAN』
生命の輝きを感じさせるみずみずしいサウンドで人気を博す彼らの約2年半ぶりとなるアルバム。台湾のバンド落日飛車のKuo、SuchmosのキーボーディストTAIHEIなどを迎え完成させた楽曲は、時代の風をきって走るようなスピード感がある。これまでの日だまりのような暖かさをキープさせながらも、新たな音楽の世界線を描いている。
(Colourful Records/ビクター)10月13日発売
HONNE
『一週間後に世界が終わるとしたら、どうする?』
日本の「本音と建前」から影響を受け名づけたという英国発エレクトロ・ポップ・デュオの新作。現代R&Bを代表するカリードなどを迎え、恋愛の浮き沈みをモチーフにしながらも、一度きりの人生を自分らしく生きることの大切さを、彼らの特徴である優しさにあふれるメロディやサウンドで丁寧に描く。一歩踏み出す勇気を与えるはずだ。
(ワーナーミュージック・ジャパン)10月22日発売
MOVIE
『Our Friend/アワー・フレンド』
全米雑誌賞受賞の名エッセイをもとにした実話の映画化。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でアカデミー賞主演男優賞に輝いたケイシー・アフレックが、余命宣告された妻を持つ夫を演じる。そんな彼らを献身的にサポートする親友と共に過ごすかけがえのない時間。男女3人の絆を通して「生きる意味」を見つめ直す。優しさに満ちた珠玉のヒューマンドラマだ。
●10月15日より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開
©BBP Friend, LLC 2020
『DUNE/デューン 砂の惑星』
『スター・ウォーズ』や『風の谷のナウシカ』に多大な影響を与えたSF大河小説の金字塔が、『メッセージ』などの天才監督ドゥニ・ヴィルヌーヴの手腕ですばらしい映画となった。今回は待望の第1弾。ティモシー・シャラメ演じる公爵の息子ポールが、砂の惑星デューンに移住してから直面する冒険と試練。圧巻の映像美による破格の映画体験が待っている!
●10月15日より、全国公開
©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
『CUBE 一度入ったら、最後』
伝説の傑作である1997年公開のカナダ映画『CUBE』を菅田将暉主演で再映画化。謎の立方体の迷宮に閉じ込められた男女6人の脱出劇。オリジナルのヴィンチェンゾ・ナタリ監督が協力参加した世界初めての公認リメイクとなる。数々の死のトラップによって人間の本性があらわになっていく異色の密室スリラー。豪華キャストによる日本版独自のドラマ展開に注目。
●10月22日より、全国公開
©2021「CUBE」製作委員会
[BOOK]Text:Kenji Takazawa
[MUSIC]Text:Takahisa Matsunaga
[MOVIE]Text:Naoto Mori
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