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洋楽インディー・ロックの影響を匂わせる感性の鋭いバンドサウンド、透明感がありながら強いまなざしを放つヴォーカル、そして日常の瞬間を丁寧に切り取ったような歌詞が生み出す独特の世界が話題を呼んでいるオルタナティヴロックバンド「羊文学」にインタビュー。
右から:ゆりか(B)塩塚モエカ(Vo&G)フクダヒロア(Dr)
今年リリースされた通算4作目となるEP『ざわめき』は、バンドの新たな表情を感じられる作品だと発売直後から高評価を受けている。
「前作のEP『きらめき』は、羊文学に持たれていた音のイメージとは異なるものを表現したかったというか。ポップなこともできることを示したかった。結果、多くの人に聴いていただけたのかなって思うんです。それを踏まえて今回は、ポップさだけでなく自分たちの内面とも向き合った作品にしたかった。『きらめき』の先にある世界を考えて制作しました」(塩塚)
「前作は女の子らしく、柔らかめにしたりポップ感を意識しましたが、今回は自分をさらけ出したという感じ。サウンドも突き抜ける印象のロックというか。走り抜ける感じを全体で表現したいと思いました」(ゆりか)
「この作品で新しい階段を上れた感覚が。今までにない雰囲気の音を作り出すこともできたし」(フクダ)
『ざわめき』(felicity)
これまで表現してきた彼らの特色を生かしながらも、3人の呼吸がダイレクトに伝わり、心を「ザワザワ」させる楽曲ばかりが収録されている本作。だが歌詞に関しては、彼らのリアルというよりも、誰かの喜怒哀楽を遠くから眺めているストーリーテラーのような視点で描かれたものが目立つ印象だ。
「今までは、日記のように感覚的に歌詞をつづることが多かったのですが、本作ではそれだけじゃなく、もうちょっと『誰かに届く』ことを考えて制作した部分はありますね。これからは、言葉としても『面白い』と感じていただけるものを残していけたら」(塩塚)
羊文学 PROFILE
2012年に結成。18年にリリースされた初アルバム『若者たちへ』で話題を呼ぶ。1月に開催したワンマンツアーは全公演チケットが完売するほどの人気に。春からは多数のイベントやフェスに登場予定。
公式サイト/『ざわめき』配信サイト
Photo:Kenta Sawada Text:Takahisa Matsunaga
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