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原作ともに人気を誇る映画「スマホを落としただけなのに 〜最終章〜 ファイナル ハッキング ゲーム」が11月1日に公開する。連続殺人鬼で天才的ブラックハッカーの主人公、浦野を演じる成田凌と、彼を監視する謎の組織のエージェント、スミンを演じるクォン・ウンビの対談が実現! それぞれの国の言語や文化が交差する撮影現場での思い出や撮影秘話について、日韓を代表する人気者の二人にインタビュー!
体の内側から出てくる惹かれる思いを
丁寧に表現したかった
──共演してみて、相手の印象はいかがでしたか?
成田 ウンビさんは初めての映画出演で、しかも日本の映画で日本語を使ってお芝居をするというとんでもないことをしていました。大変なことが多いはずなのに、現場では自分が太陽になっていい雰囲気にして、引っ張っていく姿を見ていて、単純にすごいなと。あと、体力もとてつもなくて。本当に忙しいのに、いつも元気でしたね。
ウンビ (日本語で)ありがとうございます。
成田 どういたしまして(笑)。
ウンビ 成田さんは一見クールでまさにカリスマという雰囲気を醸し出しているんですが、実際は心がすごく温かい優しい人なんです。最初に共演する成田さんのことを検索して写真だけを見たときは、「クールな人っぽいな。親しくなれるかな」と心配していたけど、いざ会話をしてみたら、すぐに私に心を開いてくださっているのがわかって、私からも率先してコミュニケーションを取ることができました。
──現場で思い出に残っている出来事を教えてください。
成田 ウンビさんは日本語を勉強しながら撮影していたので、僕も現場の士気を高めるための日本語を教えていて。撮影時間が押してきたら、ウンビさんに「やるよー」って言ってもらったり(笑)。そうすると少し張りつめていた現場の空気も一気に和らぐんですよね。
ウンビ 私の思い出に残っているのは、自分のMBTI(性格診断)が成田さんと同じENFPだったことです。撮影期間で拝見した成田さんは、私より静かで落ち着いている方なので、同じ結果だと思っていなかったので驚きました。一人でいるときはどんな性格かわかりませんが…(笑)。
成田 最近よくMBTIの診断結果を聞かれるじゃないですか。忘れるとウンビさんの結果を調べて答えています(笑)。
──お互い似ていると感じたことは?
成田 似てると思ったことはないけど…。
ウンビ 二人とも外見が美しいところが似てるかな…(笑)。
成田 うん、そうだよね(笑)。あと、力を合わせて現場を前に進めようという気持ちは同じでした。一つのシーンで2通り撮影をして、中田監督に「どっち(のシーン)にする?」と二択の質問をされるんですけど、よく同じ方を選んでいて。作品づくりにおいて、同じ方向を見ている人だなと思っていましたね。
──今作で人気シリーズがついに最終章を迎えます。撮影に臨んだときの意気込みを教えてください。
成田 今作では浦野が主人公になるんですけど、彼がどんな人間であれ、どういうものを抱えているかを捉えて、どんなことをしても観ている方に不思議に思われない物語にしたいと考えていました。中田監督と話していて、浦野から人間味が出過ぎても見どころが薄れてしまうので、グッとテンションを上げられるところ、ギアを入れられるところはやっていこうと。どこか浦野の人間性、人間味を出せたらいいなと思いながらも、それが出過ぎると役として破綻してしまうので、人間味をナシにするくらい狂気の部分も出したほうがいいかなと、バランスは考えていました。
──人間味と狂気のバランス、難しそうです。
成田 観ているお客さんはもちろん、近くにいるウンビさん演じるスミンにも浦野の恐ろしさを感じられないといけないから、“彼は危険である”ということを表すんですけど、それって細かい部分で見せるしかないんです。例えば、目線の動きひとつで浦野の見え方も彼が放つ緊張感も変わる。そうやって、いつどこを切り取っても浦野が出るように真摯にお芝居をするよう心がけてましたね。シーンによっては、浦野があまり映らないだろうなと思っても、「監督、ここ撮ってほしいな」と心の中でお願いしたり(笑)。ウンビさんは出演が決まったとき、どんなこと思ったの?
ウンビ キャスティングが決まったときは、心配が半分、ワクワクが半分でした。お芝居が初めてということもありますし、とても有名な作品に合流するので、ちゃんと役をまっとうできるのかなと自分に対して疑問があって。だけど同時に、絶対スミンという役をやり遂げたいと思いました。
──シリーズのキーマンである浦野に肉薄する重要な人物、スミンを演じていますが、役づくりで準備したことは?
ウンビ これまでのシリーズで浦野は、女性に対して歪んだ愛、というか執着を見せていましたが、この最終章ではスミンにまた別の感情を抱くことになります。その感情が現れなければ、ストーリーが通らないので、役として浦野の心を何が何でも掴まなければいけないと覚悟を決めました。情熱と真心をもってスミンを演じることができたと思います。
成田 浦野もスミンも、そしてたぶん加賀谷(千葉雄大が演じる、浦野を追いかける刑事)も共通点があるんですよね。愛情という意味ではなく、そこにそれぞれ惹かれる部分があったのかもしれない。その惹かれる気持ちって、相手が引っ張り出せるものじゃなくて、その人の内側から出てしまうものなので、そのお芝居はすごく丁寧に演じたいと思っていました。
観る者によって沸き起こる
感情が変わる衝撃的なラストに注目
──相手がウンビさんだから、相手が成田さんだからつくれた現場の雰囲気や人物像はありましたか?
成田 初めてのお芝居だと、「こんな感じかな?」ってこなしちゃうこともあるかもしれないけど、すごくピュアに、自分に嘘をつくことなくまっすぐ演技に挑んでいることが、ウンビさんから伝わってきたんです。そもそも作品への理解が深いというのもあると思うけど。そういうピュアな存在を目の前にすると、相手の心持ちって変わりますよね。浦野も同じ。まっすぐなものに触れることで、どんな人も心が揺れ動くんじゃないかな。そもそも表面的な言動は浦野に見透かされてしまうと思う。ウンビさんの純粋さがスミンという役を通して、浦野に届いた。二人の関係が気になりますよね(笑)。
ウンビ 成田さんは、私のことをたくさん気遣ってくださいました。浦野という役はすごく重たく、難しいキャラクターなので入り込むのが難しいと思うんです。浦野の感情に一度入ったら、撮影がないときや休憩の時間でもそのままキープするほうが楽だし演じやすいはずなのに、私に合わせてオン・オフを切り替えてアドバイスをしてくれたり、会話をしたり寄り添ってくれていたんです。だからこそ、私はスミンという役に自然にアプローチできました。
成田 僕は楽しく過ごしていただけですから(笑)。
ウンビ 申し訳ないと思いながら、成田さんの気遣いに本当に感謝しています。そのおかげで早く親しくなれた。(日本語で)ありがとう!
──劇中では、お互い母国語より韓国語、日本語のセリフが多いと感じました。それぞれどのようにして覚えたんですか?
成田 ウンビさんは、日本語をどうやって勉強してたの?
ウンビ 私は3人の先生に日本語を習っていたんです。一人は日本語の発音を、もう一人は日本語を使った演技を、最後の一人は日本語と共に日本人の感性を教えてくださっていました。お芝居のために日本語の発音を最大限学んでから現場に入ったのですが、日本語を学ぶにはあまり時間を取ることができなかったのでとても難しかったです。
成田 本当にすごい。僕は丸暗記一択でした。セリフも発音も丸ごと。基本的にウンビさんの通訳をされていた女性が韓国語を教えてくださって。ただ、男性と女性で発音がちょっと変わってくるというので、必要なところは男性の方が教えてくださっていましたね。
──お互いに、成田さんの韓国語とウンビさんの日本語のセリフを聞いていかがでしたか?
ウンビ 成田さんの韓国語がとても自然だったので驚きました。韓国語はパッチムという特殊な発音があるのでするのがすごく難しいんですね。ナチュラルな韓国語に聞こえるように話すには、繰り返し練習をしないとできないと思うので、一生懸命韓国語に取り組んでくださったんだとうれしかったです。たくさん練習したんですか?
成田 そんなには…(笑)、
ウンビ 天才なんじゃないですか?(笑)
成田 (笑)。先生が丁寧に教えてくださったんです。たくさん褒めて伸ばしてくれました(笑)。ウンビさんの日本語は、劇中で聞いてもらった通り、本当にすばらしいです。お芝居しながら話すのは難しいはずなのに。イントネーションが違うと意味が変わる言葉もたくさんあるけど、どの言葉も最初から違和感はまったくなくて完璧でした。丁寧に日本語と向き合っていたんだと思います。
ウンビ 日本語を話す上で、いま成田さんがおっしゃったような部分をすごく心配していました。発音やイントネーションが変わると意味が違って聞こえてしまう場合もあるので、成田さんをはじめ共演者のみなさんがきちんとセリフを受け入れられないとやりづらいだろうなと思ったので、発音はすごく気をつけました。もちろんみなさんも、私の日本語のセリフを理解しようと努めてくださって、役が持つ感情を受け取ってくださったので、私も自然に演じることができたと思っています。
──今作で初めて経験したお芝居は今後の活動に生きると思いますか?
ウンビ この作品に出演できたこと、そして初めて演技ができたことは、私にとってすごく大きな意味を持っています。基本的に日本に一人で来て、一人で全部やらなきゃいけなかったので、撮影に入る前は、「ちゃんとできるかな」とすごく頭を悩ませていたんです。そして撮影が終わったときに、今回お芝居に挑戦したように、これからも新しいことになんでもチャレンジできるのではないのかと大きな勇気を持つことができました。あと、この映画のおかげで、日本語の勉強を継続して行うことができるようになりました!
成田 すてきですね。そう思ってもらえるなんて、共演者としてうれしいな。
──撮影外でどんなことを話しましたか?
成田 日本で撮影をしているときに、「どんな食べ物が好きなの?」とか。すき焼きが好きなんだよね。他にも日本食を食べたんでしょ?
ウンビ すき焼き好きです! 一度撮影の後にラーメンを食べたんですけど、ほんのちょっと寝て起きたら、顔がむくんでたんです…。前のシーンと同じ顔じゃなきゃダメなんて知らなかったから(笑)、撮影中はラーメン食べることができませんでした…。それですき焼きを選んだんです。でも、少しだけむくんじゃったけど(笑)。
成田 あはは、初めての撮影だとわからないよね(笑)。
──お二人が考える今作の見どころを教えてください。
成田 一瞬も目を離せないくらい、見どころだらけではあるんですけど…ウンビさんが出ているシーン自体が見どころですよね。初演技、すばらしいです。あと、ラストは衝撃です。衝撃的すぎて、笑っちゃいましたもん。物語としての終わり方が完璧。このラストは、永遠に映画史に残るんじゃないかと思っています。自分は映画が好きだという方は、絶対観ないといけない作品です。見逃さないでください。
ウンビ 今回新たにスミンという女性が登場し、浦野と新たな関係を築いていくところがポイントです。シーズンを通して、それぞれ別の浦野の姿を見ることができるけど、最終章では浦野の心の変化がいちばんよく描かれていると思います。また成田さんがおっしゃったように、本当にラストが最高です。見方によってハッピーにも悲しくも感じるエンディングです。最後まで楽しんでくださいね。
成田凌|RYO NARITA
1993年11月22日生まれ、埼玉県出身。2013年よりメンズノンノモデルに参加し、21年に卒業。14年に俳優デビューを果たし、数々の話題作に出演する。近年出演した作品は、ドラマ『降り積もれ孤独な死よ』、『1122 いいふうふ』(Amazon Prime Videoで配信中)や、映画『くれなずめ』、『ニワトリ☆フェニックス』、など。11月28日よりAmazon Prime Videoで放送開始、そして12月20日に映画が公開する『【推しの子】』に、雨宮吾郎役で出演。また、11月29日に公開する主演映画『雨の中の慾情』が控えている。
公式Instagram:https://www.instagram.com/ryonarita/
クォン・ウンビ|KWON EUNBI
1995年9月27日生まれ、韓国・ソウル特別市出身。2018年に日韓合同グループ「IZ*ONE」のメンバーとしてデビュー。21年にグループの活動の終了に伴い、ソロアーティストとして活動。同年、ファースト・ミニアルバム『OPEN』をリリースする。日本をはじめ、アジアを中心にライヴやイベント、ファンミーティングを開催し、世界中から人気を集めている。
日本公式サイト:https://rubi-japan.com/
Instagram : https://www.instagram.com/official_kwon.eunbi/
X:https://x.com/KWONEUNBI_JP
『スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム』
監督:中田秀夫 脚本:大石哲也
出演:成田 凌、クォン・ウンビ、千葉雄大 ほか
https://sumaho-movie.jp/
長い黒髪の女性ばかりを狙った、連続殺人事件。被害者は落としたスマホから個人情報を奪われ、家族や恋人だけでなく、最後は命まで奪われてしまう。人の心を操る天才的ブラックハッカーでもある連続殺人鬼の浦野(成田凌)は、事件を追っていた刑事の加賀谷(千葉雄大)に一度は捕まったものの、刑務所内からサイバー攻撃を計画して、警察内の混乱に乗じて姿を消してしまった。平穏な日々が続く中、突如として日本政府に、大規模なサイバーテロ攻撃が再び仕掛けられる。発信元は、韓国・ソウル。時を同じくして、ソウルには生き延びた浦野と、彼を監視するミステリアスなエージェント・スミン(クォン・ウンビ)がいた…。日本と韓国を舞台に、スマホを持つ者すべてがターゲットとなる<ファイナル ハッキング ゲーム>がいま始まる。
【成田さん着用】
シャツ¥15,400/ダン リバー(セル ストア) その他:スタイリスト私物
問い合わせ先
・セル ストア
東京都渋谷区恵比寿1-18-15 シーダモントビル1F
03-6459-3932
Model:Ryo Narita Kwon Eunbi Photos:Teppei Hoshida Hair & Make-up:Ai Miyamoto[Yoshine.](for Mr.Narita) Hair:Choi Hyeji(for Ms.Eunbi) Make-up:Jang Ayong(for Ms.Eunbi) Stylist:Shogo Ito[sitor](for Mr.Narita) Lee Hyejin(for Ms.Eunbi) Interview & Text:Hisamoto Chikaraishi[S/T/D/Y]
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