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年度末にアートはどう?「シャネル・ネクサス・ホール」で、感性を刺激する世界的フォトグラファー、ホイニンゲン=ヒューンの写真展

年度末にアートはどう?「シャネル・ネクサス・ホール」で、感性を刺激する世界的フォトグラファー、ホイニンゲン=ヒューンの写真展

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Master of Elegant Simplicity:
ジョージ ホイニンゲン=ヒューン
写真展

写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューンの作品「Divers, Swimwear by Izod」

Divers, Swimwear by Izod, 1930
©The George Hoyningen-Huene Estate Archives

年度末といえば心機一転、自分の中に新しい息吹を落とし込みたくなる人も多いのではないだろうか。そんな今の気分にオススメしたい期間限定のアート展がある。2月7日(水)〜3月31日(日)まで「シャネル・ネクサス・ホール」で開催される「Master of Elegant Simplicity:ジョージ ホイニンゲン=ヒューン写真展」だ。


ジョージ ホイニンゲン=ヒューン
日本で初めて約65点の大規模な展示

写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューンが撮影したガブリエル・シャネルのポートレート

Gabrielle Chanel, 1939
©The George Hoyningen-Huene Estate Archives

本展では、フォトグラファーのホイニンゲン=ヒューンが撮影した代表的なファッション写真に加え、ガブリエル シャネルとの交流を物語る作品や、著名人のポートレート、旅先での風景を収めた貴重な作品など約65点を展示。感性をくすぐられる作品ばかりで、見ごたえたっぷりな内容になっている。

ジョージ ホイニンゲン=ヒューン
〜輝かしい経歴〜

写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューンの作品「White piqué hat by CHANEL」

White piqué hat by CHANEL, white bag 
by Schiaparelli, 1936
©The George Hoyningen-Huene Estate Archives

フォトグラファーのジョージ ホイニンゲン=ヒューンは、1900年ロシア・サンクトペテルブルクに生まれる。雑誌『ヴォーグ』や『ヴァニティ フェア』、さらに『ハーパーズ バザー』など数々のファッション誌やポートレートで世界的に活躍した。1968年に逝去した後も、彼の作品はゲッティ美術館、ニューヨーク近代美術館、ポンピドゥー・センターなど、世界有数のコレクションに収蔵され、時を超えて人々から愛され続けている。


ジョージ ホイニンゲン=ヒューン
〜パリへの道〜

写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューンの作品「Black & White Swimsuit by Patou」

Black & White Swimsuit by Patou, 1929
©The George Hoyningen-Huene Estate Archives

ジョージ ホイニンゲン=ヒューンは、10代の多感な時期にロシア革命の影響で故郷・ロシアを追われてロンドン郊外に移り住み、その後はイギリス海外派遣軍の通訳としてイギリスからロシア南部に派遣されていた。

そんな中、1921年に意を決してパリに移り住むことを決意。キュビズムの画家アンドレ ロートから教えを受けて、姉のベティがパリで開いたファッションメゾンのためのスケッチを描いていたところを、雑誌『ヴォーグ』がその才能に目をつけ、写真撮影用の背景やセットの制作に携わるようになる。やがて1926年頃には、フォトグラファーとして活動するようになり、たちまち『ヴォーグ パリ』のチーフフォトグラファーに抜擢された。

ガブリエル シャネルとの
“運命的な出会い”

写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューンの作品「Toto Koopman, Evening dress by Augustabernard」

Toto Koopman, Evening dress by Augustabernard, 1934
©The George Hoyningen-Huene Estate Archives

1920年代初頭、ガブリエル シャネルとジョージ ホイニンゲン=ヒューンはパリで運命的な出会いを果たすことになる。その時代はさまざまな分野のクリエイティビティが花開いた時代で、芸術とファッションの中心地であったパリには、世界中から多くの才能あふれる人々が集まっていた。


人々の心をとらえて離さない、
彼の写真が魅力的な理由

写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューンの作品「Horst Torso」

Horst Torso, 1931
©The George Hoyningen-Huene Estate Archives

ジョージ ホイニンゲン=ヒューンが丁寧に作り上げる写真は、シックなモノクロームのスーツからリラックスしたビーチウェア、豪華なイヴニングドレスまで、シャネルのデザインの美しさやその輝きを余すところなく捉える。それは、スタジオの照明を巧みに操る彼ならではの革新的かつ実験的な手法であり、アールデコ、新古典主義、バロック様式などのさまざまな要素を取り入れつつ、ドラマチックに仕上げている。

彼はクチュールの写真に、躍動感と自然なたたずまいを封入した最初のフォトグラファーのひとり。「モデルは女性であり、石膏像ではない」とコメントしていたように、どのモデルにもひとりの人間として向き合っていたことが伺える。

ガブリエル シャネルとの
“深い親交と敬愛”

写真家ジョージ・ホイニンゲン=ヒューンの作品「Lee Miller, Sailcloth Overalls by Yrande」

Lee Miller, Sailcloth Overalls by Yrande, 1930
©The George Hoyningen-Huene Estate Archives

雑誌『ヴォーグ』を離れ、雑誌『ハーパーズ バザー』で働くようになってからも、彼はシャネルのルックを撮り続けた。また、ファッションの領域を超えて、ハリウッドスターのポートレートや世界各地のすばらしい風景を捉えた写真集も5冊ほど制作。彼が撮影するポートレートは、華美に飾り立てることがなく、冒険を愛する気持ちと、人を愛するヒューマニズム精神を多分に物語っている。

ホイニンゲン=ヒューンはガブリエル シャネルをこう評する。「現代女性のニーズと好みを深く理解した聡明な女性」と。本展は、20世紀のダイナミックで美しい芸術を作り上げた2人をたたえる、とても素敵な写真展なのだ。

Master of Elegant Simplicity:ジョージ ホイニンゲン=ヒューン写真展


 会期:2月7日(水)〜3月31日(日)

開館時間:11:00ー19:00(最終入場18:30)
※入場無料・会期中無休・予約不要

会場:シャネル・ネクサス・ホール

住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F

問い合わせ先

シャネル・ネクサス・ホール事務局
TEL:03-6386-3071
https://nexushall.chanel.com/program/2024/ghh/

Text by Sayaka Ogawa

小川さやか

小川さやか

エディター

エディター・ライター。ファッションやビューティのニュースを担当。

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