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中島裕翔発信!
「1枚の写真ができるまで」
写真を筆頭にクリエイティブへの熱量が高く、また、制作に携わるスタッフ、クリエイター陣との関わりを大切にする中島裕翔。Instagramを始めたことで、これまで知られてきたモデルとしてのスキルだけではなく、作り手の視点もさらに開花。どんな写真を、どんなふうに撮りたいと思っているのか、どんなアイデアがあるのか…中島裕翔の頭の中をのぞける、制作のバックステージを公開! 今回彼から出たアイデアは“日常にあふれるシチュエーションなのに、映画のワンシーンのようなムードの写真を撮りたい”ということで、ダイナーが舞台に。“見たことのない表情をお見せしたい”と選ばれた1枚からスタート!
アイデア出し
「普段から写真集や雑誌、ピンタレストを見て“これいいな”と思ったらストックしておくこともあるけど、最近は映画を観て気になったライティングを調べたり、シネマトグラファー(映像の撮影監督/技師)のYouTubeで、撮影のさまざまなセッティングまで調べるという、マニアックなことも(笑)。こんなことがやりたいです、という資料をメンズノンノ編集部に提出して、そこからできることを精査していきます(裕翔)」※写真の書籍は、撮影現場にカメラマンが資料として持ってきたもの
打ち合わせ
「“次の撮影、どんな感じにしようか”というのは、別の撮影の終わりにちょっとずつ編集部やスタッフの人たちと相談したり、お互いに資料を送り合ったりして詰めていきます。あらたまって会議室とかに集まって打ち合わせて決め込んじゃうというよりは、こうだよね、ああだよねって話す中でできあがっていく感じ。長年ご一緒している人たちなので、僕が好きな感じをわかってくれているというのもあり、ある程度当日のライヴ感も大事にしています(裕翔)」
セッティング
「これに関しては、僕以上にスタッフの皆さんのこだわりとプロ意識がすごいですね。今回は『ダイナー』がテーマだったけど、実際に営業している店舗でやるといろいろと制約があるので、スタジオにそのシチュエーションを再現。でも、テーブルひとつでしっかりダイナーになっているし、言われなきゃスタジオってわからないよね。スタイリストさんが、メニュー表をラミネート加工したものを手作りしてきたり、めちゃくちゃ芸が細かい…(裕翔)」
コーディネートチェック
「僕のリクエストしたシチュエーションをもとに、編集部とスタイリストさんで先にコーディネートチェックをした衣装候補がいくつか用意されているので、そこからどれを着るかを相談します。アイテムの説明を聞いたり、フィッティングをしながら最終的に自分で決めました。純粋に好みの色や質感、形も大事だけど、コンセプトとなる人物像に合っているかも考えます(裕翔)」
画角&ライティング決め
「撮影現場に持参したのは、ソニーの『α 7R V(ファイブ)』。今けっこう持ち歩いていて、ライヴでメンバーを撮影したりもしていました。撮影現場を一度自分でもレンズを通して見てみると、“こういう光なんだ”“こんなふうに切り取られるんだ”というのがわかって面白い。今回の記事のインサートにも使えるかなと思って、スタジオの中をいろいろ撮ってみました(裕翔)」
「ライティングは自分でできないから、プロのカメラマンのつくる世界とは違うけど、撮影の合間に自分のフィルターを通して現場の写真を撮るのは、けっこう好きです(裕翔)」
ヘアメイク
「この撮影のために、あえて無精ひげを少し伸ばしてきたんです。ちょっと粗野なムードとか、“撮影です”って感じじゃないナチュラルさを出したくて。普段あまりないから、すごくいい感じだとスタッフさんにも好評でうれしかったですね。それに合わせて今回はメイクも薄めで、スキンケアだけしっかりやってもらいました。前髪は上げるかどうかとか、ざっくりした要望を伝えたら、細かいニュアンスはヘアメイクさんにお任せです(裕翔)」
撮影後、写真選び&インタビュー
「もう写真選びばっかりはね、本当に毎回悩みまくります。同時に、けっこうストイックな選び方をするとも言われるので、最初からカットを落としすぎないように気をつけているのと、いろんなバリエーションがちゃんと残るか、意識するようになりました。メンズノンノの記事に使う1枚を決めるところと、インスタ用の候補をある程度絞るところまではスタッフみんなとやっていますが、莫大なカットを前に、イチからひとりで選ぶのは絶対無理(笑)。そこは素人だから、アドバイスをいただきつつセレクトしていますね。でもその先、自分のInstagramにどうやってアップしていくかは僕次第…! 頑張ります(笑)。インタビューはこのあとにたっぷり続くので、そちらもぜひ読んでください(裕翔)」
中島裕翔が今、撮影したいこと
――今日は、裕翔くんの提案したコンセプトをもとに、シチュエーションや人物像にもこだわって、どこか物語を感じるような写真をめざして撮影をしました。実際に撮影を終えてみて、どうでしたか。
「スチールなんだけど、役を演じるみたいな感覚で撮影がしたかったので、すごく面白かった。世界観も追求できたし、想像していたものの何十倍ものできと、撮れ高と、濃いクリエイティブの時間でしたねぇ」
――メンズノンノの3月号(2024年2月8日発売)で、俳優の一ノ瀬ワタルさんと裕翔くんに“俳優談議”をしてもらう企画があります。ちょっと面白い試みとして、とある役をおふたりに演じてもらい、誌上シネマのような世界観をつくる、ということをやってみました。そちらもぜひ皆さんに楽しみにしていてほしいですが、今日の撮影も少しそういうアプローチに近かった感じがしました。
「そうですね! コンセプトと被写体のキャラクターを決めて、写真が映画のワンシーンを切り取ったみたいな雰囲気の撮影ができたらいいなと思っていて。それは前回の僕のInstagramとのコラボ企画からずっと取り組んでいたし、おっしゃるとおりワタたん(一ノ瀬ワタル)との撮影でもそうだったけど、そういったアプローチによる撮影が、どんどん回を重ねるごとにより精度高くアウトプットされていっている気がします。僕自身も集中して表現できているなっていう感じがして、すごく心地いいですね」
――いつものメンズノンノのファッションやビューティのページであったり、インタビューページのポートレートであったりとは、ひと味違う面白さがある?
「うん。毎月のメンズノンノをはじめとする雑誌の撮影って、基本的には“何を紹介するのか”っていう目的があることが大半で、それを遂行する面白さがあるけど、より写真に対しての物語、テーマ性をしっかり持ってコンセプチュアルに撮るっていうのは、僕の他のフィールドでの経験も生きて面白いし、うまく表現できたなとハマる瞬間は、本当に楽しいですね」
――モデルの仕事と俳優の仕事のハイブリッドな感じが、裕翔くんならではという感じだね。
「うれしいっすね! 僕ならではのことや、自分にしかできないことは何かっていうのは、Instagramを始めるときから考えていたことだから。すごく不思議なのが、“映画のワンシーンみたく”とは言いつつも、じゃあ本当に場面写真なのかと言われるとそうではなくて、ファッション誌の人たちと作った感じはちゃんと出るんだよね。色が出るっていうのかな。そこが興味深いし、自分とメンズノンノのチームならではっていう感じでいいですよね」
撮影したかったシチュエーション
――まずは1枚、この記事の冒頭で完成カットを公開しましたが、撮影のコンセプト立てからセレクトまで、すべて裕翔くん発信です! 本業がいわゆるクリエイターではないということを忘れてしまうほど、画づくりへのこだわりがすごかった。
「実はInstagramを始めるにあたって、こんな僕を見せたいなっていうアイデアとして、“ダイナーで撮りたい”っていうのは、本当に初期の初期から出ていたシチュエーションでしたよね」
――そうだったね。裕翔くんが去年、一番初めに編集部に送ってくれたリファレンスの中に、“ダイナーでこんな撮影がしたい”っていうネタ出しと、参考画像が入っていた。スケジュールや段取りの都合上、そのときはまたの機会に…となったコンセプトが、満を持して今回登場しました!
「これをやってみたかった理由としては、“バッチリきめて撮る以外の自分の写真も見たい”っていうところが大きいかもしれないですね。もちろん撮影としてセッティングしているわけだし、プライベートでもないんだけど、その中でふと被写体の日常みたいなものが写真に“出てしまう”感じの作品って、自分の中でかなりグッとくるっていうか。“えっ、この瞬間どうやって撮ったんだよ”みたいなものにすごく惹かれるんですよね。それで、ダイナーとかカフェとか、自然に日常の中に組み込まれているようなシチュエーションで、メンズノンノのチームと一緒に自分を撮ってみたかった。ハンバーガーを食べるっていう行為自体は普段もやるけど、本来はわざわざ読者の皆さんにお見せするものではないし(笑)」
――たしかに、ダイナーで裕翔くんを撮るっていうのは、純粋にロケ場所として使うか、グルメ特集でもない限りこちらも提案しないかも。
「そうそう! ですよね。だから僕自身、写真をセレクトしていて、自然な表情の中に見たこともない表情があるな、という驚きが詰め込まれていた気がしてうれしかったんですよ。よくも悪くも、“ハンバーガーを持たせたらこういう写真になるよね”っていう、ある程度予想のつく仕上がりにしか今まではならなかったけど、でもこういうのもありだっていうのをお見せできたのが、今回すごく新しかったなと思います。食べ方も自分なりにいろいろ考えて…普段はもっときれいに食べるけど(笑)、ものを食べる見せ方ひとつとっても、自分の中でこういうキャラクターも引き出せるんだっていうのが勉強になった。うん、ちょっといつもとひと味違うハンバーガーになったんじゃないでしょうか(笑)」
セッティングへのこだわり
――ダイナーとひと言で言ってもいろんなテイストがあるけど、シチュエーションづくりも精度が高かった。愛用しているカメラを持参して、裕翔くん自身もファインダーをのぞいたりしていたよね。実際どんなふうに写るか自分でも撮ってみて、密かに画角や光をチェックしていたりとか。
「そうですね。“あー、こんなふうに写るのかぁ”とか、“プロップ(小道具)はこんな感じで見えるのか”って。世界観としてはまずレトロな感じにしたかったし、なんか僕的に、楽しいランチタイムっていう感じのダイナーではないよねという相談はしていて(笑)。いろいろ突き詰めていくうち、撮影現場で “ちょっと不穏さがあってもいいかも”という話が出て、なんだかそれがすごく腑に落ちました」
――小洒落たアメリカンダイナー&ポップなキャラクターというよりは、お尋ね者の常連が、店の奥にある別の部屋で食べている…みたいな、マフィア映画とか、西部劇的な世界観だよね。
「まさに。でもあからさまに柄が悪い感じじゃなくて、ギンガムチェックのクロスとか、調味料のポップさとか、可愛い要素もあるのに、その中に“ちょっとにじみ出ちゃってる不気味さ”みたいなものがあるところが面白かった。でもそうなると今度は、「時間は夜か、西日かじゃない? ていうか、日の当たらない部屋じゃない?」って、ライティングが気になっちゃって気になっちゃって(笑)。撮影場所の横にあった窓から少し光が差し込んでいたんだけど、1mmも光を漏らすまいって感じで、現場のスタッフ全員で窓のすべてに黒布をテープで貼っていた光景がすごかった(笑)。でもすごくその気持ちがわかるし、本来はこのくらい、いろいろこだわって写真って撮るべきだよなぁって、改めて実感しましたね。やっぱり思うんだけど、こうやってちょっとしたことひとつとっても、見たことのないものを完成度高くつくっていきたいなってなるのは、クリエイティブな仕事をする人たちの常なのかなって。だからそういう意味でも、いい挑戦ができたのではないかとしみじみ思いました」
カメラマンとの呼吸の合わせ方
――自身も光や画角を大切にしたという話をしてくれましたが、実際にシャッターを切るのはカメラマンだよね。
「そうですね。ディレクションする面白さがある一方で、やっぱり僕はモデルではありますし、自分でも予想していなかった仕上がりにワクワクしたいので、撮影自体は信頼してチームにお任せしています」
――雑誌撮影でのカメラマンは企画によって基本的には毎回代わるけど、撮られる側としてはいつもどうやって呼吸を合わせているの?
「ガッツリと、“僕はこういうのが撮りたいんです”っていうカメラマンの方もいらっしゃるじゃないですか。そういう撮影のスタンスを持つ人に対しては、僕はもう合わせるしかない。求められていることにプロとして応えるっていうことに徹するかな。それはそれでよさがありますしね。でも今回みたいに、自分発信の部分や僕の世界観が重要になってくる撮影では、柔軟なスタンスの人とご一緒できたら、“あっ、これがいい!”という、その瞬間の閃きを逃さず、ライヴ感を大事に突き詰めていけていいなと思いますね。レンズ越しにお互いが“こうするよね、ここ撮るよね、こうした方がいいかな”とか、言葉がないけれど、ちゃんと通じている感じが心地いいんですよ。周りのスタッフさんもみんな、それによってノってくるのがわかるし、現場全体の温度が上がりますよね」
――セッションのような、野球のバッテリーのような…。
「あとは餅つき的な(笑)。そういうカメラマンさんに対しては、顔の向きとか光の感じ方とか、どこから撮るかっていうのが、自然となんだかわかる気がするんですよ。撮られている間も、“こうしたほうがいいですか”って僕が聞く前に、その場でトントンと、呼吸を読み合うみたいに進んでいく」
マニアックすぎる!? カメラの知識
――それはやっぱり、自身も写真を撮るからっていうのも関係しているのかな。撮られている間も、カメラマンと撮り手同士みたいな会話をしていて楽しそうだなって思って見ていました。
「うん、撮影の知識をつけておいてよかったなということは、すごく思っていますよ!」
――“裕翔くん、今シャッター1/4だから!”“手持ちでそれすごいっすね!”“普段は1/60以下は手持ちしないよ〜”“ですよね、了解です!”みたいな感じで(笑)。普通モデルにそういう言い方はあまりしないよ。“今スローシャッターだから、ゆっくり動いてね”くらいかな。それを言ってわかると思われているのがすごい(笑)。
「あはは! “今スローシャッターです”って言われると、だいたいの人は“あ、はい動かないっす”ってなっちゃうと思うんですよね。でも“何分の何か”っていうようなことを言ってもらえたら、僕の場合は“あ、だったら顔はなるべく止めるけど、他の部分のブレは入れても面白い表現ができるよね。手先だけあえて動かしてみようかな”と判断ができる。それはカメラをやっているからだと思いますし、知っているといないとじゃ、だいぶ表現の可能性という点で違ってくるんじゃないですかね。だから今日みたく、僕に対等に話してくれる、ある意味マニアックなカメラマンさんと撮影をすると、めちゃくちゃ勉強になるし、僕自身ものびのび表現できるんですよ。それに僕、自分が思い描いているものを作りたい気持ちはあるけど、今回のような機会をもらって、すばらしいチームを用意してもらって、こうやって撮れることに恐縮しがちなところがあって。だから自分の中で“もうちょっとこうしたいな”っていうのを会話とか、画を見ながらとか、一緒の目線でみんなと作る中で、自然と自分の入れたいものを入れられるという状況が心地いいです。場所を変えて試行錯誤しつつ他にも撮ってみたりもしましたが、どれも好きでしたね」
アザーカットはInstagramで!
――後日、裕翔くんのInstagram(@iam_yuto_nakajima)でアザーカットが公開されるので、それも楽しみです。この記事では撮影秘話を読んでもらい、実際の写真は裕翔くんの投稿を見て答え合わせしてもらう楽しさがあるかなと思います。ネタバレしない程度に言うと、他にも衣装を2つチェンジしていて、同じ場所の同じ人物なのに、時間によって見せる顔が変わる、みたいな試みをしましたね」
「そうそう、全部見てもらうと、最終的にあるストーリーでつながっているのがわかると思うので、そこも想像しつつ楽しんでもらいたいですね」
楽しくも苦しい? エディット作業
――とはいえ、それがまた大変な作業だよね。面白いと言いつつも(笑)。
「いやー、Instagramを始めてみて、難しさがよくわかった! すごいっすね、エディットするって! もう弟子入りしている気分ですよ(笑)」
――(笑)。いつもの雑誌撮影だと裕翔くんは、撮影が終わったらもうあとは本になったもので完成を見るっていう感じだと思うけど、今回は写真のセレクトや、構成を考えること、キャプションを書くという作業が残っていますね。
「撮影がうまくいったとしても、それをこのあとどう自分のフィルターを通して世に出していくのかっていうことが悩ましい。表現したいことを写真で語るために、組み合わせとか枚数、順番を、けっこうシビアに考える必要があるなと思っています。ていうか、撮ったときにいいと思っていたものと、実際に仕上がりを並べて見てみていいと思うものって、また変わりますよね。撮影時の現場の熱と、改めて見たときとの違い…あれ何なんですか?(笑)」
――ははは。でも裕翔くん、かなり楽しそうだよ(笑)。
「まぁねー(笑)。作業している最中はもう悩みに悩みまくってるけど、結局自分はこういうことが好きなんだなと思う(笑)。いつも“どうしよう、これかな? あーやっぱ違うな”っていうトライアンドエラーがあって、並べてみてやっぱり変えるか…みたいな感じでずっとやっています。どれが正解か本当にわからないし、そもそも正解がないんだよね。だからこそ、“これを表現したいんだ”っていうのを自分の中に一個しっかり持っておかないと、ぶれっぶれになるんだろうなって。エディットの苦労みたいなものが、すごくわかった気がします。だから今日も撮られながらちょっとだけ“あ、今のカットはどこかに挟むといいかもな”なんて考えたりもしたんで、自分自身の視点に少し変化が生まれているなと感じました。精進します!」
「見せ方」へのこだわり
――裕翔くんのInstagramの楽しみといえば、ストーリーズが毎回凝っている点もあるかと思います。
「あはは! わかります? いや楽しいですよ。だから普段からInstagramのテクニックみたいなのをアップしている海外の人のアカウントなんかを、ちょこちょこ見て保存していますね。“なるほどな…うわっ! こんなやり方あんの!?”って! で、その中で自分がけっこう使うテクニックのおきまりのパターンみたいなものが出てきて、困ったらよくそれを使ったりしています(笑)。新しいテクニックや機能を見つけるのも面白いですよね。やっぱり僕の気質的に、始めるとどんどんやりたくなって深掘りしていってしまう。だから自分の中でもすごく楽しいですね」
発表の場を持つということ
――自分のInstagramを始めるまでは、写真の公開も含め、そういう見せ方はあんまりやってこなかったんだよね?
「うん、ないですね。たまにメンバーのオフショットをどこかで公開したり…みたいなことはあったけど、基本的に撮った写真はただストレージに保存していただけ。だからよく言われてきたんですよ、“写真が好きで写真を撮っているんだったら、額縁とかを買って家の中に飾ったらいいじゃん”って。“うーんそうだね…”って言いつつ、あんまり気乗りしていなかったみたいな(笑)。でも、撮った写真をどう料理しようかということや、それで人を楽しませるにはどう見せたらいいかを考えるということが、僕としては楽しいんだなっていうのが、Instagramを始めてからわかりましたね。それこそストーリーズなんて1日で消えちゃうけど、どうやったら皆さんの興味をフィードに持っていけるかみたいなことを考えるのもすごく楽しいし、こういう技術もあるんだっていう発見も純粋に面白いし」
――発表の場ができる=人に見せる写真だと思うと、ちょっと意識が変わってくる?
「本当にいろんな人に見られる可能性があるっていう意味でも、そうかもしれない。以前にアイドル誌で、ページをもらって自分で撮影する写真をプロデュースするというようなことをやっていた経験があるんだけど、その頃から比べてもさらに意識がすごく高まったと思っていて。その時も同じようなことを自分でやっていたんですよ。小道具はこういうのがいいとか、モデルは毎回メンバーだから、こういうポーズをしてくださいって言って、写真選びまでやっていたんだよね。当時も楽しかったけど、Instagramはファンじゃない人の目にもとまるっていう部分が大きいから、ちょっと客観視するような意識は変わったかもしれないですね。僕のことを知らずにたまたま流れてきたものを見た人にも、これオシャレだなとか、カッコいいな、アートだな、みたいなことを思ってもらえる写真を撮りたいし、選びたいなって」
驚きのインスピレーション源
――今後も裕翔くんの作品づくりが楽しみですが、最近のインスピレーション源は何ですか?
「あいかわらず本を見たり、ピンタレストで集めたりっていうのはあるけど、最近の一番は映画! 映画を観ていると“このシーンの色の感じがいいな”とか、“うわ、この照明すごいな”ってなることがすごく多くて、それを覚えておいてワード検索したりとかしてる(笑)」
――マニアック…! 『映画の名前 ライティング』とかで検索するっていうこと…?
「とかね(笑)。あとはライティングのことを解説している方のYouTubeを観たり! しかも写真のライティングじゃなくて、僕が好きなのはシネマトグラファーとして働いてる方の解説。要は、スチールというよりは映画のライティングをつくるほうのコンテンツを観ていて、それがすごく勉強になるんですよね。で、それをスチールに生かすという…マニアックですね(笑)」
――へえぇ! でもなんだか、“映画のような物語のある写真の撮影がしたい”というところにも、全部つながるね。
「まさにそう! “この照明はここから撮ってるから、こんなふうにカッコいいんだな”とか、ひとりで夜な夜なうなってますよ(笑)。カメラ自体の技巧だけじゃなくて、最近照明についての意識がちょっと強くなったから、映画とか観ていると“ぅわあっっ!!”って頭を抱えたり、“え…こんな光つくれちゃうんだ”って独り言をつぶやいたりしちゃうんだよね(笑)」
――思っていたより裕翔くんが遠くに行っていた(笑)。
「この話続けて大丈夫?(笑) そう、だからちょっと前までは何の気なしにカッコいいなと思っていたものが、それをつくるためにこんなセッティングがされていたとか、実はこんな光も仕込んでいるし、ここにもライト置いてるし…っていうことに気づけるようになったのは、すごく楽しいです。基本的に僕は演じ手だし、さすがにライティングを自分で組んだりっていうことはできないけど、舞台裏のことも知っていて損はないじゃないですか。全然まだまだですけど、そういうのを少しずつ勉強していきたいです。改めて撮影って、いろんなプロフェッショナルの集まりだなと思うし、現場が好きで仕方ないですね。そこで少しでも僕ができることを増やしたいんです」
――裕翔くんがそういうスタンスだから、スタッフもみんなクリエイターとして裕翔くんに接している感じがする。
「うれしいですよ。でもやっぱりスタッフの皆さんの臨機応変さとか、判断の早さとかには敵わないんで、その辺は僕はまだまだだなと思いますけどね。事前に打ち合わせやセッティングをしていたとしても、その日の天気とか、同じスタジオ内でも場所によって撮れる画が全然変わる中で、光を読んで最適解を出すじゃないですか。いつもすごいなと思ってね。最初は“こういう感じでやろうか”って場所を決めてカメラを置くんだけど、“いや、もっとこうしていこう”ってどんどんそこから研ぎ澄まされていく。それに合わせて衣装を替えたり、ヘアメイクを変えたり、構成をその場で組み立て直したり、何なら新しいアイデアが出てきたり…その反応速度って本当にすばらしいですし、当たり前のことじゃないと思うんですよ。で、全員がピタッとハマるあの瞬間がいいんですよね。“キタキター”ってみんながゾーンに入る瞬間、マジでわかるなぁって。ひとりだったら絶対できないことですね」
これから撮影していきたいこと
――今後はどんな撮影をしていきたいですか?
「僕自身がやりたいことと、信頼しているスタッフの皆さんの“こんな中島裕翔が見たい”をバランスよくやっていけたらいいなと思います。自分が今後見せていきたいものや、こういう表現をしたいというものはしっかりありつつ、そこにやっぱり第三者の視点であったりとか、自分でも思っていなかったことを引き出してもらうということは、すごく大事にしたいから。その中で、テーマを持ってファッションも大事にしながら、コンセプトのあるワンシーンを撮影するっていうのは僕らしくて楽しいので、続けたいなと思っています。アップする写真も楽しみにしていてください」
ジャケット(ヨーク)¥110,000/エンケル Tシャツ(ザ インターナショナル アート コレクション)¥19,800/ノウン パンツ¥49,500/ラファーヴォラ ヴィンテージの時計¥305,800/江口時計店 その他/スタイリスト私物
シャツ¥37,400/キャバン 丸の内店 パンツ(シュープ)¥51,700/サカス ピーアール タンクトップ/スタイリスト私物(Instagramで公開予定!)
ジャケット¥83,600・シャツ¥49,500・パンツ¥50,600(すべてティーエイチ プロダクツ)/TARO HORIUCHI Inc. ハット(キジマ タカユキ)¥132,000/サカス ピーアール 靴/スタイリスト私物(Instagramで公開予定!)
中島裕翔(なかじま ゆうと)
1993年8月10日生まれ、東京都出身。2017年6月号よりメンズノンノのレギュラーモデルを務める。2022年11月にデビュー15周年を迎えたHey! Sɑy! JUMPのメンバーとして活動し、俳優としても数々の話題作に出演。主演映画『#マンホール』が世界的な評価を獲得したほか、主演舞台『ひげよ、さらば』への出演も好評を博した。
Model:Yuto Nakajima Photos:Teppei Hoshida Yuto Nakajima Hair & Make-up:NOBUKIYO Stylist:Yoshiaki Komatsu
Hey! Sɑy! JUMP、CDデビュー15周年を記念して2022年12⽉から全国4⼤ドームにて開催されたコンサート「Hey! Sɑy! JUMP 15th Anniversary LIVE TOUR 2022-2023」より、東京ドーム公演の模様を収録したBlu-ray&DVDが発売中。誰もが知る名曲の数々が満載の、“これぞHey! Sɑy! JUMP”とも⾔える、ザ・エンターテインメントなライヴ映像。通常盤には、特典映像として、ソロアングル3曲を収録。
☆詳しくは公式サイトへ
問い合わせ先
江口時計店 TEL: 0422-27-2900
エンケル TEL: 03-6812-9897
キャバン 丸の内店 TEL: 03-3286-5105
サカス ピーアール TEL: 03-6447-2762
ノウン TEL: 03-5464-0338
ラファーヴォラ TEL: 050-5218-3859
TARO HORIUCHI Inc. MAIL: contact@a-tconcepts.com
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