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昨夏公開した3部作『川村壱馬 今を知る壱00（ひゃく）問』が大ヒット。川村壱馬が胸に刺さるまっすぐな言葉で紡いだ、大ボリュームのインタビューにたくさんの反響が寄せられた。今回は、そんな彼にメンズノンノ読者からの質問、悩み、聞いてほしいことetc.…に答えてもらう、『川村壱馬に“壱問壱答”』を前後編にわたって公開する。 メンズノンノ公式Instagramに届いた約5,000通に及ぶ質問の中から選ばれたのは？ 後編も、読めば心にポッと炎が灯るような心強い回答が満載！
・浮気された彼女に未練があります。
どうしたらいいと思いますか？
復縁はアリ派ですか？
「うっわぁ…めっちゃかわいそう…。そのつらさ、計り知れないな…。いや、わかるよ。自分の立場で想像したら、相当つらい、めちゃくちゃつらいよ。未練があるってことは忘れられないってことでしょ？ 純粋に相手に問題があるような浮気なら、個人的にはもう忘れろと言っちゃいたいですけどね…。
ただ、浮気をされる前に、自分がもっと何かしてあげられることがなかったかというのは、今後のために考えてみてもいいかもしれない。本当にちゃんと向き合ったのかとか、ケンカしたときも、ちゃんとお互い納得いくまで本心が言えたのかとか。つまり、まっとうに愛したのか、不安にさせなかったのかっていうのはすごく重要だから。逐一愛情を伝えることがすべてではないけれど、本当に相手が喜ぶことを理解してあげるために、自分は頑張れたかっていうことを、振り返ってもいいかもしれないと思いますね。
それで120%誠実にやったはずなんだけどな…っていううえでの相手の浮気だったら、“もうこれ以上考えなくていい。絶対幸せになんねーからそんなやつは”って言ってあげたいですよ。誠心誠意愛して、それで向こうがただの気の迷いで裏切ったんだったら、今の幸せを大切にできないような人ってことですよ。うん、もう無理だってそんな相手は。浮気されたんなら、復縁に関しては僕はやめといたほうがいいと思う派なんでね。自分も寂しい思いをさせちゃったなという後悔や、こっちにも非があったなと引っかかることがあるなら、完全にナシとは言えないというだけで。だから、もっとこうしてあげたらよかったな、ということがあるんなら、復縁どうのこうのではなくて、自分の次の恋への糧にしたらいいんじゃないですかね。
いやー、でも、難しいマジで。だってまだ好きなんやもんな。浮気されても好きって本当にマジでつらいと思う。“そんなやつだったらもういいわ！”って思えたら楽になれるっていうのは、十分わかってるんだよな。自分がその立場だったらと思うと胸が締めつけられますね。きっと一途な人ほど苦しむんですよ。今すぐに忘れられなくてもいいから、本当にすてきな、君と同じように一途な人と出会ってほしい」
・仕事を後輩に教えても、
なかなか覚えてくれないという
ことに悩んでいます…。
上手な教え方はありますか？
「優しくて、いい先輩ですね。僕だったら心の中で“なんでこんなんもわからんねん”て思ってしまいそう（笑）。これが上手な教え方ですっていうものって、ないんだよなぁ。その相手にもよるし。そして、他人の能力に関してこっちが苦労するってほんとに疲れるんよなぁ、わかるよ。
でも、この人が何の仕事をしているかはわからないけど、これだけ思ってもらっている後輩のほうは、どうなんだろうってちょっと心配しちゃう。その後輩も、ちゃんと意欲があって、本気なんかな？ って。だから相手の温度感を見て、“この子こっちが頑張って教えているのに、なんか適当にやってんな”って思ったら、もうほっといたらいいんじゃないですか。でも一生懸命やっているんだったら、自分も懲りずに相手してあげましょう。自分だってできないことがあるだろうし、人に助けてもらうこともあると思うから。僕も、なるべく根気よく待ってあげられる人でいたいなとは思います。後輩とか、新しいスタッフさんとかが入ってきたらね。そのうえで、あまりにも仕事に誠実に向き合っていないなと感じたら、そこは叱ってもいいと思っています。でもひとつだけ、間違っても “普通はこれくらいでできるから”っていうのを、引き合いに出すべきではないかな。全部が得意な人はいないし、適性のない仕事を振られたときは特に、誰だって苦労するはずだから。そこは辛抱強く待ってあげる覚悟をこっちも決めたらいいんじゃないですかね。僕も教え方が上手なほうではないんですけど、相手の視点をなるべく想像して“自分だったらこんなふうに教えてもらったらわかりやすいかな”って考えてみたりします。それでうまくいくかはわからないけど、一回試してみる価値はあると思いますよ。そこまでして響かないようなら、叱ってもいい。
でもまぁ、この質問を送ってきてくれた人の優しい雰囲気的に、強く言うのは無理かもしれないですよね…。今の時代的にも、めっちゃ難しいよな。そういうときは、思い切って誰か他の人に任せてもいいと思います。教えても教えても相手に届かない場合ってけっこう、自分の仕事じゃない可能性があるんですよ。そもそも教えるっていうことが向いていないのかもしれないし、この先輩にはハマったわとか、組み合わせを変えたらいい感じだったとか、相性の問題もあるし。後輩に自分が教えるっていうのがすべてじゃないんですよ。例えば、その子にうまく教えられそうな人を一生懸命見つけて、「私／僕、後輩に教えるの下手くそなんですが、あなた本当にお得意ですよね。もしお時間あったら、あの子にアドバイスしてもらえませんか」って、ふさわしい人をアサインするのも、立派に仕事を頑張っているっていうことになるんじゃないですかね。目的は、その子ができるようになることであって、教えることそのものではないはず。それをやったら、投げ出したとか、罪悪感にとらわれる人もいるかもしれないけれど、人の手を借りるっていうのが頑張らないっていうことじゃないし、そのおかげで後輩ができるようになったら、ミッションコンプリートには変わりないんですよ。あまりに苦労するようだったら、自分のやるべきことではない可能性はある、という視点も持っておいてもいいかなと思います。
この人の職場がどういう環境かわからないから、無責任なことは言えないけれど、少なくとも、誰かの手を借りるのは悪いことじゃないし、人を頼ってもいいんだってことをわかってほしいな。自分ひとりでなんとかしなきゃって思っていそうだから」
・人前に立つと緊張してしまいます。
壱馬さんは、ステージに立つときは
どんなふうに気合を入れていますか？
・人と話すときにとても緊張して、
話し始めると頭が真っ白になり
声が震えてしまいます。
「わかりますよ。めっちゃわかる。僕の場合、よく意識していることをお伝えすると、“こういうふうにしよう”とか、したい・しなきゃというものを、全部なくします。それまでに努力した分だけ出る…つまり、やった分だけしか成果は出ないっていうことを自覚するんです。それ以上を期待しても意味ないですからね。自分をよく見せたくなっちゃうというのはわかるけど、自分の現状のマックスっていうものがあるんですよ。だから本番でそれを超えるっていうのは、まぁそうそうない。
だけど逆に言えば、やった分だけの成果は出るんで、ちゃんと準備して臨めば、問題ないはずなんです。それ以上もっとよく見せたい、と欲張るとたいてい失敗しますしね。だから例えば仕事のプレゼンとかだったら、企画の内容をどれだけ自分がきちんと理解しているか、ということが重要じゃないですかね。ふわっとした仕事観じゃなくて、どれだけ事前に考えて、組み立てたか。そしたら別に気のきいたうまいことを言えなくても、熱量はしっかり伝わると思う。僕もステージに立つとき、自分が発信しようとしているものや、その話す内容についてどれだけ自分が理解しているのか、というところを大事にしています。ちょろっと準備してぶっつけ本番って、けっこうバレますよ。どれだけ準備したらできるようになるかは人それぞれだけど、いずれにせよ未来の自分にあんまり期待しないことですね。 “よっしゃ俺これもう余裕だわ！”っていうくらい準備したら、えげつない120%が出ることはあるけど、“とにかく頑張るぞ”みたいな気合だけで乗り切ろうとすると、マジでいいことないです。あとは意気込みすぎると、やっぱり空回っちゃう。だからやることやったら、リラックスして、普段の自分でいいんですよ」
・壱馬くん、今後はどんな役を
演じてみたいですか。
「実は今は、あんまり考えていないかもしれないです。というか、“次”をそんなに急いでいない、と言ったほうが近いかもしれないですね。ただ爽やかなだけじゃない、泥くささもある高校野球のエースとか、観ている人がゾッとするくらい頭の切れる探偵とか、憧れるキャラクターはいろいろいるけれど、今すぐじゃなくていいかなと思います。“これだ！”というご縁に出会ったら、真剣に考えたいですね。自分の役者としてのキャリアを考えても、そういうことを言える立場じゃないことはわかっているんですが、“きたら何でもやります”というスタンスは自分には向いていないと思っていて。お芝居一本でやられている方々の熱い思いや下積み時代のお話とかもよく聞きますし、そういう皆さんの役者愛にはリスペクトを持っているので、本当に失礼な意味に捉えられたくはないのですが、僕には僕の環境やスタンスがあるので、きちんと力を出し切れると思ったときにやりたいんです。
あとは、ご存知のとおり僕はもう“見せ方”の塊みたいなもんなんで、役作りへのモチベーションもすごく重要なんですよ。たくさん活躍していらっしゃる方に比べれば全然新人の役者ですけど、数作品ではあるものの、それこそ本当にすべて120%でやらせてもらってきたし、新人ながらにそのときの僕が出せるすべてを置いてきた、と思っているので、そうやってポテンシャルを発揮できる場を大事にしたいんです。それでもし、僕のことを見いだしてくれて、「ぜひとも！」と言ってくださる方がいたら、頑張りたいなと心から思いますね。偉そうな意味じゃなく、自分の他のキャリアやファンも大事にしているし、それだけ真剣だからこそ、ちょっと強気でいきたいなと思うんです。やるからには全力でいきたいので、選べる環境があるならば、選びたいなと思います。あとは、去年ちょっと体調の面でパンクしちゃったっていうのもあるので、より自分の中で取捨選択の感覚が研ぎ澄まされているのかもしれませんね。音楽活動も頑張りたいし、今は自分が何をやるのか、というところをもう少し見極めようとしているところです」
・川村壱馬さんみたいになりたい
男です！
普段心がけていることが
あれば教えてください。
「“このとんでもない時代にのみ込まれるな”ということを、自分にも言い聞かせているかな。それは自分を持つっていうことだけど、今って流行りに乗ることや、変に周りの空気に合わせて群れることを、必要とされる場面が多いと思う。でも、周りと違ってもいいはずだし、なんなら自分が好きだと言ったものを笑われても、それでも好きだって言える人のほうが僕は超カッコいいと思います。だから自分にとって誰が大事かとか、何が好きかということに対して誠実であればいいんじゃないかな。僕はいつもそうです。好きなものは好き、嫌いなものは知らん。それくらい強くあっていいかなと思う。ちゃんと自分を大事にしてくれる人を大事にして、裏切らない。恋人でもいい、友達でもいい。家族でも上司でも後輩でも、大事にするべき人を大事にして、そういう好きな人たちにちゃんと誠実に。だけど、その人たちが言ったことに対して、自分が違うなと思ったらそこにのまれなくてもいいんです。自分の芯を持って、尊敬されるような人になってね」
最後に編集部より！
読者へのメッセージをお願いします！
「前回の“壱00の質問”も大変好評をいただいたということですが、今回の “壱問壱答”にも、たくさんの質問をありがとうございました。“壱シリーズ”として、こんな感じでまたやっていきたいです！ 皆さん、いつもいっぱい読んでくれてありがとうございますという気持ちですし、ベストアルバム『16SOUL』 『16PRAY』もリリースされますので、相乗効果で盛り上げて、またこのシリーズ企画でお会いできるようにみんなの力を貸してください。ありがとうございました！」
ジャケット¥184,800・タートルネック¥31,900（ともにナイスネス）／イーライト 中に着たジャケット¥75,900・パンツ¥53,900（ともにニードルズ × ティーエスエス）／ネペンテス 中に着た古着のシャツ¥6,600／サファリ 1号店 プラス タイ（ホリデー＆ブラウン）¥19,800・ブーツ（リオス オブ メルセデス フォー エディフィス）¥220,000／エディフィス 新宿 タイピン／スタイリスト私物
イーライト
TEL:03-6712-7034
エディフィス 新宿
TEL:03-5366-5481
サファリ 1号店 プラス
TEL:03-5929-9225
ネペンテス
TEL:03-3400-7227
Kazuma Kawamura
1997年、大阪府生まれ。THE RAMPAGEのメインヴォーカルのひとりとして活動しながら、俳優業も行う。グループ初となるベストアルバム『16SOUL』と『16PRAY』が2月14日に2枚同時に発売するほか、ライヴツアー「THE RAMPAGE LIVE TOUR 2024 “CyberHelix” RX-16」が決定しているなど、ニュースがめじろ押し。大ヒットの主演映画『HiGH&LOW THE WORST X』や『貞子DX』にも出演し話題に。4月に写真集『川村壱馬1st写真集 Etoile』（小学館）を発売予定。
Model: Kazuma Kawamura［THE RAMPAGE］ Photos:Teppei Hoshida Hair & Make-up:oya［KIND］ Stylist:So Matsukawa
THE RAMPAGE初のベストアルバムは、2枚同時発売！ ヒップホップサウンドなど、アップテンポなナンバーを収録した『16SOUL』と、ミディアムナンバーやバラードを収録した『16PRAY』は、それぞれに新曲が1曲ずつと、ファンからの投票により決まったこれまでの人気曲で構成される。グループの音楽性、表現力の幅広さを堪能できること間違いなし。
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