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昨夏公開した三部作『川村壱馬 今を知る壱00(ひゃく)問』が大ヒット。川村壱馬が胸に刺さるまっすぐな言葉で紡いだ、大ボリュームのインタビューにたくさんの反響が寄せられた。今回は、そんな彼にメンズノンノ読者からの質問、悩み、聞いてほしいことetc.…に答えてもらう、『川村壱馬に“壱問壱答”』を前・後編にわたってお届けする。メンズノンノ公式Instagramに届いた約5,000通に及ぶ質問の中から選ばれたのは? そしてこの前編では、2月14日に2枚同時に発売する、THE RAMPAGE初となるベストアルバム『16SOUL』と『16PRAY』についても語ってもらった!
・かなわない恋をしてしまいました。
どうやったら自分がスッキリ
終わらせられるでしょうか。
・2億パーセント叶わない恋を
諦めるには?
「無理に終わらせる必要もないのかなと思いますね。好きなものって、意図して好きじゃなくなるとか、嫌いになろうとしてなれるものじゃないですから。どうしても好き、っていう気持ちは、そんな簡単に変えられないですよ。だから無理に消さず、それも人生において意味のある経験、時間だと思って向き合うしかないと思います。めっちゃ苦しいけど…。
でも僕、いろいろ苦しいことがあるときって、きっと何か意味があるんだと考えているんです。それは別にポジティブ思考とかっていうことじゃなくてね。例えば、キツい思いをした分だけ、人に優しくできるようになると思うんですよ。その人によって事情は違うし、落ち込み方も変わるけど、少なくとも自分の悩んだことがある事柄で同じように悩んでいる人がいたら、“ちょっとわかるかも”って理解してあげられるじゃないですか。人に寄り添うことができるんですよね。だから、あえて苦しい思いをしろとは言わないけど、そういう経験をすることも悪いことばかりじゃない、と僕は思います。自分に嘘をついてスッキリ終わらせるんじゃなくて、大事にしてもいい。それで一生懸命ずっと好きだったら、自分の中にすごく大切なものとして残ると思う。
でもひとつだけ注意したほうがいいのが、絶対叶わないような恋なんだったらなおさら、その相手に自分の気持ちを押しつけないようにはしたほうがいいということ。例えば、その人にちょっかいかけてみたりとか。それは完全に無駄だと思うんで。まして、攻撃に変わってしまったりとかね。執着をするというのはそのあたりが紙一重じゃないですか。それだけは絶対にしないように、っていうのは大前提だよと伝えつつ、次に自分と自分の人生を大切にしてくれる人と出会うまでは、思いを抱えたままでもいいんじゃないですかね」
・集団行動が苦手です。
集団の中でうまくやっていく
コツがあれば教えてください。
・価値観が違う人たちに合わせて
生きていくにはどうしたらいいですか。
「こればっかりは僕も難しいなと思いますね。この方が指しているのが学校のクラスや部活なのか、会社の中の組織なのか、どこかはわからないですが、どの集団だとしても、どう頑張っても全員がピタッと同じにはならないんですよ。みんなに協調性があるとも限らないし。同じ人間ではあるけど、別々のところで育ち、違う年数生きてきて、違う感性と魂をそれぞれ持っているのでね。ひとつの目標に向かっていたとしても、どのレベルまでできるとか、プロセスとか、熱量とか、どうしてもその辺が人によって違いますよね。だから諦めるって言ったら聞こえが悪いかもしれないけど、他の人に過度に期待しないほうがいいのかなって思います。というわけで、うまくやっていけなくていいです。あなたのせいだけじゃないよって思うので。
正直僕自身は、嘘くさくなるくらいだったら嫌われたっていいと思うタイプ。うまく取り繕って心にもないことを言って、周りに好かれようとする人は、はたから見ていても逆効果だと思います。だから自分に嘘をついていなければ…と言っても、ただひたすらわがままとかはダメですけど、そういうことじゃなくて、そのときにたまたまいる集団の中でうまくいかなくても思い悩む必要はないですよ。それこそ学校のクラスとかね、一瞬なのであれば特に。僕もそうだったから気持ちはわかるけど、どこかにその素質が生きる場所があるよ、と言ってあげたいです。
ただ、自分がそれを心から直したいと思っているなら、本気で向き合ったらいいとは思うけど。僕は自分の短所とか、コンプレックスとか、“こういうとこあるわ、俺…”ってうんざりするようなこととも、全部向き合ってきたんで。だから本気で直したいなら本気で直せっていう話でもあります。でもまぁ、いずれにせよ無理に取り繕ったり自分を偽ってまでやっていくことはないですよ。それは自分というものをなくしてしまうことになるから。そこだけが居場所じゃない、というのは覚えておいてもいいと思いますね」
・関西人という理由で、人見知りなのに
盛り上げ役にされたりするんですが、
正直逃げたいです。
「関西人全員がおもろい思うなよっていう話ですよね。僕も大阪出身だからわかる(笑)。 “全員がおもろいわけちゃうねん”って言っていいと思う。いや、言ってやれ!(笑) こうやって普通に話したりしている中で、おもろいなって人はいっぱいいると思うんですよ。僕も、ぽそっと言ったひと言が面白いタイプだよねって言われたりすることはありますし。けど、関西人だからっていう理由でみんながイメージする、いわゆる芸人さんレベルの面白さって無理だから! あれはプロですからね(笑)。なのに、“なんかやってよー”みたいなのは本当きついよな。あと、関西人にだってけっこう、“うわっ寒!”って人もいるよっていう。半分くらいそうじゃないかな(笑)。関西人に夢見すぎ、本当に。それを言ってやれ!(笑)」
・周りから、「なんでそんなに自信が
ないの?」
と言われるのですが、
どうしたら自信が持てますか。
・人の目を気にせずに堂々といるための
秘訣はありますか。
「自分の弱点を自分で自覚しすぎているか、もしくは逆に、本当はそうじゃないのに“自分はこうだ”って思い込んで、自己評価が下がってしまっているか。いずれにしても、他人の存在や評価に、どこかとらわれている部分があるんじゃないですかね。人によって原因はいろいろだと思うけど、でも自信以前の問題として、まず努力はしたらいいと思います、できるなら。
もしも、自分が自信を持てない原因になっている弱点を自覚しているほうの人で、それを受け入れられないのであれば、そして直せる問題ならば、向き合うしかない。性格にしろ、外見的なコンプレックスにしろ、努力自体は可能だから。その努力を笑うやつがいるなら、めっちゃ傷つくだろうけど、そいつはマジで気にしなくていい。僕が保証しますけど、そんなのはマジでクソだから。だからそういう外野は無視するとして、できることはまずしてみたらいいし、それによって少しずつ自分自身への評価が変わるかもしれない。
自分を過小評価する人には…そんなの気にするなって言っても難しいと思うので、ひとつ言えるとしたら、僕も自分はダメだなと思うときはあるよ、みんなそうなんじゃない、と。自信がありそうに見える人だって、本当はそうじゃないかもしれないし、人の目を気にしなそうに振る舞っている人だって、少しは絶対気にしているよ、と伝えたいですね。
こういう質問をしてくるっていう時点で、もう半歩踏み出してるじゃん、頑張れって思う。自信って、性格や能力、見た目とかだけじゃなくて、日頃から、自分で自分が納得できるような行動や生き方ができているかっていうことも関係してくると思うんですよね。つねにできなくても全然いいんですよ、僕もできてないなってときはあるし。でもそれに気がついて、今後どうしていくかっていうプロセスを自分で組み立てて、ひとつずつ向き合うことがどんどん自信につながっていくんじゃないですかね。そしたらきっと、不誠実な人が目につくようになる。それが反面教師みたいになって、こうは絶対ならないぞって、逆に自信になるかもしれないですよ(笑)」
・自分と同じ考えを持つ人か、
全く違う考えを持つ人か、
一緒にいて楽しいのはどちらですか?
「そうだなぁ、パッと答えるなら、自分と近しい考えの人はいいなと思うけど、でも恋人だったら、全然違う感覚でもいいかな。恋人が相手だったら、どんなことがあっても向き合いたいと思うし、価値観が違っても擦り合わせていけるところを見つけたいと思う。だから違うっていうのも、それはそれですてきなのかなとも思いますよね。でも似てるところが多かったりとか、感覚が近いところがある人に会うと、男女問わず単純にうれしいですよね。
うん、どちらが楽しいかはわからないけど、うれしいっていう感情に近いかもしれないですね」
・トルコのファンです! 海外のファンからの応援を
どう感じていますか?
「えー! すげートルコからですか!? まだ公演をやったことのない国だけど、いつか行きたいですよ。トルコアイスも大好き。そういう声を聞くとシンプルに、まずどうやって僕たちを知ってくださったんだろうと思います。とてもすてきなご縁で、異国の僕を見つけてくれてうれしいなぁってめっちゃ感動しますし、思いが届いているのがすごいことだよなぁって。歌とかダンスとか、あとは映像作品での演技とか、どれかしら響いたものがあったのかなと想像して、うれしくなりますよね」
SPECIAL INTERVIEW
about NEW ALBUM
ここからは、ベストアルバムについてミニインタビュー!
――THE RAMPAGE初のベストアルバム『16SOUL』と『16PRAY』が2枚同時で発売するということで、おめでとうございます!
「ありがとうございます。目標のひとつでもあったのでうれしいです」
――『16SOUL』のほうはヒップホップ、ラテンサウンドなど、アップテンポな曲を収録し、『16PRAY』はミディアムテンポなナンバーやバラードで構成されており、がらりと違うテイストを楽しめるそうですね。それぞれ1曲ずつ新曲が収録されますが、それ以外はすべてファンの投票で決まったとか。
「そうなんです。まず、個人的には『16SOUL』のほうで「100degrees」が1位だったっていうのがすごくうれしかったですね。こういう曲が1位になるということで、自分たちが普段から言ってることやチームの思いに対して、しっかりとファンのみんなが共感してくれているんだというのが伝わりました」
――前回のインタビューで、最新シングルに対して“圧倒的「Everest」派閥”と壱馬さんが話していたので、そちらも入っていてホッとしました(笑)。
「あはは。ですね! でも、「STRAIGHT UP」が落ちたのはちょっと許せんけどな(笑)」
――書けないんですけど…(笑)。
「いや、全然書いてください(笑)。むしろ書いてください! 「STRAIGHT UP」だけは許さんー!(笑) まぁでも、単純な曲の良し悪しじゃなくて、人によって思い入れみたいなのはありますからね。聴いてくれるみんなにとって、それぞれの曲に大事な思い出があるならうれしいです」
――先ほどお話に出た「100degrees」は、2枚発売するアルバムのうち、『16SOUL』のほうに収録されます。『16PRAY』の1位は「Can’t Say Goodbye」でしたが、こちらに関してはいかがですか。
「これも圧倒的1位でうれしかったですね。ミディアムテンポでバラード寄りの曲の中では、僕は個人的に音がすごくカッコいい、おしゃれな曲だと思っていて。というか、4枚目のシングルが強かったってことなんですよ。リード曲だった「100degrees」とカップリングだった「Can’t Say Goodbye」がそれぞれ1位で。4枚目最強説ですね」
――これまでミュージックビデオがなかった既存曲から、これまたファンの投票でアルバム用に新たに映像を作成する楽曲を決めるという企画もあったそうですね。そちらのMV部門の1位も「Can’t Say Goodbye」だったんですよね?
「そうなんですよ! 今までは皆さん音だけで楽しんでくださっていたと思うんですが、ぜひミュージックビデオのほうも楽しんでほしいですね」
――そして新たな収録曲である、「STARRY LOVE」が先行配信となりました。
「僕はラップのできる曲が好きなので、あんまりバラードを一番に推さないことが多いんですけど、これは壮大でまっすぐな思いの伝わる曲で好きだと思いましたね。ちょっとニュアンスは違うけど、似たジャンルの曲で「Seasons」がずっと好きなんですけど、けっこうそれに並んでくるくらい好きかもしれないです」
――発売までもうすぐですが、最後に意気込みを教えてください。
「ベストアルバムというのは、どのアーティストにとっても記念すべき大切なものだと思いますが、僕自身もとても満足しています。現状これ以上は見つからないんじゃないかなと。たくさんの人に聴いてほしいですね」
――こちらのアルバムの発売はもちろん、2024年のツアー「THE RAMPAGE LIVE TOUR 2024 “CyberHelix” RX-16」が発表されるなど、 今年も早くもニュース満載ですが、壱馬さんはどんな1年にしたいですか。
「まず、THE RAMPAGEというグループとしては東京ドームを一番にめざしています。ベストアルバムもリリースすることができたので、次なる目標はこれ一択ですね。あとは自分個人の活動についても向き合いたいなと思っています。4月に写真集(『川村壱馬1st写真集 Etoile』/小学館)が出るので、それがすごく楽しみです。一人でも多くの人に届き、喜んでもらえるように何か企画もできたらいいなと思っています。
そしてやっぱり自分の音楽というものも追求していきたいですし、それによって僕のファンを楽しませることができたらいいなと。前回のメンズノンノのインタビューの反応について、“自分の好きなアーティストである僕がどんなことを考えているか、発する言葉をじっくり読み込みたいというファンが多くついている印象だった”と編集部の方に伺いましたが、そうやって僕の思想をわかってくれて、言葉が届く人たちがたくさんいることがうれしいですし、彼らを本当に大事にしていきたいんですよね。これからも一緒に歩いていきたいなって心から思うんです。僕自身、いわゆる“リアコ”に媚びるスタンスは苦手で、わざわざプライベートの話はしないけど、恋愛をしたいと思ったらするし、自分で責任を取れるなって思ったら結婚もすると思うし。みんなを裏切りたくないから、こういうスタンスは普段から伝えているつもりです。リアコ的な応援の仕方を受け入れてしまうと、僕が“愛する人と結婚をして幸せに暮らす”という人生最大の目標をかなえた瞬間に、裏切ることになってしまうじゃないですか。だから僕のファンは、そのあたりをすごく理解してくださっているし、皆さんそれぞれが自分の幸せ、自分の人生も考えられているんじゃないかなって。だからこそ、その人生に役立つことを少しでも分けられたらなと、そういう気持ちでそもそも僕はアーティストをやっているんだと思います。このスタンスを大事にしつつ、いい音楽や言葉を今年ももっと届けていけたらいいなと思いますね」
コート¥1,100,000・中に着たジャケット¥418,000・パンツ¥253,000・ベルト¥83,600・ブーツ¥187,000(すべてサンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ)/サンローラン クライアントサービス
サンローラン クライアントサービス
TEL: 0120-95-2746
Kazuma Kawamura
1997年、大阪府生まれ。THE RAMPAGEのメインヴォーカルのひとりとして活動しながら、俳優業も行う。グループ初となるベストアルバム『16SOUL』『16PRAY』が2月14日に2枚同時に発売するほか、ライヴツアー「THE RAMPAGE LIVE TOUR 2024 “CyberHelix” RX-16」が決定しているなど、ニュースがめじろ押し。大ヒットの主演映画『HiGH&LOW THE WORST X』や『貞子DX』にも出演し話題に。4月に写真集『川村壱馬1st写真集 Etoile』(小学館)を発売予定。
Model: Kazuma Kawamura[THE RAMPAGE] Photos:Teppei Hoshida Hair & Make-up:oya[KIND] Stylist:So Matsukawa
THE RAMPAGE初のベストアルバムは、2枚同時発売! ヒップホップサウンドなど、アップテンポなナンバーを収録した『16SOUL』と、ミディアムナンバーやバラードを収録した『16PRAY』は、それぞれに新曲が1曲ずつと、ファンからの投票により決まったこれまでの人気曲で構成される。グループの音楽性、表現力の幅広さを堪能できること間違いなし。
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