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2018年のオーディションでグランプリを受賞し、メンズノンノ専属モデルとなった鈴鹿央士。当時、彼が掲げていた夢は、アカデミー賞を取ることと、本誌の表紙を飾ることだった。成長の原動力にもなっているというメンズノンノへの熱い想い、そして、次なる目標をこれまでの思い出の企画とともに、語ってくれた。
先輩を超えられる前に
表紙がかなっちゃいました
撮影後、持参したポラロイドカメラを取り出した鈴鹿。「記念写真を撮りたくて」とスタッフに呼びかけた。
「専属モデルオーディションの面接で目標を聞かれて、“表紙を飾ることと、アカデミー賞を取ること”と答えたんですよ。そのときからずっとめざしてきたし、いつかできるようにと頑張ってきたので……ひとつの夢をかなえられて、すごくうれしかった。まだ実感がなくて、ふわふわしていますが」
それからわずか5年後。23歳にして、どちらの夢もかなえてみせた。
「24歳までには表紙を飾りたい、となんとなくの目標を立てていたんです。こんなに早く実現して驚きましたね……先輩たちを超えなきゃいけないと思いながら、まだまだ及ばないと感じていたし。モデルになりたての頃、成田(凌)さんの撮影を見学したことがあったんです。アプローチの幅や奥深さ、引き出しの多さに圧倒されて。見えない過程のかっこよさ、すごさがあるからこそ、完成するものの質も上がるんだ! と学び、以来ずっと意識してきました。満足できる前に表紙がかなったけど、伸び代があるってことで(笑)」
役者としてもラブコールが絶えず、出演作は年々増えるばかり。多忙な日々を過ごしながらも、撮影中はイラつきどころか、疲れすら見せない。
「撮影の前日は、今も緊張します。現場に入ると楽しいんですけどね。メンズノンノは、編集部の人もスタッフの方も、とにかく愛情深い。“これ見たよ”とか“あれかっこよかった!”と、声をかけてくださって。成長を見守りながら期待してくれているのを感じられることが、僕にとってすごく大きいです。撮影を重ねれば重ねるほどメンズノンノが好きになり、それを伝えると、ちゃんと愛で返してくれる。撮影中も“メンズノンノはどうあるべきか”などと話し合ったりして、モデル、そしてメンズノンノという作品に対する、とてつもない愛情を感じています。そんな人たちと一緒に仕事をできることが幸せだし、モデル同士もライバルっちゃライバルだけど、仲間だと僕は思っているので。それら全部ひっくるめて、他にはないものが、ここにはある。だからこそ大切にしたいし、これからもずっとずっと一緒に歩んでいきたいから、僕自身ももっと上をめざしたい。そう思えるようになりました」
映画や写真の趣味を生かした連載を持ち、ラジオも行う多才ぶり。今年のオーディションの候補者から、憧れる存在として鈴鹿の名が次々と挙がったことを伝えると……。
「じんたん(鈴木仁)をめざしたほうがいいですよ!(笑) うれしいですけど……もっとすごい人、たくさんいますから。趣味に関しては、これからもいろんなことに挑戦してみたい。経験の多さで、将来の人相が変わる気がして……僕、“いい大人”になりたいんです。例えばトニー・レオンのように、ただ外見的に美しいだけではない、独特なかっこよさがある人。そういう大人になるためにも、自分が好きなものは大事にしていきたいな、と。それに、お仕事は基本アウトプットの場で、出し続けてばかりいると、自分が枯れていく感覚があるんです。だから自分の好きなものから吸収して、そこから枝が生えれば、それはそれで面白い。そんなことを意識しながら、丁寧に生きていくことが今のテーマです」
最後に、次なる目標を聞いた。
「みんなで楽しく、メンズノンノを盛り上げ続けたい。栁(俊太郎)さんくらい……さすがに30歳を超えると、長いって言われそうだな(笑)。いらないって言われるまで居候しますね!」
Suzuka’s select
BEST SHOT 10
メンズノンノモデルに選ばれたときの1枚。この写真を見ただけで、いろんな思い出が次々と蘇(よみがえ)ってくる。あっという間だと思っていたけど、時がたったんだなと実感します。
初のファッションシュート。白壁のスタジオにパソコンや機材が並んだ光景が、1枚の写真のように目に焼きついています。緊張しすぎて、それ以外は覚えていません(笑)。
ヘアスタイルの特集。ヘアメイクのNOBUKIYOさんを筆頭に、「鈴鹿をかっこよくしたい!」という皆さんの熱量を感じて、メンズノンノをいっそう好きになった。
WEBのファッション企画で、スタイリングからシチュエーションまで、気分が上がった撮影。「こういうのが好きなのかも」とわかってきた感覚があり、それもうれしかった。
このテーマで、初めてハイブランドを着て。衣装を手に持った瞬間、思わず「すげー!」と声に出してました(笑)。スタッフの方からも特に好評なんです。
ドラマ共演が続いたてっちゃん(平手友梨奈)と、ずっと「メンズノンノで撮影してみたいね」と話していて。念願がかなった企画です。衣装もポップでかわいかった!
普段あまり褒めない編集さんから「よかった」と言われて、もっと頑張ろう! と気合が入りました。人からいただいた言葉は忘れないですし、過去は振り返る主義です(笑)。
先輩モデル中田さんのWEB連載「中田撮」の写真。私服のリラックス感と、先輩に撮られる緊張感が入り交じる、とても不思議な心境を味わいました。
『かそけきサンカヨウ』で共演した志田彩良さんと対談したWEBの映画連載。戦友の存在のおかげか、現場の空気も温かくて……お茶会をしているみたいな感覚でした(笑)。
ボッテガ・ヴェネタのファッション撮影。こんなに伸び伸び撮ったのは初めてだったから新鮮で。自分の中の正しいモデル像ではなかったけど、いいかも! と思えた瞬間。
成田さん、(宮沢)氷魚くんに次ぐ本誌連載「たゆたう」。好きな写真をテーマに、様々な感性に触れられる。そんな機会をつくっていただき改めて、自分は幸せ者だなぁと。
Photos:Ryosuke Hoshina Hair & Make-up:Taro Yoshida[W] Stylist:So Matsukawa Model:Ouji Suzuka[MEN’S NON-NO model] Text:Ayano Nakanishi
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