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毎年恒例、メンズノンノレギュラーモデル・中島裕翔のバースデー特別インタビュー! でも今年はひと味違う…だって、記念すべき30歳のお祝いだから! ということで、いつもカッコよくビシッときめるスタジオやロケの撮影とは趣向を変えて、居酒屋の一室を貸し切りにし 、メンズノンノのスタッフと宴(うたげ)を開催。「ビールと、ゴーヤーチャンプルーと、あとカツオのたたき!」と好物をオーダーしながら、リラックスした様子で30歳を迎える今の心境や、20代を振り返っての思い出を話してくれた!
誰のことも萎縮させない、
器の大きい大人になりたい
裕翔: じゃあ乾杯の前にひと言。本日は皆さん、ありがとうございます! 30歳っていう節目の年を、大好きなメンズノンノの皆さんに、こんなふうにお祝いしてもらえてうれしいです。これからもよろしくお願いします! 30代も頑張ります!
(一同)カンパーイ!
裕翔: 30かぁ。昨日弟とご飯に行ったんだけど、“30歳なんて信じらんない”って、弟にも言われたからね。家族も信じられないみたい(笑)。
メンズノンノ(以下、MN): 去年も誕生日のタイミングでインタビューをしました。そのときは20代最後ということで、“あまり気負わずに30代を迎えたい”という気持ちを話してくれたと思うけど、実際に30歳の誕生日を目前にして(編集部注:インタビュー時)心境に何か変化はあった?
裕翔: “構えないでいたい”っていうのは変わらないんですけど、自分が思うよりも30歳って、世の中的にはしっかり一つの節目みたいな位置づけのものですよね。前後で目標を明確にする人もいるし、周りでも「30歳を機にこうなりたい、こうしたい」っていう話をしているのをよく聞く。上の世代の人たちが「30代はいいぞ~!」とか言ってたり(笑)。だからそういうのを見聞きするうちに、気負わずにいたいっていうのは今もそのとおりだけど、ひとつ確固たる自分の自信になるものが持てる30代になりたいなっていうのは、ちょっと思い始めたところ! あとはやっぱり、どんなに年を重ねても、自分の周りにいる人が萎縮しないような大人でいたいっていうのはずっとあるかな。
MN: いいものを作るために、どの現場でも大事にしていることだと、去年も話していたよね。
裕翔: うん、そうですね! 自分よりも年下の人が多い現場では特にそう思います。僕はちっちゃい頃からいろんな大人を見てきたほうだと思うけど、その中でもすてきだなぁって印象に残ったり、憧れたりするのが、ただ見守ってくれるような人。その人のほうが絶対的にキャリアもあって人生の経験値も高いから、若い僕らに対して気になることがめちゃくちゃいっぱいあったと思うんですよ。“絶対こうしたほうがいいのにな”とか、“それはそうじゃないのにな…”とか。でもその視点って、いくら言われてもそこに到達しないと持つことができないじゃないですか。よく、親が言っていたことを子どもが大人になってから初めて理解する、みたいな話があるけど。だからそういうのを受け入れて、みんなを見守れる器の大きい大人になりたいと思うんです。
MN: たしかに、“まぁ、この歳になったらわかるよ”と言われても、ならないとわからないことは多いよね。
裕翔: そう! わかんないじゃないっすか! だからそういうことを、あんまり口うるさく言わない大人になりたい! もちろん、人を育てないといけない場面で、ちゃんと言わなきゃいけないことはあると思うけど。
僕が出会った、
最高にカッコいい大人
MN: 実際に、そういうロールモデルになるような人に出会った?
裕翔: 堤真一さんですね! 2021年にやった舞台『ウェンディ&ピーターパン』でご一緒した堤さんが、まさにそうだったんですよ。若い人たちに自由にやらせてくれて、優しく見守ってくれて。でも本当にみんなが困って行き詰まったときには、助け舟を出すっていう。“カッコいいなー!”と思いましたね。その姿を見てまたみんなも頑張るから、堤さんみたいな、背中を見せられる大人に僕もなりたいと思いました。硬くならずに、分け隔てなく周りを笑わせることのできる人って本当にカッコいいですよ。あと、自分が経験したことがすべてじゃないし、年下の子たちから学ぶことだってたくさんあると思うんですよね。そういう柔軟さは忘れずにいたいですし、いつまでも勉強できる大人でいたいですね。
30歳になった今、
もっと大事にしたいこと
MN: 10代、20代を経て、自分の中で何か視点が変わってきたことはある?
裕翔: 僕には「Hey! Sɑy! JUMP」のグループ活動と、個人での活動があって、2つとも本当に大切だけど、これまではどちらの場面で自分が表に出ても“グループに還元する”っていう意識が強かったんです。でも今、改めて自分のやりたいことを突き詰めるというのも大事にしたいなと思い始めました。やっぱり僕はかなり恵まれた環境にいるから、よくも悪くも優秀な人たちがやってくれちゃう部分もあるんですよ(笑)。だからこそ、自分で自分をしっかりプロデュースできるような力はもっとつけたいし、僕自身がやりたいことは何かを見極めて、表現していきたいと思うようになりましたね。ちっちゃい頃からこの世界で活動する中で、周りやニーズに合わせるっていうことは、もうすごくやってきたので。だから、マインドの面ではそのあたりが一番変わってきた気がします。
MN: 何を求められているか、以外の部分も大事にしていきたい?
裕翔: うん、そうですね。“自分がやりたいことって?”“自分が表現したいことって何だろう?”って考えたときに、自分にとってのクリエイティブができるようになりたいなって思うようになりました。10代の頃は、本当にがむしゃらだったんですよね。逆を言えば、多少訳がわからない中でも、大人が言ったことをただひたすら一生懸命やれば、それで成立していたんですよ。でも20代は、そこからちょっと周りが見えるようになってきた。そして今、もちろんまだまだ発展途上だとは思っているけど、昔とは比べものにならないくらい、自分で深く考えるほどにいろいろなことが見えるし、引き出しもちょっとずつ増えるっていうことがわかったんですよね。
忘れたくないのは、
一瞬一瞬を新鮮に楽しめる気持ち
MN: 逆に変わりたくないなってことはある? 昔からずっと持っているポリシーとか。
裕翔: 変に大人びちゃう感じとかは好きじゃなくて、昔から。そう考えると、いつまでも若いマインドは持っていられたらいいな。年下の人たちとも一緒に、分け隔てなく話せる感じでいつまでもいたい。
MN: 周りを萎縮させない人でいたい、という話にもつながるね。
裕翔: ですね、そこにつながってくるよね。やっぱりエンタメの世界だから、すごくそういうことが必要なのかなって。
MN: 自分も楽しくないと?
裕翔: そう! だからあんまり何でもかんでも“はいはいわかってます、知ってます”っていうつまんない大人にはなりたくないな。しっかりその一瞬一瞬を、いつでも新鮮に楽しめる大人でいたいなと思う。
MN: 裕翔くん、相変わらずメンズノンノの撮影終わりは「あー今日も楽しかったー!」って帰っていくもんね。モデルになって何年たっても(笑)。
裕翔: はずっ!!!!!
MN: (スタッフ一同・笑)いやいやうれしいよ。
裕翔: フツーに超はずかしいんだけど!(笑) でも、メンズノンノのスタッフさんと仕事をするっていうのは、改めて考えてもやっぱり僕にとってすごくクリエイティブな時間なんですよ。ファッションというひとつのくくりの中でも、いろんな分野の人がいて、その人たちのいろんな意見が、ああじゃないこうじゃないって混ざり合っていく。しっかりと話し合う中では、“いやこれは違う”とか“もうちょっとこうしたい”とか、少しぶつかることもあるかもしれないけれど、どの意見も否定的じゃなくて、どんどんいい方向に変わっていくんですよね。そして全員で“これだね”って着地する瞬間が本当に好きです。そうか、こういうポジティブな議論を自分は求めているんだなって、感じることができるんですよ。最終的にみんなの納得いくものができる瞬間に立ち会うことに充実感があるから、毎回すっごく楽しいんです! 本当に! でもはずかしいな(笑)、ははは。
MN: それは我々も裏方冥利に尽きます。これからも楽しんで帰ってもらえるといいな(笑)。
裕翔: 現場が楽しいっていうのは、一番幸せですよ!
発想の転換が、
20代でのファインプレー!
MN: 20代でこれをやっておいてよかったな、一番自信になったなっていうことはある?
裕翔: わー、何だろうな~。この10年、今になってみるとあっという間だった感じがする。そんな中でやっておいてよかったこと…これは全20代に当てはまるかはわからないけど、僕が今振り返ったときに“やっててよかったな~!”って思うのは、コンプレックスを直すんじゃなくて、生かす方法を考えたっていうことかな。前にも、背が高くなったときに、どんどんグループの中で立ち位置が端っこのほうになることが増えたって話はしましたよね。
MN: 全員で並んだときの見え方として、フォーメーションのバランスをとるために…っていう。
裕翔: そうそう。そのときになんかね、ちょっと嫌だなっていう思いもありつつ、だったらその方向でしか生かせないことをやったほうがいいなって考えたんだよね。だから、早い段階でモデルに挑戦したらいいんじゃないかっていうことを思いついたのは、我ながらすごくよかったなって。つまりそれを通して言いたいことは、“コンプレックスは無理に直すんじゃなくて、それを生かせることにつなげていくほうが楽しいと思う”っていうこと。自分ができないことに全力を注いでももったいない。だってできないんだもん(笑)。だったらそれが生かせる分野がきっと他にもあるだろうし、自分ではマイナスだと思っていたものにも需要があったりもすると思うんで、そういうものに目を向けたほうが建設的! 今は働き方だってすごく多様化しているから、自分に制限を設けないほうがいいよね。ある面では弱点だって思っていたことをどう生かすか考えられたことが、20代でやってよかったことかな。
MN: ひとつ道がひらけると、また新たな可能性も生まれるよね。
裕翔: そうなんです。他にもグループの中の自分の話でいうと、それまでスーツを着るような役をやる人があまりいなかった中で、ドラマ『半沢直樹』というすばらしい作品に恵まれたことも、ひとつターニングポイントになったという感じがしていて。ファンが増えた手ごたえもあったんですよね。だから30代も、自分にできることを見つけて突き詰められる時間にしたいなぁと思います。
中島裕翔と、スーツ
MN: スーツといえば、その着こなしに関して、裕翔くんは並々ならぬこだわりがあるよね。まさに『SUITS』というタイトルのドラマにも2シーズンにわたって出演していたし。
裕翔: うん! でも僕、実は体型にちょっとしたコンプレックスがあったんですよね。部活動っていうものをやったことがなかったし、しっかりスポーツで鍛えた筋肉もなかったんで。“なんかちょっと細いよなぁ”って、ずっと気にしてて。だから体がしっかりしている人になりたいと思っていたし、憧れがありました。そのほうが、演技をしても存在感に説得力が出るような気がしたし、少しずつ大人にシフトしていくにあたって、そういう外見的なことを磨いていくのも必要だよなと思っていたんです。そして何より一番に、スーツをカッコよく着たいっていう気持ちが僕の中にずっとあった。スーツを着る役をいただくことが増えた頃から、もうちょっとスーツが似合う体になりたいなって思っていたんです。で、これまであんまり肉体改造みたいなことに向き合ってこなかったけど、実際年齢も大人になってきたし、やってみようかなと思い立って、ちょっと時間があったタイミングで筋トレを本格的に始めました(笑)。
MN: 突然の筋トレ話!(笑)
裕翔: そうなんですよ!! 楽しいです!(笑)
MN: 好きな服をもっとカッコよく着こなしたり、自信をプラスアルファでつける要素として、ビジュアル面でのブラッシュアップにも臨んでいるんだね。
裕翔: そうそう! もともとは嫌いだったんですけどね、筋トレ。一度やったときにかなり筋肉痛になって、あの疲労感がもう大っ嫌いで無理だと思っていたんですけど、今は楽しくてしょうがない。“わ、次もう55キロ挙げられんじゃん!”みたいな(笑)。
MN: 完全にハマった人のフェーズに…! 次の撮影で、衣装に袖が通らなくなっていたらどうしよう(笑)。
裕翔: ちょっと服がきつくなってるのは、スタイリストさんには申し訳ないけど、こっそりうれしいです(笑)。でもやっぱり、ちょっとした自信につながるんですよね。前よりスーツを着たときの見え方も変わってくるかなって。
MN: スーツはこれまでもすてきに着こなしていたけど、どちらかというとモデルとしてはモード寄りの仕上がりだったよね。
裕翔: そうなんですよ、タイトなシルエットでね。それはそれですてきだけど、30代はしっかり大人の男として、胸板と背筋でスーツを着られる大人になりたいんですよね!
世界が広がった、ベルリンの景色
MN: 20代で、とびきりうれしかったことは?
裕翔: うれしかったことかぁ。ひとつだけ見つけるのは難しいけど…ベルリンに行ったっていうのが、けっこう大きかったですね。
MN: 裕翔くんが主演の映画『#マンホール』が、ベルリン国際映画祭に正式に招待されて、レッドカーペットや記者会見にも出席したんだよね。(編集部注:第73回ベルリン国際映画祭の、「ベルリナーレ・スペシャル部門」に正式招待)
裕翔: そうなんです。もちろんいい思い出は他にもたくさんあるけど、これをうれしかったことに挙げたのは、またひとつ新しい世界を知ることができたって思ったから。緊張もしたし、不安もめちゃくちゃあったけど、行って飛び込んでみないとわかんないことってたくさんあるんだと実感したので、経験できてよかったなぁって思いましたね。上映後、記者の方からのQ&Aに答える会見もいい経験になったと思う。
MN: 各国の記者の質問に、英語でもかなり打ち返していたよね。できるところは通訳を介さずに話そうという姿勢はすばらしかった。英語を勉強しているとは聞いていたけど、見えないところですごく努力していたんだな、と。
裕翔: いやいや、まだまだなんですけど、そう言ってもらえると素直にうれしいな。ああいう会見って、テレビとかで見たことはもちろんあったけど、なんというか、“あぁこういう感じなんだ”っていうのをすごくリアルに肌で体感できましたね。これまで見たことがなかった世界を新しく知ることができたっていうことはもちろん、日本とは違う空気感や求められることの違いを感じられたのも面白かった。同時に、今の自分に何が必要かがわかった気もするし。
MN: それは、どんなこと?
裕翔: やっぱりね、もっともっとたくさんの人に広く知られるような人にならないといけないなって思った! ベルリンで世界をちょっとだけ覗かせてもらったときに、もっと海外に出たいならしっかり意識を変えていかないと、って背筋が伸びました。そのために何をしていくか。それは英語もそうだし、芝居もそうだし、あとは思考もそうですね。海外に行くときは、いろいろなことをちゃんと向こうの基準で考える必要があると思いました。だからこそまずは、国内での活動も本当に大事にして、しっかり実力を磨いていかないといけないんですよね。
MN: もっと頑張ろうっていう目標が、大人になっても新たに出てくるのはすてきだね。
裕翔: すごくいいことだと思います! 変に打ちのめされるとかじゃなくて、ワクワクしていますね。あとね、僕、海外のコレクションを間近で観てみたいっていう夢もあるんですよ。ストーリーのあるファッションショーにずっと憧れがあって。自分たちのコンサートにも生かせることがたくさん詰まっていると思う! 斬新な演出のアイデアや、照明の面白さ、衣装やモデルの見せ方を、ファッションを通して勉強したいですね。
MN: 次はフロントロウに座る裕翔くんを、楽しみにしています!
悔しい思いをしたからこそ、
できるようになったこと
MN: 逆に、20代で悔しい思いをした出来事は?
裕翔: もうね、悔しいことなんていっぱいありますよ(笑)。みんなも毎日頑張っていたらそうだと思うけど、僕も同じ! でも、“考えても仕方ないな”みたいな切り替えもできるようになってきました。例えばやってみたい役があって、でもそれがタイミングとか、いろんなコンディションでできないってなったときに、自分の努力とは関係ないところの話だったら、悔しいは悔しいけど、しょうがないねって。いや、もちろん悔しいですよ!(笑) でもその分違うところに集中できるし、他にできることを探したほうがいいと思うようになったんですよね。
MN: 20代でやってよかったことの話にも出てきた、できないことよりできることを…のマインドだね。
裕翔: もともとはヘタなんですけどね、切り替えるの。本当はネガティブシンキングなほうだから、悔しさを引きずっちゃう時期もありましたよ。それに、何でもやる前に“うまくいくかなぁ、なんか言われんじゃないかなぁ”とか心配したりもしてた。でも最近気づいたのは、だいたいのことは取り越し苦労だってこと。自分の中で想像していることって、ほぼほぼ起きない。だから、そんなに不安視しなくてもいいかって思えるようにはなったかな。それにいざ何か起こったとしても、ある程度解決できる力は昔より備わってるじゃんっていう自信もあります。あとはジャニーズJr.の頃から鍛えられた、何事も“やんなきゃいけない精神”で乗り切れるかなと(笑)。
MN: じゃあ今は、昔より落ち込むことも少なくなった?
裕翔: 自分自身が反省したほうがいいようなことは、1日くらいは引きずるかな…。僕、スイッチが入ると結構わーっとしゃべっちゃうタイプなんですよ。そうなってしまうと、感覚的な話なんだけど、フィルターが薄くなることがあるというか、ブレーキが弱くなる瞬間があるというか…OKとNGの境目があいまいになるというか? それで何か言ってしまった後で、“あー今のちょっと余計なひと言だったな”って感じるときはあります。で、その日はそれを引きずって、風呂の中で考えちゃいますね。湯船につかっているときとか、ドライヤーしてるときに“今日こんなこと言っちゃったなー”って。
MN: お風呂時間のあるあるだね…。
裕翔: ね、あれ何なんだろうね(笑)。ドライヤーしてて、“あー”ってなること、よくある(笑)。でも、やっぱり言っておかなきゃいけないことはあるじゃないですか。大人になったからといって意見をのみ込めるわけじゃないし。ただ、その言い方を考えるのが大事なのかもしれないですね。言い方の方向性だったり、言葉選びだったり、どう伝えるかは考えたほうがいい。そういう面でしっかり大人になっていきたいな、考えていかなきゃなと思います。
ふとした瞬間に、
“あ、大人になったな”
と自分で思うこと
MN: そういう経験や思考の積み重ねで、大人になっていく感じがする?
裕翔: そうですね。いろんな場面で大なり小なり、自分も大人になったなって思う瞬間はあります。考え方とか、立ち場とか。最近自分が大人だって一番実感するのは、単純に下の世代の子が増えたのを目の当たりにしたときかな(笑)。大きな音楽番組で事務所の他のグループと一緒になると、“あれ、いつのまにか俺たち上から数えたほうが早いじゃん…!”ってなる(笑)。あとはね、ちょっと下の子の感覚がわかんなくなりつつあったり(笑)。
MN: え、裕翔くんでもわからないの?
裕翔: わかんないっすよ!(笑) 10代の子とか20歳そこそこの子を見ると、“現代っ子だなー”とか普通に思いますよ。現場での作法みたいなものも、自分のときとは全然違うなと思ったりして、そこに驚きと、 “あれ? もう俺って古い…?”みたいな悲しみが(笑)。そしてちょっと傷ついたりもして(笑)。
MN: 傷ついちゃったんだ(笑)。
裕翔: あはは、そうそう(笑)。でも時代的に、僕らの駆け出しの頃とはいろいろ変わっているから、当然なのかもね。あっ、ていうか駆け出しの頃といえば! 本当に小さいときにお世話になった人と、もう一度仕事をする機会が増えました。「あー! あのときの!!!」みたいなうれしい再会があるんですよ。例えば、僕が事務所に入って本当にすぐの頃に出演させてもらった、木村拓哉さん主演の『エンジン』という月9のドラマがあるんですが、そこでご一緒した音声さんに別の現場でまた時を経てお会いすることができました! うちのメンバーの有岡(大貴)も出ていたんですけどね、すごく懐かしくて。そういう瞬間に、大人になったな~って思うんですよ。
MN: いい話! 裕翔くんもその音声さんも、どちらも続けてないと会えないもんね。
裕翔: そうなんですよ! 2人とも、変わらず現場で仕事ができていることがなんかもう、めちゃくちゃうれしくて。当時を思い返しつつ、また新しい現場でも一緒に頑張れるなんて、まさに戦友という感じ。それってやっぱり、大人にならないと味わえないことだったなと。
「ミドル」を楽しみたい今
MN: 役者としてのキャリアはもうその頃からスタートしているわけだけど、30歳になった今、自分の強みだと思うことは?
裕翔: うーん、今率直に感じることは「ミドル」や「中間」というものを表現できることかな。30歳って確かにしっかり大人ではあるんだけど、同時に“まだまだ”な年齢でもあると思うんですよ。だからこそどっちもできるって僕は思っていて。例えば役で言うと、何かを探し求めている最中であるとか、まだ何者でもない途上の人間を演じることもできるし、一方で、ひとつ芯を持っている人とか、何かを極めている人の役もできる。最近、自分がいただく役の幅が広がってきたなと思ったことがあったんですが、「結婚」とか「離婚」とか、そういうワードがつきまとう人物を演じられるようになってるなぁって。
MN: 去年ドロドロしてましたね(笑)。
裕翔: めっちゃドロドロしてた!(笑)
MN: ドラマ『純愛ディソナンス』では、まさにそういう役を演じていたよね。
裕翔: そう! だから“あぁ、なんかシフトしてるなぁ”とも思いつつ、でもドラマ『大奥』では、まだ18、19歳の若者の役を演じていたり。
MN: 『大奥』の水野祐之進の初々しさと、『純愛ディソナンス』の新田先生の振り幅は、すごかった!
裕翔: うれしい(笑)。もっと若いときって、今より渋くなりたいとか、大人っぽいことをやりたいって背伸びしちゃうことがあると思うんだけど、逆に今は、どっちもできることが自分の強みになればいいかなとは思ってますね。
これから叶えたい、3つの夢
MN: 今後、人生においてこれだけは叶えたいっていう夢はある?
裕翔: いっぱいある…!
MN: おぉ、すばらしい!
裕翔: 欲張りっていうことじゃなくて、僕には“グループ活動・個人活動・プライベート”っていう3つの立場があると思っているので、そうなるとおのずと3つ考えられるんですよ。
MN: 張り切って3つ全部お願いします!
裕翔: あっはっは! じゃあ全部話します(笑)。まずグループでは、国立競技場に行きたいなと思ってる! 最近はずっと、東京ドームをはじめ4大ドームでコンサートをやらせていただくことが増えて、それはもちろんありがたいし本当に面白いんだけど、じゃあその次、ファンに新しい自分たちを見せるとか、ファンと一緒に違う景色を見るなら? って考えたとき、やっぱり国立競技場だなっていうのが僕の中にひとつあるんですよね。
MN: すごく楽しそうだね。またいろんなアイデアがありそう!
裕翔: そして個人の活動としては、さっきも少し話したように、海外の作品に携わって、もっと世界を知りたい!
MN: 今、その気持ちがとても強いんだ。
裕翔: うん、その思いがありますね。やっぱり海外の仕事をして、世界って広いなって思ったし、“あ、これ面白いな”って純粋に感じたんですよね。仕事で出会うヘアメイクさんとかスタイリストさんとか、海外で活躍されていたスタッフさんの話を聞くのも面白いし。そのために英語も頑張っているから、せっかくなら生かしたいなって思うんですよ。
MN: グループ活動も、個人活動も、しっかり目標があるんだね。
裕翔: そうですね! あとは個人的なことで言うと…本当にプライベートの話になるけど、いつかは家庭を持ちたいなって最近ちょっと考えるというか、そういう夢が出てきましたね。
MN: それは最近思うようになったこと?
裕翔: うん、前までは全然(笑)。なんなら、やっぱりずっとひとりがいいなとも思ってるけど(笑)。
MN: どっちなの(笑)。
裕翔: あはは! ちょっとそういうことを思い始めたきっかけがあったんですよ。友人の家庭がね、すごくほほ笑ましいの。僕より年上のご夫婦なんだけど、子どもの話をしてくれるとき、めちゃくちゃ幸せそうな顔をしているんです。“なんだこの幸福感は”と思って(笑)。本人たちにしかわからない苦労はもちろんあるだろうけど、本当にすてきなんだよね。今はまだかなり漠然としてますけど、自分にもそういうことをちょっとだけ考えるときが来たのかなと思いましたね。でもこれは、年齢の数字的なところによるものじゃなくて、僕の中の心境が自然に少しずつ変わってきた感じかなと思います。家族を持つって、父親になるって、どういう気持ちなんだろうって、経験したことがないのですごく興味があります。
バースデーボーイからのメッセージ!
MN: 最後に、恒例のメンズノンノ読者へのメッセージをもらって、お開きにしましょうか。
裕翔: はい! 10代、20代の読者の皆さんより、ひと足先に30代になりました! そして僕より年上の読者の人たちもいるから、今のメンズノンノ読者みーんなのセンスを一緒に表現できる人になりたいなと思っています! まだまだ勉強することもあると思うけど、僕はもうとにかく楽しいんで(笑)。メンズノンノの現場が心から楽しいから、もっともっとやりたいし、せっかくこういう場をもらっているので、自分だったらもっとこういうことができるんじゃないかなっていう、クリエイティビティを発揮できるような人になりたいと思っています。メンズノンノを通して男子のファンが増えたっていうのはすごくうれしいっていつも感じているし、“マジ強い!”って思ってます(笑)。後輩も出ていることですし、皆さん、これからもよろしくお願いします。
MN: すてきなメッセージありがとうございます。メンズノンノも裕翔君のことが大好きですよ! 編集部みんなでお祝いしています!
裕翔: いやー、大丈夫? こんなに愛されて(笑)。うれしいわ~。今後もメンズノンノを楽しく盛り上げていきたいと思っているので、皆さん、また誌面でお会いしましょう!
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中島裕翔(なかじま ゆうと)
1993年8月10日生まれ、東京都出身。2017年6月号よりメンズノンノのレギュラーモデルを務める。2022年11月にデビュー15周年を迎えたHey! Sɑy! JUMPのメンバーとして活動し、俳優としても数々の話題作に出演。9月には舞台『ひげよ、さらば』への出演が控えている。
Model:Yuto Nakajima Photos: Teppei Hoshida Hair & Make-up:oya[KIND] Stylist:Yoshiaki Komatsu Cooperation:都夏 下北沢本店
LIVE Blu-ray & DVD
『Hey! Sɑy! JUMP 15th Anniversary
LIVE TOUR 2022-2023』
Hey! Sɑy! JUMP
ジェイ・ストーム
Hey! Sɑy! JUMP、CDデビュー15周年を記念して2022年12⽉から全国4⼤ドームにて開催されたコンサート「Hey! Sɑy! JUMP 15th Anniversary LIVE TOUR 2022-2023」より、東京ドーム公演の模様を収録したBlu-ray&DVDが発売中。誰もが知る名曲の数々も満載の、“これぞHey! Sɑy! JUMP”とも⾔える、ザ・エンターテインメントなライヴ映像。通常盤には、特典映像として、ソロアングル3曲を収録。
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