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特定の企業や組織に属さず、自身のノウハウで仕事をつかむフリーランス。きっかけや働き方など気になるライフスタイルにフォーカス! 第一線で活躍するPR・近藤吉孝さんの、独立にいたる経緯と今を聞いてみた。
FREELANCER
PR
近藤吉孝さん
YOSHITAKA KONDO
ファッションブランドや映画のPR、コンテンツ開発などを手がけるPRマン。お酒好きな一面も。
PRに必要なのは
コミュニケーション
「PRという仕事を簡単に説明すると、モノやサービスの価値を高めるお仕事です。その内容はメディアリレーションやSNSの舵取(かじと)り、ブランディングにニュースリリースの制作など、具体的な業務は多岐にわたります。そしてフリーランスとなると、相手次第で必要なことが都度変わってくることも。だから僕が仕事をするうえで一番大切にしているのはコミュニケーション。
例えば、メールでお仕事のお願いが来たとしても、すぐにはスタートさせず、まず会って相談をする。本当にPRが必要なのか否かを見極めるようにしています。なので方向性をお話しするだけで、直接仕事につながらないことも往々にしてあります。目先の売り上げで僕も仕事を選びたくないし、何よりクライアントさんにムダなお金を使わせたくない。この考え方は会社組織ではない、フリーランスだからこそできること。そうして真摯(しんし)に向き合えるのが自分の強みでもあるので」
一方で仕事としてPRを任されたときは、現場ファーストで心がけていることがあるそう。
「極端な話ですが、僕が生業(なりわい)としているPRという仕事は、現場の人ができることも十分あると思っていて。なので契約が成立し、PRとして現場に入るときには、物事を俯瞰(ふかん)できるスタッフが増えるように、決め事の裏にある意図までを伝えながらコミュニケーションを取るようにしています。理由は簡単で、そういうスタッフが育つことが、中長期的にブランドの価値を高めていく一番の近道になるからです。“近藤に頼んでよかった”と言われるような仕事をこれからも続けていきたいですね」
気がつけば副業が仕事に
「現職のフリーランスPRとして独立する前は、ずっとアパレル業界に身を置いていました。ブランドの販売に始まって、メンズウエアのEC販売、そしてディストリビューターとして海外ブランドの卸まで、とにかくいろいろ経験しましたから。特に最初に入社した会社は、規模がそこまで大きくなく、ひとりで何でもやっていましたね。販売や広報はもちろん、商品企画や新店舗の立ち上げ、さらには内装のディレクションまで振られたりして。未経験から始まったアパレル業界でしたが、退社する頃には社内の何でも屋さんのような存在になっていました(笑)」
現場たたき上げで身につけたアパレル業界の経験は、着実に自身の強みに。周囲からの信頼を得ていくうちに、とある相談が増えてきたそう。
「そうしてできることが少しずつ増えていくと、キャスティングやPR、イベントの運営の相談を受けるようになったんです。初めはお手伝い程度のものでしたが、それがだんだんとお仕事へとシフトしていって。本業に支障がないようにしていたその副業でしたが、気がつけば休日だけでは手が回らなくなってきてしまって。そのタイミングでPRとして独立することを決めたんです。思えば、なるべくしてフリーランスになったのかもしれません(笑)」
Photos:Norito Ohazama Composition & Text:Kanta Hisajima
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