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特定の企業や組織に属さず、自身のノウハウで仕事をつかむフリーランス。きっかけや働き方など気になるライフスタイルにフォーカス! 第一線で活躍する車屋・南部翔也さんの、独立にいたる経緯と今を聞いてみた。
FREELANCER
車屋
南部翔也さん
SHOYA NAMBU
tokyo basic car clubの名義で車の個人売買仲介業を展開。カーライフを発信するYouTubeも人気。
マーケに広告、会社員時代の
経験が今生きる
車の個人売買仲介や、カーライフの魅力をSNSを使って発信する南部さん。前例の少ない個人の車屋として活動を続ける彼の挑戦は、独立を見据えた就職活動から始まっていた。
「漠然とした独立願望は学生の頃からあったのですが、当時の僕は何のスキルも持ち得ていないただの大学生。なので就職活動は、将来の独立に生かせそうなマーケティングや広告などの業界に絞っていました。その時点で具体的な将来のビジョンが見えていたわけではないけど、商売には必ず必要なノウハウだと感じていたので」
そうしてマーケティング会社に新卒入社し、その3年後には広告代理店へ転職。この2社で得たものが現在の仕事にも通じているそう。
「働いていた2社では、テレビ局や広告代理店などのクライアントとマーケティング戦略を練ったり、SNSを使ってブランドやプロダクトを世の中へ広めていったり……いろいろな経験を積みました。モノがいいことは前提として、その魅力を認知させる現代の仕組みを少しずつ理解できるようになったんです。そしてこのノウハウがあれば、自分の仕事に価値を生み出せるのではと考え、思い切って会社員を辞めることに」
経験からスキルを得て動きだした南部さん。自身の趣味をヒントに、フリーランスとしての挑戦がスタートしたという。
「せっかく独立するなら、自分が楽しいと思えることをしたい。だから昔から好きだった車を軸に商売を始めました。僕が実現したいのは、若い世代に車の魅力を知ってもらうこと。そのためにあるのが、tokyo basic car clubです!」
しばらくは完全に赤字。だけど
好きなことだから続けられる
会社を辞めて始まったフリーランスの車屋。その走りだしは、快調とはいかなかった。
「僕の仕事を簡単に説明すると、車を売りたい人と買いたい人をマッチングさせることです。だけど初めは手放す予定の車を僕に任せてくれる人や、フォロワー数十人のインスタアカウントから車を買いたい人がいるわけもなく、当初の売り上げは当然ゼロ。信頼と実績のない僕を認めてもらうために、まず注力したのはSNSでした。
カッコいい車乗りへのインタビュー動画や、プロモーションムービーを制作し、それをYouTubeやインスタに投稿。そうすることで存在をアピールしてスタイルを確立させていく。制作費ばかりがかさむ毎日でしたが、個人で受けていたウェブマーケの稼ぎでなんとか採算を合わせていて。今だから言えるけど、走りだしは本当にギリギリの状態でしたね(笑)。大好きな車を扱う仕事だから粘れたんだと思います。
そして利益が上がるようになったのは3年目以降で、売りたい、買いたいの声がDMでやっと届くようになりました。なので大切な愛車の売却や、新しい車探しを僕に任せてくれた人の信頼には、全力で応えていきたいんです」
Photos:Norito Ohazama Composition & Text:Kanta Hisajima
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