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働きまくれば「仕事ができる」と評価される時代はとっくの昔に終わった。じゃあ、令和の“シゴデキ”はどんな人? 芸人・ミキから情報収集!
「シゴデキ」じゃないと務まらない!
芸人・ミキが語るシゴデキってこういう人!
場のモチベーションを上げられないと務まらない仕事=芸人。芸人としての活躍ぶりはもちろんのこと「現場を和ませてくれる」「居心地がよすぎてマネージャーが安心しきっている」など、スタッフサイドからも仕事ができるとの声多数のこのふたりに取材!
ミキ
兄・昴生(右)、弟・亜生(左)の兄弟コンビ。2012年結成。17年、18年の「M-1グランプリ」で決勝進出。TBS情報番組『よるのブランチ』『ラヴィット!』レギュラー出演中。
人間観察→答え合わせで空気を読む力が鍛えられた!?
昴生 仕事って内容より手前の印象がすごく大事よ。まずはしっかりした挨拶。一番大事。意外とちゃんとできない人も多いやん。勢いが弱いくらいなら全然ええけど全くしない人もおる。嫌な覚え方されますよ〜。初歩的なことができない人かな?って。
亜生 挨拶とか礼儀とか、僕らは先輩から教えてもらえるからなぁ。飲み会で後輩がどう動くかは、アインシュタインの河井ゆずるさんに教えてもらった。「お前が一番後輩やろ」「先輩がこれやってんのやから、お前が動けや」とか。最初は言われないとわからないから、ありがたかった。
昴生 芸人は空気を読んで先回りする力はよくも悪くもついちゃう。飲み会での立ち振る舞いに限らず。
亜生 この人今ピリッとしはったなとか、顔色読む力がつきますね。
昴生 人間観察するからやろな。打ち合わせ中とかでも、「この人なんでこんなこと言ったんやろ?」とかめっちゃ考えるから。帰り道で亜生とマネージャーさんと答え合わせする。「あのとき絶対こう思ってたよな」って。そういうので鍛えられてるんやろな。
亜生 兄ちゃんは、僕が全然気づいてないことまでよく見てるなぁ。
昴生 打ち合わせだと、説明の端折(はしょ)り方がうまい人も頭いいんやろなって思う。台本を全文事細かに説明されると「日本語読める! 漢字も全部読める! 読めんかったら聞く!」って思っちゃう。教科書に引く赤線が少ないやつほど仕事できるイメージあるわ。教科書真っ赤なやつはだめですよ。
亜生 俺やな? 歴史も数学も教科書まるまる覚えてた俺の話やな? 僕は、就職したけど仕事ができなくて辞めて、お笑い始めてるからなぁ(笑)。
昴生 その時代に仕事ができるな、っていう人おった?
亜生 介護職時代、師匠とあがめてたシゴデキの上司はいた。仕事が丁寧すぎて時間が押して、次のお客さんとの約束に遅刻することもあるのに、丁寧で信頼があるからクレームが出ないの。「○○さんが来てくれるならいい」って。部下にも絶対怒らなくて、僕が車をぶつけたときも「えぇよぉ」って……。
昴生 あかんやろ!
亜生 「怒ると萎縮してまたミスするやろ?」「本当はダメやから緊張感は持ってな」ってフォローしてくれた。
仕事に愛があることが一番大切!
昴生 それは愛があるなぁ。仕事できるできひんって俺あんまりわからんけど、一番大事なのは愛やと思います。仕事って結局人間関係やから。全く売れてないときに、僕らのことを見てアドバイスしてくれてた劇場の支配人さんのこと、俺ら一生忘れへんもん。
亜生 どんなに大きい番組が入っても、その人からの仕事は絶対に受けるって決めてます。
昴生 芸能界だけじゃなく、どんな仕事の方でもそういうことあると思う。そういう意味ではずんの飯尾(和樹)さんの仕事ぶりも、勉強になる。僕らと3人でのロケ中でも、カメラ回ってないときもずっとオンで、場を和ませていて。みんなから「また仕事したい!」と愛されてるんやろなぁって。
目先のシゴデキより未来の仕事
亜生 目先のシゴデキより、「また仕事したい人」になりたいですね!
Photos:Daishi Saito Composition & Text:Miki Higashi
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