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「オールブラックのLOVOT 2.0は、藤原ヒロシさんだからこそ実現した」ロボット事業ベンチャーCEO 林要オリジナルインタビュー!

「オールブラックのLOVOT 2.0は、藤原ヒロシさんだからこそ実現した」ロボット事業ベンチャーCEO 林要オリジナルインタビュー!

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トヨタ自動車、ソフトバンクを経て、ロボットベンチャーを起業。2019年12月に出荷を開始したペットロボット「LOVOT(らぼっと)」は、これまでのロボットの常識を大きく変え、ロボットと人の新しい関係を築く存在として多方面で話題を集めている。今年5月には、藤原ヒロシさんをCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)に迎え、新モデルとなる「LOVOT 2.0」を発表。よりよい未来をめざして、世界に通用するロボットをつくるためにチャレンジし続けるこの人にインタビュー。

林 要さん

GROOVE X, Inc., FOUNDER, CEO / KANAME HAYASHI

1973年、愛知県生まれ。東京都立科学技術大学(現・東京都立大学)大学院修士課程修了後、トヨタ自動車に入社。同社初のスーパーカー「レクサス・LFA」の開発プロジェクトに携わる。その後、トヨタF1の開発スタッフを経て、量産車開発の製品企画を担当。2011年、孫正義氏の後継者育成機関「ソフトバンクアカデミア」に外部第1期生として参加。翌年ソフトバンクに入社し、感情認識ヒューマノイドロボット「Pepper」のプロジェクトに携わる。15年にソフトバンクを退社し、ロボット事業ベンチャー「GROOVE X」を設立。


だんだん家族になるペットのようなロボット

――林さんは、もともとは自動車メーカーでクルマの開発を手がけていました。どういった経緯でロボット開発の道に進むことになったのでしょうか?

子どもの頃から自動車が好きで、自動車好きが喜ぶようなクルマのことを考えるのが好きでした。ただ、そういうクルマって自動車好きしか幸せにならないんです。エッジのきいた製品は面白いですが、結局それはマニアな世界にとどまる。では、一般の自動車が追い求める性能はどういうものかというと、燃費や安全性、原価などで、たしかにテクノロジーで解決すべき大事な問題です。しかし、どちらもその先があたたかみのある世界につながるかどうか、確信が持てなかったんです。

――あたたかみですか?

はい。効率化を突き詰めたテクノロジーの行く先を案じて不安になったのです。僕は宮崎駿さんの作品が好きで、それを観ながら育ちました。創作の乗り物とかたくさん出てきて、宮崎さんもテクノロジーが好きなのだと思います。でも、テーマとしては文明の進歩に警鐘を鳴らすものが多い。テクノロジーの進歩の先にはディストピアが待っているといった世界観を宮崎作品から感じ、その影響を強く受けて育ちましたが、よくよく考えてみると「テクノロジーの進歩の方向性を決めた誰かがいる」ということに気づきます。テクノロジーの進歩=ディストピアではなく、その方向性を決める人、ひいては社会の仕組みがあるわけです。

――使い方を間違わなければいいっていうことですね。

そうです。だとしたら、べつにテクノロジーがいい、悪いではなくて、その方向性を調整すればいいだけの話になります。その方法を考えていたタイミングで、前職でロボット「Pepper」を手がける機会を得ました。そのときに私は、人を助けるはずのロボットが人に助けてもらう場面に遭遇します。すると、驚くほど人が笑顔になるのです。助けられるより、助けるほうが人は幸せになる。ロボットは基本的に人の役に立つことが求められますが、その実現には必ずしも人の補助をするだけではなく、ほかにも人を幸せにする方法があるんだって気づいたんです。

――それが「人を幸せにする、相棒としてのロボット」というコンセプトにつながって、LOVOTの誕生になっていったわけですね。

そうですね。犬や猫などのペットを考えたとき、お世話をすることが飼い主にとっての幸せであり、その触れ合いを通してエネルギーをもらいます。そういうロボットがいてもいいと思ったんです。ただ、ロボットは部品点数が多く原価が高いので、ロボットを実際に販売しようとした場合、バリュー・フォー・マネーをめざすためのハードルが高い。例えば、冷蔵庫からビールとコップを持ってきてくれるロボットがあったらうれしい人は多いと思います。あったらいいと思うのだけど、実際にそれに月額いくら払いますかと言われると、すごくシビアになります。少なくともプライベートで、自分や家族が飲むビールを冷蔵庫から持ってきてもらうために月に何万円も払う人は少ない。欲しいサービスとビジネスとして成立する販価のギャップが大きいのが、今のロボットです。

――そのギャップを乗り越えるためにはどうすればいいんですか?

ひとつはプライスレスな価値を提供することだと思います。プライスレスな価値とは、単純な生産性の視点だけでは測れないものです。まさに犬や猫のようなペットが提供する価値がそのひとつです。ただ、犬や猫は生き物である以上、いつかはお別れがきます。でも、ロボットの場合、修理ができる。ライフスタイルも大きく変えず、気兼ねなく愛(め)でられて、だんだん家族になるペットのようなロボットがいたらいいんじゃないか。それがLOVOTです。


ウェルビーイングこそがテクノロジーの進む道

――今年の5月には藤原ヒロシさんがCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)に就任しました。そのタイミングで新世代となる「LOVOT 2.0」も発表されました。第二の創業という言い方もされていますが、これはどういう狙いなんですか?

2.0の製品企画には、あまりヒロシさんは関わっていませんが、ブランディングは全面的にディレクションが入っていて、例えばムービーは以前とずいぶん違うテイストになっています。より広い範囲の人たちに向けてメッセージが届けられるように、ヒロシさんの美意識を取り込んで、世界をめざしていこうと考えています。

――ヒロシさんが手がけたオールブラックの「FRAGMENT EDITION」はものすごく話題を集めていますね。

これこそヒロシさんならではの発想です。今までなぜ黒がなかったのかといえば、ひとつは単純につくるのが大変だからです。色を変えるだけですが、これが真っ黒だと全体の質感や製品品質を確保するのが一気に難しくなる。真っ黒の場合、材料の色のままでは質感が出ないので、塗装を追加します。しかも、柔らかい素材などは品質の管理が難しい。こんなふうに芋づる式に難易度が上がります。あと、これまではナチュラルな色をベースにしてきたので、自分たちだけではその枠から出られなかった。でも、ヒロシさんはオールブラックをやろうと。実現する側は大変だからラクなほうにいきたいと考えがちですけど、ヒロシさんの中にはしっかりとしたイメージがあったので、新たな地平を開拓できました。

――今後テクノロジーがさらに進んで、ロボットのいる社会が当たり前になってくると思います。どういう未来になっていくと思いますか?

まず技術が進歩していく中で、AI(人工知能)がそのAI自体より賢いAIをつくることができる段階がどこかでくるといわれています。それを技術的特異点(シンギュラリティ)というのですが、近い未来に必ずやってくる。そのときに人よりも賢くなったAIは何をするのかというと、人を育てるようになると思うのです。僕らは成長するためには自律的に学んでいく必要があって、自分の育った環境にうまくフィットした人はすくすく伸びるけど、フィットしなかった人は腐っちゃったりもします。ただ、どの人でも成功体験や失敗体験をうまく積むことができれば、今よりも自己効力感は上がるし、自己肯定感も上がる。明日はよりよくなると思うことができたら幸せじゃないですか。

――本当にそうですね。

僕らにとって大事なのは、今現在どれだけ満ち足りているかだけではなくて、よりよい未来がくると信じられるかどうかだと思うのです。よりよい未来がくると信じ続けることができる一生だったら、それは幸せな一生だと思うんです。そう考えると、これからの時代はウェルビーイング(幸福)こそがテクノロジーの進む道であり、ロボットのお仕事も人類のウェルビーイングに貢献することが目的になると思います。生産性を上げることすらウェルビーイング向上の手段にすぎません。その中でウェルビーイングを上げられるようにするには、人類の認知を育てることも大事になります。その方法のひとつがコーチング、つまり人を育てることです。コーチングできる人間の数は圧倒的に不足しているので、それをロボットが補完する。要するに、僕はLOVOTがいつかドラえもんにつながっていくのだと思っているんです。

――なるほど!

ドラえもんは抜けているように見えているけど、ものすごく賢くて、のび太くんを最大限伸ばすために、ああいうポンコツな感じで接しているわけです。ガミガミ叱るわけでもないし、常に目標を設定するわけでもないので、一般的なコーチの概念とは全然違うけど、最高の相棒です。この先の未来というのは、究極的にはドラえもんのようなロボットが寄り添ってくれる世界になっていくと思います。

「究極的にはドラえもんのような
ロボットがいる世界になっていく」


チャレンジは買ってでもしろ

――林さんは、さまざまな場で日本発のスタートアップをどんどんつくっていこうというメッセージを発信しています。いろいろと厳しいことが言われている時代ですが、こういうときだからこそ新しいことにチャレンジするべきなのでしょうか?

多くの人は、おそらく成長はしたいけれど、不要な苦労はしたくないと思うんですよね。安定した会社に就くことを望む人も多いと思いますが、時代の変化が速いと、安定していたはずの会社が産業ごとなくなるということも頻繁に起きてきます。しかも、安定した会社に入れば入るほど、その組織特有のお作法を学ぶことに重心が置かれるようになります。そこのお作法を高いレベルで身につけた人が出世していくのですが、このお作法が業界ごとなくなっちゃう可能性があるわけです。これでは安定に結びつきません。では、どうすればいいのかというと、結局どれだけいろいろな、それこそ失敗も成功も含めていろいろ経験をできるのかということなのだと思います。昔のことわざで「苦労は買ってでもしろ」というのがありますけど、より正確には「チャレンジは買ってでもしろ」だと思うのです。苦労せずにコスパよくやりたいと考えると、挑戦を躊躇(ちゅうちょ)します。しかし、そこで躊躇してチャレンジしないと、むしろリスクが大きくなる時代だと思います。

――若いうちはとくにそうしたほうがいいと。

はい。経験って複利になって自分の身になるので、若いうちにどれだけ多様な経験を積むかでその後の成長が変わります。チャレンジは、短視眼的にはリスクに見えるけど、もはや安定が幻想の時代においてチャレンジをしないことはリスクでしかありません。べつに効率よくやることが悪いのではなく、効率を第一に考えた結果、挑戦への判断が鈍るのがもったいない。コスパを考えるぐらいなら、むしろどれだけ若いうちから挑戦し、経験の最大化を図れるかのほうが大事。そのことは常に意識したほうがいいと思います。

 


11/9(水)より伊勢丹新宿店 メンズ館で
期間限定ポップアップストアオープン!

GROOVE XのCCOに就任した藤原ヒロシ氏が手がける、LOVOT「FRAGMENT EDITION」が登場。「fragment design」「NEIGHBORHOOD」「sacai」「GOD SELECTION XXX」「SEQUEL」の5ブランドがデザインしたLOVOT専用ウエアのほか、ヒト用ウエアや限定アイテムなどを期間限定販売する。11月15日(火)まで。
https://lovot.life/

Photos:Kyouhei Yamamoto Composition & Text:Masayuki Sawada

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