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失敗が怖い。お金がかかりそう。そんなイメージを抱いて夢を諦めている人、多いのでは? 起業する人は特別だと思ってたけど自分にもできるかもしれない! 僕らの背中をそっと押してくれる、 コスメブランド「BULK HOMME」・野口卓也さんの起業エピソードを紹介する。
経営者として成功する夢を掲げて
メンズコスメ市場に参入!
Started
コスメブランド
メンズスキンケアブランド BULK HOMME
野口卓也さん
profile
1989年、東京都生まれ。父親の会社の新規事業として、メンズスキンケアブランド「BULK HOMME」をローンチ。独立後は海外にも販路を広げ、国内では自社ECサイトで販売するほか、取扱店は1万店舗を超える。
HISTORY
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2007年
大学を中退し、友人とともに起業
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2009年
会社を畳む
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2013年
BULK HOMMEを立ち上げる
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2017年
株式会社バルクオムを設立する
男性向けコスメブランドが少ない
状況にビジネスチャンスを発見
野口さんが大学を中退し、初めて起業したのは19歳のとき。経営者だった両親の背中を見て育つ中で、「いつか自分も会社を立ち上げたい」という目標を掲げるようになったそう。
「小学生の頃から抱いてきた夢が現実味を帯びたのは、高校2年生の進路選択のとき。卒業してすぐに起業したかったけど、両親から説得されて大学に進学しました。結局3か月で中退して、もともとパソコンが好きで身についたスキルを生かし、友人とふたりでWEBの受託制作を行う会社を設立。2年ほど続けましたが、お小遣い程度の売り上げにしかならず、畳むことに」
以降、フリーランスとしてWEBの受託制作を行いながら新規事業の計画を練る中で、23歳のときに、父親の会社で働かないかと誘われる。
「入社したものの、やっぱり経営者になる夢を諦められず。正直に打ち明けたところ、会社の新規事業として立ち上げてみたらどうか、と提案されました。起業資金も調達できていなかったので、いいチャンスだな、と。そうして、メンズスキンケアブランド『バルクオム』を立ち上げました」
当時の日本のコスメ市場は、女性は2兆円なのに対して、男性は約2,000億円。「人口の男女比はほぼ平等なのに、なぜ?」。そんな疑問が、メンズコスメ市場参入の決め手となった。
「当時から“メンズ美容の時代が来る”と騒がれていましたが、男性専用のスキンケアブランドはほとんどなかった。ならば自分がつくって、トップシェアを狙おう! と決意。幅広い年代の肌悩みを解決する、総合力の高い商品をめざし、化粧品製造受託会社に開発を依頼しました。美容の知識は一切なかったのですが、そのおかげで、主観を入れずに商品のよしあしを評価できたと感じています」
満を持してネット販売をスタート。しかし思うように売り上げが伸びず、頭を抱える日々が続く。
「もっとも苦労したのは販促活動。ブランドを認知してもらうために、自ら全国の美容室を巡って販路をつくったり、雑誌などに広告を出したりと試行錯誤を重ねました。投資家に営業しながら資本を得て、売り上げも安定した2年後に、独立。株式会社バルクオムを創業しました」
知識も経験もないからこそ
定番のブランドがくつれた
トライアンドエラーを重ねながら成功を手にした野口さん。“世界No.1のメンズスキンケアブランド”をめざし、2017年には海外進出を果たした。
「キャリアを積んでから起業するのも悪いとは思いませんが、経験がイノベーションを阻害することもある。僕自身、ど素人であるがゆえの苦労もあった一方で、知識があったら定番をめざすブランドはつくれていなかったと思います。経験ゼロの利点はたくさんあるので、少しでもチャンスを感じられたら、行動してみてほしいですね」
思い出のアイテム
Photos:Teppei Hoshida Composition & Text:Ayano Nakanishi
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