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編集部が気になる人に会いに行き、仕事からプライベートまでじっくりインタビュー。連載第11週は、ヒット曲「im」をはじめ、「era it」など聞く人に寄り添うラップで人気を博すdodoさんが登場。幼い頃から育った川崎の街を散歩しながら、今思うことを話してもらいました。週末らしいチルなインタビューをお楽しみください。
今はずっとウィークエンド状態。
どう一歩踏み出すか考えています
―最近はどんな日々を過ごしていますか?
あのー…リアルな話をしちゃうと、いま音楽活動としては休業中で、毎日がウィークエンドっていう状態です(笑)。今後、どんな音楽をやっていこうかなって考えた時に、一度立ち止まってから歩いてみたいなって思いまして。
気づくと毎日散歩に出かけています。駅名では知っていたり、電車に乗って通りすぎるだけの場所って結構あって、そんな知らなかった場所へ実際に足を踏み入れて歩くようにしていますね。この前、初めて東横線の祐天寺駅のまわりを散歩してみて、駅名になっている祐天寺に行きました。「累ヶ淵(かさねがふち)」という歌舞伎の演目にもなった累物語のゆかりの地で、舞台公演の前には関係者の方々もお参りに来たりもするそうですよ。
―お詳しいですね!寺院仏閣巡りもお好きなんですか?
はい!結構、寺院仏閣が好きで「またバズりますように!」っていう煩悩的なお願いをしに参っています(笑)。そこでよくお寺の歴史が書いてある立て看板があって、それを読んで楽しんでいますね。iPhoneって歩数がわかるんですが、それに連動したアプリも色々あって。例えば実際にお店で使えるポイントだったり、仮想通過がもらえたりして、一時期そういうのにハマってて(笑)。散歩を始めたきっかけもそれです。
1日1万歩ぐらい歩ければ自分的には納得ですね。あとは1日の終わりに飲むビール。健康診断を受けたら腎臓にポリープがあるって言われたので、気をつけて飲むのは缶ビール1本にしていますが、自分で作った料理と一緒に楽しんでいます。
ハマっているのは散歩と料理と
購入したばかりの愛車でのドライブ
―ポリープは心配ですが、週末らしい最高の一杯ですね!
実は僕、小さい頃から親と一緒に料理をしたり飲食店で働いていたりという経験もあって、料理するのも結構好きなんです。気合いを入れて料理やるぞ!っていう気分の時はアクアパッツァを作ります。いい息抜きになるんですよね。
失敗することもたまにありまして。スーパーに鯛を買いに行ったら一尾そのまま売ってて、でかい方がいいなと思って購入して持ち帰ったのですが、でかすぎて頭と尻尾が鍋に入らなくて、半煮えみたいになってしまったことがあります。自分の器の大きさを知らず、反省しました。魚を一尾買って料理する時は、お頭と鱗はお店で取ってもらった方が断然ラクですね。
―dodoさんがよく作る定番メニューも教えてください。
パスタをよく作ります。トマトのホール缶とニンニクと冷蔵庫にある野菜、そして最後にシーチキンを入れるだけなんですけど美味しいです。あとはタラの切り身に塩コショウをした後に小麦粉をまぶし、バターで焼いてハーブのタイムを入れると、上品なフレンチっぽいムニエルが出来上がります。これは料理初心者でも上手に作れると思います。ビールにもとても合いますよ。
―散歩と料理、その他にも趣味はあったりしますか?
そうですね、車は最近よく乗っています。ご縁があってメルセデス・ベンツのCクラスを新古車で購入したんですけど、もともと僕は国産車派だったんですよ。世界でも日本の自動車産業は注目され続けているのに、なんで外車乗ってるんだろう?みたいな。でも安く譲ってくれる人がいて一世代前のCクラスを買ったんです。乗ってみると高速で加速した時の性能が段違いによくて、すっかり気に入ってしまいました。
―快適な高速クルーズ、いいですね!新しい相棒のCクラスとどこか遠出は?
4ヶ月ぐらい前に購入したんですが、まだ都内クルージングぐらいで。ただ今度2週間かけて出雲大社まで行こうと思っています。前は伊勢神宮まで車で行ったんですけど、今度は伊勢から四国に入って、広島経由して出雲大社へ行くプランを立てています。カメラも持っていくので、ミュージックビデオという形で、皆さんにも旅先で見る景色をお届けしたいですね。
日本を感じるヒップホップを
誰にも媚びずにやっていきたい
―旅先でこそ出会えるシーンもたくさんありますよね。オンとオフのスイッチはどう切り替えてらっしゃいますか?
オンになるのがなかなか難しくて、本気になるまでに時間かかりすぎるタイプなんです。その結果、オンとオフをつけようってやるとうまくいかないので、オフの延長で楽しみながらオンにしていく方がいいかなっていうのは、今までの人生で学んだことですかね。
それこそ散歩をしながらアイデアが浮かんできたり、旅をしながらミュージックビデオの素材を集めたり。勉強とかもそうだと思うんですけど、やらされてるとか嫌な気持ちがあるとできないので、楽しむためにオフを大事にする必要があるのかなっていう。
―あえてオンにしないという選択、面白いですね。
脳科学者の苫米地英人さんがYouTubeや本で言っているのは、コンフォートゾーンが一番能力を発揮できるっていう。簡単に説明すると、緊張しているよりリラックスしているほうがポテンシャルを発揮できるという話なんですけど。
それを応用していくと、なりたい自分になれるポテンシャルを発揮できるようになるらしいです。お金持ちになりたいなら、そのお金持ちのイメージを自分のコンフォートゾーンに設定するみたいな。そのために見た目からでもお金持ちに近づけていくことが大事で、心地いいことを実際に体感するとその状態が自分のコンフォートゾーンへと変化するんです。すると貧しい状態だと心地よくないから、コンフォートゾーンとなったお金持ちの状態へと自然と向かっていくそうですよ。
ーでは、いまdodoさん自身が思うなりたい自分とは?
自分の根幹の一番にあるものが楽曲制作なので、曲としての品質を上げていきたいっていうのは常々思っていますね。それと同時にステレオタイプのヒップホップというよりは、古来から続く日本らしさを落とし込んだヒップホップを、誰にも媚びずにひたむきにやっていきたいなと。
自分を貫くところに美学があると思うので、自分のいるべき場所=コンフォートゾーンを明確に心に持ちながら表現活動を続けていきたいです。
dodo ドド
1995年生まれ。神奈川県川崎市中原区で育ったラッパー/トラックメイカー。職業訓練校在籍中の2020年初頭にYouTube,TikTokでバズを体感し、更なるバズを体験するべく活動を継続中。独特のフロウで展開される楽曲はもちろん、一発撮りで収録したミュージックビデオも注目も浴び、代表曲に挙げられる「im」(2019年)はYouTubeでの視聴数は1140万回を超える。
インタビューにあった出雲大社への道中で撮影したミュージックビデオをYouTubeにて配信。新曲「idee」に乗せて、定点で撮影された夜の幹線道路が映し出される刹那な仕上がりに。
Photos : Kiyono Hattori Interview & Text:Kohji Ogata
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