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THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 『スモーキン・ビリー』

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このバンドをひと言でいうならビター。ただ戦前のミシシッピー・ブルースみたいにかみ締められないほど苦いってわけではない。路上のブルースマンは苦いを超えて痛いからね。中古レコード屋で古いブルースやパンクを掘っているヴォーカルのチバユウスケ氏をよく見かけた。ブルースのコード進行にパンクのスピード、アクセサリーみたいな歌詞、チバさんが「何を言ってるかはどうでもよかったんだ、俺の場合、ひたすら音だから」と言ってたのを何かで読んだことがある。そのどうでもいい歌詞もカッコイイんだよな。これほどクールでシンプルなアクセサリーを装着している楽曲は、彼らの登場以前の日本になかったんじゃないかと思う。

カッコイイ音楽を作るヒントは、いつの時代も古典にあるんだね。ただノスタルジーに浸るのではなく、古典と何度も向き合うチバさん。今までの日本のロックって混沌として拒絶されがちだったけど、彼が作る楽曲は情報がちゃんと整理されている、これもJ-POPの特徴だね。ライヴもすばらしく、壮絶なまでのシャウト、狂気なギターカッティング、ブラックスーツ、緊張、くぎづけ、金縛り。こんな感覚になったのは、いまだに敬愛するUKの兄貴ポール・ウェラーだけだったけど、ミッシェルの場合、それプラス、怖さというか殺気みたいなものを感じた。こういう音楽で売れたバンドって世界的に見ても彼らだけじゃないかなぁ。

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