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2019年度の80年代歌謡曲に続き、2020年は1990年代の邦楽、まったく新しいアプローチで新時代を迎えた「J-POP」と呼ばれるジャンルを紐解いていこう。一曲目は90年のおしゃれサウンド『恋とマシンガン』だ。時はトレンディ俳優が全盛期、ドラマ『予備校ブギ』の主題歌にもなったヒット曲で、先日活動再開された小沢健二さんと、コーネリアス名義で活動されている小山田圭吾さんの二人組。特徴は何といってもサンプリングでの曲作り!
ひとさまの曲の一部を拝借し、編集して作曲する手法で、ほらヒップホップの人たちがよくやるヤツだ。ひとさまってのが重要で、ヒットチャートに入るような王道モノは素通り、中古レコード屋へ足繁く通い、誰も知らないレコードを掘り、誰も知らない美メロを見つけだしサンプリングする… この楽曲はそんなふうにして作られたんだ。冷笑的で微妙にオドオドしてる、なんて言ってた人も当時いたけれど、65年のイタリア映画『黄金の七人』のサントラを掘り当て、こんなおしゃれな曲ができちゃったんだから素晴らしいじゃないの! サントラってなかなかレアだよ。この年の暮れの日本レコード大賞で最優秀アルバム賞を受賞、メインストリームに認められたってことだね。マニアックな曲作りで正当な評価を受けて脚光を浴びたお二人、“渋谷系”ミュージックという小さな革命を起こし、音楽業界に揺さぶりをかけたのは大きなトピックだったんだ。
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