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例えばシティポップ。あるいは昭和の歌謡曲。生まれるずっと前に流行した古い曲たちを好んで聴く10代~20代の人が増えてきたと最近よく聞くけれど、同じような現象は台北でもあるらしいです。
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これはWeb編集長M山が、コロナ禍で台北に行けないフラストレーションを少しでも解放すべく、台北生まれ・台北育ちのカメラマンKenshiくん(25歳)から、台北の今どきなネタをもらって、月イチで少しの間やってみる企画です。
M山 1回目からかなり激シブのお店を撮影してくれましたが、ここは……?
Kenshi ここは「第一唱片行」という古いレコード店です。
M山 博物館ではなく、普通に営業されているお店なんだよね。流行歌の歴史を感じさせる……!
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レトロ風に作られた空間ではなくて、ずっと愛され営業を続けている現役バリバリのお店というのがすごい。よーく見ると日本のCDもあります。
Kenshi 大稻埕(観光客にも人気のレトロな建物が並ぶエリア)に写真を撮りにいくときに、お店の前をよく通っていたんです。
M山 フォトジェニックだよね。
Kenshi お店の方も、ここで写真を撮っていく人が多いよ、と言ってました。
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年代物のテレビやビデオデッキが置かれていて、おばあちゃん家に来たかのようなムード。ここからCD掘り出すの楽しそう。
M山 すごく古い時代の曲のCDが並んでいるけど、25歳のKenshiくんは知らない歌手ばかりなのでは?
Kenshi 鳳飛飛(ホァン・フェイフェイ)とか、江蕙(カン・フイ)とかの、昔のめっちゃ有名な歌手のCDが並んでますね。ファンはおじいさん、おばあさんがもちろん多いのですが、ここ最近、古いものやヴィンテージが流行っていて、私の世代でも昔の曲を聴く人が増えていますね!
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こちら鳳飛飛さんのCD。2012年に亡くなられたあとも、愛される国民的歌手。
M山 (検索してYouTubeで江蕙さんの曲を聴いてみる)台北でタクシーに乗ると、よくおじいちゃんドライバーが車の中で流してるタイプの曲だ!
Kenshi 僕の家族は江蕙の曲をよく聴いていたので、その影響で僕も小さいころから親しみがあります。
M山 日本の演歌にも似てるけどもうちょっとポップなところもあるというか……。若い子もこういうの聴くんだね。
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「唱片行」とはレコード店のこと。
Kenshi 昔の曲って歌詞がすごくいいなと思います。あと、昔の歌手って歌が本当にうまいですよね! メロディーも印象に残りやすいです。
M山 覚えやすいし、歌いやすい(笑)。年長者とカラオケに行ったときにもすごく役立つんですよこれが。今は配信で昔の曲も簡単に聴けるようになったけど、たまにこうしてフィジカルのCDを探しに行くのもいいもんだよね。
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こういう店構えのレコード店、かつては日本にもたくさんありました。ジャケットを見ながら「どんなアルバムなんだろう」と想像するのも楽しかった。
M山 最初は台北の食べもののお店を撮影してもらおうとも考えたんだけど、今はまだコロナの警戒レベルが高くて、飲食店はテイクアウトだけの営業になっているんですよね。
Kenshi はい。先月下旬にようやくレベル2まで下がって、少し人が戻ってきましたが、その前は街もスカスカでした。
M山 あともう少しの我慢ですかね。
Kenshi はい。早く元通りの生活が戻ってきてほしいです……。そう、本当は「第一唱片行」のお店の方も撮影したかったのだけど、恥ずかしがって断られてしまったんですよ。
M山 残念! それは今度(来年か)台北に行けるときの楽しみにしときます。
Kenshi
台北在住のフォトグラファー。ストリートフォトのほかポートレートも得意とする。インスタグラムはこちら。
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