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服好きたちの私物のなかでも、とくに思い入れの強い「人生のベストバイ」を教えてもらう連載。ひとつには絞りきれないって? なら、3つ教えてください!
人生のベストバイ、3つ教えて!

今回の服好きゲストは、ビューティー&ユースでPRを務める横山翔一さん。
1.〈MARNI〉のウールシャツ

「このマルニのウールシャツは、丸の内店の販売員だった頃の2018年に買ったもの。シャツといっても、ルーズフィットで、生地もしっかりして上品なので、アウター感覚で着ることもできます。レセプションとか会社の行事とか、そういう、スーツでかしこまるほどではないけど特別な日にも、かなり頼りになるんです」

「春とか秋とか、そういう中間の時期にいかに長く着られるかは、買い物のときに気になるポイント。そういう洋服の方が、自分のワードローブになっていきますし」


「色はブラックを選んだのも同じような理由からですね。やっぱりベーシックなほうが長く着回せます。買い物のときは、わりと先のことも考えて、慎重に行くタイプかもしれません」


「そもそもは、広告か雑誌かで、誰かがこのシャツを着ているのを見たんですよ。それで影響を受けて買ったんです。当時もいまも、結構ミーハーで(笑)。でも、だからこそ、お客さんの目線にも立てるというか。そういうところも、自分の個性として大事にしていきたいと思っています」
2.〈ROLEX〉のヴィンテージ時計

「26歳のとき、それまで配属されていたアウトレット店から、ビューティー&ユースの丸の内店へ異動しました。そのときに買ったのがこの時計」


「ありがちですけど、新天地に向けて、ちょっと気合いを入れるためというか。丸の内店のお客さんの層を考慮して、スタイルを引き締めたかったのもあります」

「実際、レジをしているときなどにこうした時計がチラッと覗くだけで、意外と会話がはじまったりするんです。自分も気分がいいし、日々のモチベーションにつながりました」

「じつはアウトレット時代は、クロムハーツみたいな無骨なアクセサリーをゴリゴリ身につけるタイプだったんです。でもビューティー&ユースに異動して、ブランド色の違いに驚いて。でもいい意味で影響されるタイプなので、すぐにいまのようなスタイルに。ただ、その頃の趣味の残り香を、このロレックスで表現している気もします」
3.〈Supreme〉のキャップ

「シュプリームのこのキャップは、どちらかというとノリで買って、でも意外とめっちゃ被っているアイテム」

「シュプリームのアイテムって、なんだかんだ、みんな何かしらひとつは持っていると思うのですが、ロゴがいかにもなものとかは避けがちじゃないですか(笑) うちの社内でも、『じつはシュプリーム』みたいなものをさりげなく取り入れているひとは多くて、そういう意味でもこのキャップは、粋なデザインバランスだなと思います」

「ユナイテッドアローズ全体に通じるファッションスタイルのひとつに、『帽子は被らない』っていう共通意識みたいなものがあって。代わりに休みの日には積極的に被ったり、仕事の日も鞄やコートのポケットに忍ばせておいて、帰宅するときに被ったりしているのを、よく見かけます」

「だから自分のなかでは、休みの日に髪をセットせずに出掛けられるこうしたキャップは、身も心もオフにできるスイッチみたいな存在でもあるんです」
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
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