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服好きたちの私物のなかでも、とくに思い入れの強い「人生のベストバイ」を教えてもらう連載。ひとつには絞りきれないって? なら、3つ教えてください!
人生のベストバイ、3つ教えて!

今回の服好きゲストは、ジャーナル スタンダード レリュームでWEBヴィジュアルコーディネーターを務める熊谷洋佑さん。
1.〈YUICHI TOYAMA.×EYETHINK〉の眼鏡

「ここ1年半くらいは、毎日のように伊達眼鏡を掛けています。トレードマークじゃないですけど、自分で認めることができる自分のスタイルを考えたとき、眼鏡があるほうが納得できる、と感じることが多くなって」

「とくに、細いメタルフレームよりも、レスカのクラウンパントみたいに、ある程度存在感のあるデザインが好み。メインで回している眼鏡は4本くらいあって、このユウイチ トヤマ×アイシンクのコラボモデルもそのひとつです」

「フレームカラーはブラックにも見えますが、じつはネイビー。その絶妙なカラーリングが、上品すぎなくていいんですよね。また、内側にはメタルが覗いているのもユニーク。ちょっとしてことですが、それがあるのと無いのとで、かなり結構印象が違って見えると思います」

「こうした奇をてらったアイテムは、洋服も含めて嫌いじゃないです。こんな風にちょっとズレているくらいが好みで、自分にとってしっくりきます」
2.〈LEVI’S® VINTAGE CLOTHING〉のデニムパンツ

「今季の『47501』にもいろんな加工パターンがあるなかで、クラックみたいな加工がほどこされたこのモデルは、ジャーナル スタンダードとジャーナル スタンダード レリュームのみでしか買えない限定品です」

「このデニムは、社内カメラマンとしてヴィジュアル制作に携わったこともあり、愛着があります。2月に発売したばかりですが、それより前からこのパンツのことばかり考えていたので、もうずっと穿いてきたような感覚(笑)」

「うちのブランドでリーバイス®のパンツをセレクトするときの決まりのひとつが、レングス28を中心に仕入れること。僕は、ヴィンテージのデニムをちょっとゆるめのウエストサイズで穿くのが好きなのですが、そうするとレングスは余りすぎてしまうことが多くて……。このパンツなら、ウエストゆるめでも丈はピッタリ気持ちよく穿けます」

「もちろんレプリカですが、誰がどうやって育ててもこんなクラックはできないだろうと思うと、レプリカを買う意味みたいなものもちゃんと見出せる1本です」

「さらに細部まで見てみると、買ったひとすら気づかなそうなところまで細かくリペア加工がほどこされていて、そういうニクい演出もたまらないんですよね」
3.〈Wrangler〉のチェックシャツ

「最後に、ラングラーの古着のチェックシャツ。ある古着屋のインスタで見かけて気になって、その日にすぐに買いに行ったものです。お店のひと曰く、50sとかそれくらいの年代のもの」

「ライトフランネルの生地も、配色も、チェック柄も、どこを見ても完璧。たぶん、もともともう少し大きかったのが、縮んで丈長のシルエットになったんじゃないかと思います」


「あと、前の持ち主によるリペア跡がかなりあるんですが、そのリペアがかなり高いレベルでデザインとして成立しています。無造作なんだけど、整えるべきところは整えてある。あるとき着ていたら、デザイナーの友人から『N.ハリウッドがいいシャツつくってるな〜と思ったら、古着なんだ⁉︎』って驚かれたくらい」

「これまで、古着をはじめいろんな洋服を買ってきて、もちろん手放しちゃうものとか、いつまでも長く着続けるものとかいろいろあるなかで、このシャツは、そのどこにも属さない存在」

「『(洗濯が怖くて)着ることはほとんどないけど、手放したくない』。そういう心持ちになる洋服って、自分のなかでは初めてで、だから、人生のベストバイに選びました」
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
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