▼ WPの本文 ▼
服好きたちの私物のなかでも、とくに思い入れの強い「人生のベストバイ」を教えてもらう連載。ひとつには絞りきれないって? なら、3つ教えてください!
人生のベストバイ、3つ教えて!
今回の服好きゲストは、PRオフィス・4Kの青木 万希也さん。
1.〈Nigel Cabourn〉のジャケット&パンツ
「ナイジェル・ケーボンは、大学時代から、かれこれ10年以上ずっと好きなブランドです。そんなに長期間好きでいるブランドはこれよりほかになくて、その想いで引き寄せたのか、偶然、いま勤めている会社でもPRすることに。めちゃくちゃ嬉しく思っています」
「就活のとき、セレクトショップをある程度受けたのですが、履歴書に同封するスタイリング写真を撮るとき、どうしても着たいナイジェルのジャケットがあって。奮発して、13万くらいしたそれを買いました。面接でも着たくて、でもより気合いを入れたい2次面接まで温めていたら、1次で落ちちゃって……(笑)。そんな思い出もあります」
「このジャケットとパンツは、ナイジェルのリミテッドエディションのもので、英国製にこだわってつくられています。今シーズンの大きな特徴は、ジョージ・マロリーとアンドリュー・アーヴィンといった歴史的登山家から着想を得ていること」
「ジャケットは、アンドリューが着ていたあるジャケットから。パンツは、ジョージが着ていたあるパンツから。別々にインスピレーションを得たものだそうです。だから、セットアップではありますが、それぞれ単体でもすごく使いやすい。そこも、このセットアップをとくに気に入っている理由です」
「ちなみに、ファッションに目覚めてから初めて熱中したのが、英国ブランドを知る・買うことでした。それは一種の憧れからきたもので、ナイジェルについても、そうしたこだわりの表れだと思います」
2.〈Ted Muehling〉のピンズ
「テッドミューリングは、ニューヨークのジュエリーブランド。日本では、たしかヤエカさんがもっとも多く取り扱っていたと思います。これは丸の内にあるCA JITSUという系列店で見つけて、何度か足を運びながらじっくり悩んで買ったものです」
「テッドミューリングは、ピアスやペンダント、テーブルウェアやロウソク立てみたいなものも作っていますが、根幹には、自然界に見られる有機的な形状をデザインに落とし込む、というコンセプトがあります」
「たとえば、メロンの種をピアスに使ったり、オリーブの実をブレスレットにしたり。それらは自然から生まれ出たナチュラルな形状なので、強いデザインでも不思議と馴染むんですよね。これに使われている真珠も、ちょっといびつですが、それが心地よく感じられます」
「ピンズとして、僕はニットやTシャツの首元につけて使うことが多いです。個人的に、いろいろな解釈や着こなし方の工夫が許されるアイテムはすごく好み。また、古着が好きなので土臭いスタイルになりがちなところに、このピンズをつけるだけで品が漂うのもいいんです」
3.40年代 山岳部隊のジャケット
「40年代製の、山岳部隊のミリタリージャケットです。前身頃には大きくて多目的なポケットが4つついていて、背面にはバックポケットがあります。ウエストベルトにしても、けっこう本格的なつくりなので、ともするとコスチューム感が出そうなものですが、着ると意外と自然」
「シュールバイライラで、6年くらい前に買いました。店頭のトルソーにドカンと掛かっていて、『なんだこれ⁉︎』って惹きつけられました。状態もよかったとはいえ、20万くらいしたので、いま考えると恐ろしいですね……」
「じっくり考えて、というより、どちらかというと感覚的な買い物でした。その時期は物欲だけはあって、でも1ヶ月間くらいいいものに巡り会えずいろんなお店を回っていました。そんななかだったから、これを見つけたときの衝撃にやられたんでしょうね。そしてお店の店員さんがすごく知識人で、たくさん面白いお話も聞かせてくれたんです。だから、このひとから買いたいな、みたいに思って。……いや、どれも高い買い物をした言い訳かもしれないです(笑)」
「大好きなスラックスと合わせたり、インナーはタートルネックやシャツやカーディガンなどを着回したり。一張羅というか、これ1枚羽織るだけでキマるみたいなところがあって、ずっと愛用しています」
4K PR
青木 万希也 さん
個性派アイテムを織り交ぜながら、ジャンルやトレンドを飛び越えた独自のスタイルが注目を集める。
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
▲ WPの本文 ▲