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服好きたちの私物のなかでも、とくに思い入れの強い「人生のベストバイ」を教えてもらう連載。ひとつには絞りきれないって? なら、3つ教えてください!
人生のベストバイ、3つ教えて!
今回の服好きゲストは、PRオフィス・ムロフィスの伊藤誉さん。
1.〈JOHN SMEDLEY〉×〈KAPTAIN SUNSHINE〉のニットポロ
「キャプテンサンシャインは、ムロフィスでもPRを担当しているため、仕事としても関わりのあるブランドです。そうやって仕事で携わると、デザイナーさんの考え方や一つひとつの洋服のデザイン背景などを知ることができて、より愛着が湧くところもあります」
「デザインベースは、デザイナーの児島さんが持っていたという70年代のアバクロのニットポロ。その生産をジョンスメがやっていたらしく、それがこのコラボの発端になったそうです。通常のニットポロよりも襟が長めだったり、肩のラインにゆとりがあったり、猫目ボタンが採用されていたりと、かなりこだわって作られているのがわかります」
「青みがかったグレーの、このギリギリのおじさん感も気に入っていて、スウェット感覚で、シンプルにスラックスや革靴に合わせることも多いんです」
「なにより、上質なメリノウール100%で作られていること。とにかく気持ちがよくて快適です。メリノは大好きな素材で、靴下やパンツもメリノウールで揃えていますし、今日着ているこのカットソーもそう。保温性が高くて乾きやすいので、登山や旅行でも非常に扱いやすいんですよ。これからも、メリノのよさは布教していきたいですね」
2.〈E5 eyevan〉の眼鏡
「アイヴァンのなかでも、実用的で機能的な眼鏡を展開するE5 アイヴァン。僕は1本目にメタルフレームを買って、そしてこのアセテート素材のセルフレームを気に入って買い足しました」
「セルフレームの眼鏡は、いまはわりと太めのものが主流ですが、これはクラシカルなウェリントン型。天地もある程度の高さがあって、日本人の顔に似合いやすく、だから自分もしっくりきています」
「このアセテート素材は、人体から出る脂の影響も受けづらく、劣化しにくいのが特徴。蝶番は、あとからショップで調整しやすいように設計されていて、見た目にもユニーク。なにより、掛け心地が本当に軽い。そうした機能性も大きな特徴です」
「この眼鏡には度入りの調光レンズを入れてあるので、紫外線が当たるとサングラスとして機能します。登山に行くときにコンタクト+サングラスだと違和感があるので、その点でも、これはかなり気に入っているんです」
3.〈THE NORTH FACE〉のシェルコート
「廃盤になってしまったザ・ノース・フェイスの『ライトニングコート』は、2、3年前に買ってからかなり重宝しています」
「自転車通勤用の防水シェルを探していたときに見つけたもの。いわゆるアウトドアシェルは日常用にはオーバースペックで、そして着心地もゴワゴワしていたりと、あまりいいものに巡り会えませんでした。そんななか、このコートはトレイルランニングなどにも使われるような防水性の高い3層素材ですが、わずか300gと超軽量で薄いのが特徴。低山を登るときにもちょうどいいんです」
「フロントジップは二重になっています。『ジップインジップ』システムといって、対応するウエアをここに取り付けることでライナーにできます。ポーラテックのフリースなんかを合わせれば、冬場も快適に過ごせたりします」
「そんなふうにしっかり機能的ですが、形は、モッズコートみたいなフィッシュテールタイプ。いかにもアウトドアって感じがしないミニマルで定番的なデザインで、飽きがこないんです」
Photos: Shintaro Yoshimatsu Composition&Text: Masahiro Kosaka[CORNELL]
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